二日酔いを意味する英語の「はんぐおーば(a hangover)」
まあ“酔っ払い”の言うこと。by.NA-094
はんぐおーば
労働賛美:怨
その日、年配の同僚がテナントの女性従業員たちとで、
駄弁を弄して(無駄話をして)いた。
いつも調子の良いことばかり口にしており、
親会社から出向してきていた不真面目な人物だった。
以前…、
「小難しい仕事の話などより、
若い女性との時間(無駄話)は、いつも刺激的だから、ね。
仕事さえあれば、いつまでも話していられるよ。」とも言っていたけど。
※“仕事さえなければ…”の間違いではない!
所定の業務すら、手ヌキをしているようなズボラな男が、
こんなことを言っていれば、冗談にも思えない。
実際、冗談でなく、本気だったのかも知れない。
一般にグループ会社の親会社から出向してきているとなれば、
行動規範を示せるような人物にも思える。
しかし、この人物にはグループ会社を支えている仕事だという意識もなく。
親会社のノウハウを子会社に浸透させていこうと言う考えもなければ、
責任もない。
厄介なことに長らく、親会社に在籍してきた年配の出向者などは、
色々な関係者に顔が効き、舌も回る。
だから、直接的ではないけど影響力があり。
彼の態度や行動が、事業所の印象を下げていても、
現場の上司(現場長)も、本社の担当(営業部課長)も、
見て見ぬふりをしているのが実情だった。
そんな同僚が受付にいるとき、
彼(洋菓子店の従業員)が、受付の前を通って通路へと向かっていた。
「おう、お疲れ様、また今度、何か持ってきてくれよ」と、
同僚が言った言葉にも、彼はニコニコしながら立ち去ったが、
イヤなものを感じた。
その日の夜から、また“差し入れ”が、毎日のように届くこととなった。
事業所の上司には、これまでの経緯と同僚の言動を注意したが、
面倒事を嫌った現場長は、
“他人様の善意は無視できないから”などの言い訳を並べ、
知らぬ存ぜぬという態度となった。
職場の同僚たちも、彼の“差し入れ”が
どういう気持ちから行われているのかは知っていた。
しかし、それなりの値段になる洋菓子が、
タダで食べられるとなった同僚たちは、
彼に感謝の言葉を伝えながら、陰で舌を出していた。
何とかしたいとは思っていたが、
彼は、その年の終わりに仕事を辞めることになった。
これは、悪意のない言動が引き起こしたというものではなく。
明らかに悪質なものだった。
このテナントビルは、親会社から子会社へと委託している事業の1つであり。
このモラルのない同僚の行動を把握していたとしても、
処分や注意されることはなかったかも知れない。
当時、この現場には、別の問題が何件もあり。
直接、この年配の同僚に注意することはできなかった。
通常、企業社会には、平社員より1つ上の役職は、“主任”になり。
その上に、係長代理、係長、課長という感じになっている。
この事業所において、主任に相当する責務を負っていたものが2名。
その上にあたるものが1名。
係長に相当する役職者が2名。
現場(事業所)のトップは、課長にあたる“現場長”(1名)となっていた。
この事案を報告するため、時間を空けてもらうよう現場長に伝えたところ。
それを拒否。
「係長からの報告を聞いてから判断する」との一点張りになった。
すでに事情を把握していた係長の1人は、まだ若く。
判断と対応に迷っているようだった。
もう1人の年配の係長は、ヘラヘラと笑っているだけで、何もしなかった。
当時、NAは“問題児”と評価されていたのだが、
その事に気付いてないまま、職務を続けていた。
“知らぬは本人ばかり”の状況で、面倒事を嫌った上司たちには、
「問題児のアイツが言うことだから」という意識があったのだろう。
他の役職者は、事案で手一杯となっており、
この問題の悪質さを理解できてもいなかった。
こんな問題を表面化させたくもない本社の判断は、
現場の評価を疑わないことだった。
この件は、親会社から出向などで配置されてくる人員への不信感となり。
それが別の件(関連する過去の記事「労働賛美:喚」)とも絡むことで、
その後、職場での居場所を失ってしまうことになった。
(この記事の投稿は意図的にズラしてます。2021年2月加筆訂)
蛇足:
以上の文面は、誇張はあっても、脚色はない。
親会社から出向してきた人員は、子会社の社員への仲間意識などなく。
立場を権限だと勘違いしているところがあった。
同じ職場であっても、特別な待遇を受けているものと、
受けていないものがいれば、お互い仲間意識が生まれることもなく。
そんな親会社から出向してきた同僚が、
管理会社への親近感をもっていた従業員に対して、
たぶらかすようなマネをしたのは、本当のこと。
こんなことは許せるハズもないが、
注意や処罰を下せるような立場にもなく。
今、思い出しても、怒りや憤りが消えない。
それに、どうしようもない無力感がある。
だからこそ忘れる気にはなれない。
“親会社”に関連する過去の記事「末路」
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労働賛美:呪
数年前、ある商業ビルでの管理業務をしていたときの話になる。
テナントの店舗には、洋菓子店が1つあり。
その洋菓子店の従業員には挨拶をすれば、
必ず笑顔で返す感じのいい青年がいた。
しかし、彼には知的障害か発達障害のような雰囲気もあった。
彼の勤務中、店舗でのトラブルなどの対応をしたことから、
親近感を持たれたのだろうか。
数日後、店舗の商品が売れ残ったこともあり、
事業所に洋菓子の差し入れがあった。
決まりきったような対応だったけど。
そんな仕事への感謝があることは、単純にうれしかった。
しばらくしてから、また差し入れがあり。
それからは、毎日のように届くようになった。
それが3日続いてから、あることに気付いた。
その洋菓子店の別の従業員が出社してきたところで、
ちょっと引き留めて、世間話をすることにした。
話の流れが不自然にならないようにしながら、
彼の印象や行動などを聞いてみると、
仕事ぶりはマジメで人当たりはいいのだけど。
ここ数日、在庫しきれないほどの商品を発注するので
困っているとのことだった。
店の商品を、勝手に持ち出している訳ではないが、
意図的に商品を売れ残させているのは確実だった。
自分に好感をもってくれた人物に、何かで報いたいと思ったのだろうか?
商品が余れば、廃棄されるのだから、
仕事を一緒にしている人たちとで分かち合いたいと思ったのかも知れない。
「彼から差し入れてもらった洋菓子は、
このバームクーヘンの倍以上の値段で数量もあった。」
その日、彼が出社してくる時間の勤務は、
同僚に理由をつけて交代してもらった。
彼が受付にきたところで、
「いつも“差し入れ”をいただき、ありがとうございます」と感謝を伝え、
「ここは大きなテナントビルなので、他の店舗からの“差し入れ”も多く、
食べきれないまま、社員用の冷蔵庫が一杯になってしまうときもあるのですよ」
「色々な方からのお気遣いをいただけて、ありがたいです」
相手を傷つけないように言葉を選んだつもりだったが、
よく分からなかった。
そのまま軽い世間話でもしたように覚えている。
それから、毎日のような“差し入れ”はなくなっていくハズだった。
あるときまでは…。
(この記事の投稿は、意図的にズラしています。2020年7月作成:続く)
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