東南アジアの大都会、バンコクが近代化して綺麗な街になっていくことは、素晴しいことだけど、
タイらしさ、バンコクらしさが無くなっていくのも寂しいな。 果たして、どちらが良いんでしょうネ。
タイ軍事政権は、2014年にクーデターで政権を樹立した直後から、「バンコク市内をクリーンで
秩序ある街づくりキャンペーン」 の一環として、バンコク市内の屋台を撤去し続けています。
これまでに都内の30 区・6 5カ所前後で約2万店の歩道上の屋台を撤去しています。 この撤去活動は
まだまだ続き、来年8月までには さらに 40カ所・1万5千店以上の屋台が無くなってしまうといいます。
確かに一部の屋台は “汚い、衛生面で問題 ・・・ 等々” のイメージがあり、それを嫌う人もいますが、
これもタイの文化の一つですよネ。 屋台で売られている食材や料理の値段は比較的安いですが、
低所得者が集まる所ばかりでなく、美味しいと評判になれば、たくさんの富裕層でもやってきます。
この屋台の中には、食通の間で人気が出て 路上マーケットに発展し、活気あるいくつかの
有名な屋台街も含まれており、この営みが消えつつあるのは、確かに寂しい限りですねぇ~
そう言えば先月、アメリカのニュース専門局 CNNが、世界中の屋台 (ストリートフード)
ランキングを発表し、バンコクの屋台を23都市中から1位に選んでいました。 屋台撤去に
大反対している市民たちは、「バンコクの屋台は世界一とCNNも認めた!」 と拍手喝采でした。
タイの屋台について、CNNニュースの中で 「バンコクの街のあちこちで売られている
屋台の食べ物は絶対見逃すことができない。 一日中食事を楽しむことができる。 朝は
具だくさんの豆乳に、ランチはカオ・マン・ガイ (柔らかく煮込んだ鶏を、鶏のスープで炊き込んだ
ご飯に乗せて食べる料理) を食べ、そして晩ごはんにパッタイ (タイ風焼きそば) を食べる。
その中でもチャイナタウンのヤワラート・エリアにある屋台が最高だ。」 とコメントしていました。
ちなみに、世界2位は東京で、3位はホノルルということでした ・・・
「路上のクリーンアップと景観を整える」 ことを目的に、半ば強行して路上屋台の撤去を進めていますが、
こうしたキャンペーンを “バンコクの魅力を ただで開発業者に売り渡している” と批判する有識者もいます。
それは、撤去の対象となっている場所は、BTSや地下鉄の通勤電車ラインやその沿線延長を予定している、
或いは商業施設の周辺ルート上にあり、土地開発で価格が上がると見られている地域だと指摘しています。
国が、都市が、大きく発展していく過程では、このような多種な騒動が生じるんでしょうが、今 タイは
大きな転換期を迎えているのかも知れませんネ。 そんな時、いつも時代を変えるのは若者です。
そんな撤去騒動の裏腹に、人が集まる空き地で、三輪車や四輪車を屋台用に改造、移動式店舗にして、
しかもタイ料理ではなく日本料理やハンバーガー・ビザなどを販売する若者の屋台が目立ってきました。
今までの屋台と違って、料理に合わせた洒落た店舗にしています。 当然、若者に支持されますよネ。
古いものを失くせば新しいものが生まれる。 ここでも人間の知恵が躍動しています ・・・
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