タイの人たちには「フアランポーン駅」として親しまれていますが、正式な呼称は
「クルンテープ(バンコク)駅」です。外国人の間でも、そうですネ。昨日からの続き。
フアランポーン駅の建設は1910年に始まり、その六年後に最初の列車が到着しました。
1916年の開業から100年以上が経った長い歴史を感じさせる建物、ステンドグラスから
漏れて来る光が懐かしい。長い独特なプラットホームと、タイ国らしいのんびりとした
雰囲気はワクワクさせ、旅情を大いに掻き立てるものでした。欧米人はじめ外国人にとっても、
鉄道旅行のロマンの一つとなっていたんではないでしょうか。独特の雰囲気がありますよネ。
バンコク都の街中にポツンとある洋風な建物は当然の流れでした。 タイ国を近代国家に導いた
チュラロンコン王(ラマ5世王)が在位したのは1868年から1910年です。即位すると、欧米に視察
旅行へ。そこで タイの立ち後れを実感し、改革に着手しました。現在の王宮などの建物も洋風に
しています。 その時代の流れが、フアランポーン駅もそのような建築になったんでしょうネ。
当時、多くの依頼を受け19世紀末頃にタイで活躍したイタリア人建築家マリオ・タマーニョが、
ドイツのフランクフルトの中央駅からヒントを得て、設計したもので フアランポーン駅は、
タマーニョの最高傑作と言われているそうですからネ。欧米人に好かれるのも理解できます。
ビフォーコロナのピーク時には、年間3,700万人がフアランポーン駅を利用していたといいます。
多くの人が行き来し狭く感じましたが、バンスー新中央駅が開業すれば、東南アジア最大の
ターミナル駅となるので心配無用です。来年あたり落ち着いたバンスー駅も見てみたいですネ。
<バンスー中央駅>
フアランポーン駅が閉鎖することでメリットもあるようですヨ。それは、タイ国鉄の中長距離
列車は、バンコク都内中心部を通過しなくなる為、渋滞緩和が期待できるとしています(苦笑)。
同駅は貴重な建物であり、タイ国鉄は今後、商業施設を併設する鉄道博物館にして保存
されるといいます。博物館として生まれ変わったフアランポーン駅も名物になるでしょう。
<JR北海道から譲りうける列車>
そう言えば今月初め、JR北海道は2016年以降に廃車になった17の車両をタイ国鉄に寄贈する
というニュースが流れていました。これらの列車が到着後に安全検査と改修を行ない、タイで
観光列車として運行できるようにするとのこと。 輸送費と改修費はタイ国鉄が負担します。
2022年以降の運行開始を予定しているこれらの列車は、歴史あるフアランポーン駅よりも
近代的な今風の駅となるバンスー新中央駅のほうが、お似合いかも知れません。楽しみです。
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