「 背を曲げた蜻蛉の亡骸風に飛ぶ 」
緑多い小山が通勤路です。
歩いていると、ふと蜻蛉が横になっていて。
生きてるのかな、いや、風にゆらゆら。
亡骸なのか…。
背中を曲げたまま亡くなったのか…。
そんなこともあるんだな…。
風に吹かれている蜻蛉にもののあはれを感じました。
「風に吹かるる」としたかったのですが、字数が合わず、いっそ昇天させて天国で飛び回ってね、という句にしました。
「とんぼ」の形を見ていたら、漢字の方が似ているなと思い、どんな漢字だったかなと調べていたら、いろんな言葉が見つかりました。
まず、「亡骸」が気になりました。
「から」だから、なんとなく蝉の抜け殻を思い浮かべてしまいますが、何のからかというと、魂の抜け殻、ということなんでしょうね。
それだけ古代の人は魂と肉体の両方に意識があったということでしょうね。
とんぼが「あきつ」という別名を持つことも知りませんでしたし、「あきつくに」が「日本」を指すとも知りませんでした!
「日本」は「とんぼの国」なんですね。
確かに、秋の田に群れ飛ぶ赤とんぼには郷愁を感じます。
そして、「とんぼ」は秋の季語だったんですね。
昆虫はたいてい夏のイメージですけどね。
とんぼの羽根、「あきつは」に薄く美しい布の意味もあるなんて、すてきです。
千年以上前?からのとんぼにまつわる言葉に触れ、悠久の時を感じたひとときでした。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます