タイ国では今日12月10日は「憲法記念日」で祝日です。 1932年(89年前)に起きた
「立憲革命」で絶対君主制から立憲君主制に移行し、初めての憲法が発布された日でした。
反政府デモでは改憲も訴えていますので、民主化集会の動向が気になります。 今日は、
パトゥムワン交差点スカイウォーク(MBK前)にて、17時から21時まで行なわれる予定です。
在タイ日本大使館も在留邦人へメールで、現場周辺に近づかないよう、注意喚起しています。
<大きなデモを行なう時は国旗を掲げます>
昔々、日本では憲法記念日には、国旗である日の丸を掲げる一般家庭を多く見かけましたが、
今では ほとんど見かけなくなりました。タイ国では国旗を非常に大切に扱います。特に今日の
憲法記念日では、反政府デモにおいて多くの人が国旗を掲げながらデモに参加するでしょうネ。
周知の通り、朝8時の国歌斉唱の放送と共に、官公庁や一般企業など掲揚台がある場所では、
国旗が掲揚され、夕方6時の国歌斉唱の放送時に、国旗を下ろすことが慣習となっています。
承知のように、タイの国旗は赤・白・紺色の三色5本の横縞から成る三色旗になっています。
国王ラマ6世によってデザインされ、1917年に誕生しました。赤は「国家」、白は「仏教」、
紺色は「王室」の意味が込められ、中央の紺色の帯は他の4本よりも二倍の幅になっています。
教育の場では国旗についての意義などを話し、運動会などで児童生徒が国旗を持って
入場する際、絶対に地面に触れないようにするなど指導する、と聞いたこともあります。
我々が思う以上に、タイの人たちは国旗に対して、特別な感情を持っているんでしょう。
<お父さんが豪州人のアンチリーさん>
先月、こんなことがあり、ちょっとしたニュースになりました。今月イスラエルで行なわれた
「ミス・ユニバース」の宣伝活動の写真撮影で、タイ代表のアンチリーさんが、国旗を踏み
つけている、と元国会議員が問題視し、「国旗法」違反だとして警察に訴え出たといいます。
タイには国旗法があり、国旗を冒瀆したとして逮捕されると、二年以下の懲役ないし罰金
4万バーツ以下、もしくはその両方が課せられます。でも これは、宣伝活動の写真を作成した
スタッフらの配慮が足りなかったことを問われるべきだと、いう反論も寄せられたようです。
訴えた元国会議員は、“冒瀆している、或いはアンチリーさんが実際に逮捕されるとは思わない。
あくまでも、今回の件を契機に、国旗に対する配慮を広く社会に問いただしたく、訴状を出した”
と話していました。 大変な国旗愛ですよネ。 日本人も見習うことかも知れませんねぇ~
特に、戦前は、「日の丸」と天皇制が密接に結びついて、戦意高揚に貢献していました。
しかし、戦後になり、日本人の間に、民主主義が定着し、日本人は「日の丸」から次第に疎遠になってきました。
「日の丸」が見られるのは、オリンピックや国際スポーツ大会などに限られてきました。
過剰に国旗崇拝するよりは健全になってきたのでしょう。
タイ国では、1932年(89年前)に起きた「立憲革命」で絶対君主制から立憲君主制に移行しましたが、残念ながら、未だに民主主義が定着せず、王室と軍部が結託した王政(絶対君主制)が続いています。
王政を維持するために、不敬罪を廃止せず、民主主義勢力を抑圧する道具にしてきました。
タイ国に必要なのは、国旗への崇拝ではなく、不敬罪の廃止及び王室改革です。
タイ国が王政から脱却し、真の民主主義社会に移行できるのか?時間が無くなっています。