思い起こせば

作文や読書感想文を書くのが好きな子供だった。あらすじを追うことに終始していたり、『~と思いました。』だらけだったりする級友達の文章を、『ふっ子供っぽいぜ』と密かに鼻で笑うような、イヤな子供だった。いきなり会話文や問いかけ文から始める『ツカミはOK』的なスタイルを意識してみたり、めくるめく起承転結があったり、インド人もびっくりの大どんでん返しなエンディングを仕掛けてみたり、かといってそういう作品ばかりだと『子供らしくない』と批判されがちなので、子供ならではの無茶な発想や文脈の破綻を適度に織り交ぜてみたりもして、かなり計算尽くな文章を書いていた。イヤラシイ。全くもってイヤラシイ。イヤラシくてもいいから、今。今こそその文章力が欲しいのに。もはやダラダラ駄文しか書けなくなっているのはなぜ。十で神童、三十路過ぎればアレな人なマスターなのでした。
コメント ( 5 ) | Trackback ( )