2008年のタイも激動の一年でした！

去る20日、プミポン国王からアピシット首相が提出した閣僚名簿を承認し新内閣は発足しています。

今年、タイも激動の一年でした。新首相となったアピシット首相が29日に施政方針演説を行なって
一年を締めくくり、来年に向かおう、という矢先に、タクシン元首相を支持する「反独裁民主同盟」（UDD）
の約9,000人が国会を取り囲み、方針演説を30日に延期され場所も国会議事堂から外務省庁舎へと変更
させてしまいました。今度はタクシン元首相派の意趣返しでしょう。ヤレヤレです。

タクシン氏の義弟であるソムチャイ前首相が10月7日に施政方針演説に臨んだ時は、反タクシン派の民主
主義市民連合（PAD）が国会を封鎖した為、警察が強制排除したことによって多数の死傷者が出ました。
その時のデモ隊のシャツは黄色一色でした。今度の反独裁民主同盟のタクシン派は赤シャツ一色で、
外部からだけを見ていると　デモ隊が黄色シャツから赤シャツの変わっただけのようです。（笑）

笑っていてはいけませんが、同じことの繰り返しで、プミポン国王もタイ国民も呆れ顔でしょう。

UDDは、28日夕方からバンコクの王宮広場で反政府集会を開いたあと、国会議事堂へ移動し「選挙に
勝てなかった民主党が軍の介入などを得て政権に就くことは許されない、政権を盗んだ民主党を許しては
いけない」等々を叫びながら、総選挙とタクシン元首相の復帰を求めています。

PADが国会議事堂を封鎖した折には、当時野党であった民主党党首の現アピシット首相は、政府の対応を
厳しく批判した経緯がありますから、警察に排除を求めたくとも求められず苦慮していたようです。

そんな経緯もあるもんですから、30日の施政方針演説では、空港閉鎖など最近の政治混乱を振り返り、
「政治対立はわが国の弱点」であることを主張し、「対立を解消し投資家と外国人観光客の信用を取り
戻さなければ、更なる景気後退を招く」と強く語っていたようです。尚　同日13:00前に閉会した施政
方針演説国会には最終的に上下院議員330人が出席しましたが、野党議員は全員欠席した模様です。

処で、2008年のタイを振り返って見ると色々なことがありました。また不思議なことにも気づきました。
首相府が占拠されても、政治は通常通り動くことや、国家も外交上も最も重要な空港が占拠されても
政府や警察・軍は何もせず傍観し続けたことです。これは中々我々外国人には、理解できない文化です。

ある方々は「集会に参加している者に老人・女性・子供も多かったので、もし強制排除していたら多くの
犠牲者が出るから」と、人命優先に対処したとの事です・・・　タイという国の大きさを感じはしますが
国際空港封鎖は、経済的にも大きな犠牲を払い国際的にも大きな信用を失墜しました。これらを取り返す
には、あまりにも大きな時間と予算もかかることでしょう。
来年以降を静かに見守りたく思います。



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