昨日の二回目の首相指名選挙、タイ国らしい締め方でピター氏の指名選挙は没になりました。
タイ憲法裁判所は19日、前進党のピター党首(42)が、“国会議員がメディア会社の株式を
所有することを禁じる憲法規定に違反した“ とするタイ選挙委員会の訴えを受理し、判決を
出すまでの間、ピター氏の下院議員資格の一時停止を命じたからです。軍政の思惑通りかな?
5月14日の総選挙で当選後、“憲法規定違反だ” という指摘を受け、その後 全株を親族に
譲渡しています。しかし違反と認定された場合、ピター氏は下院議員も失職してしまいます。
タイ国会は19日、下院(定数500)と上院(定数250)の合同会議を開催し、第二回の首相
指名選挙を実施する予定でした。ですがピター氏が19日朝に裁判所から停職処分を受けた為、
国会でピター氏の首相再任について 長時間の討論が成されたようです。ですが、結論は出ず、
ワン国会議長が電子投票で再任の採決を命じた結果、ピター氏の二度目の擁立に反対する
動議が賛成多数で可決され、首相指名選は実施されませんでした。ピター氏残念でした。
議員715人のうち、312人が賛成票を投じ、上院議員を含む394人が反対票を投じ、8人が
棄権し、1人が投票権を行使しませんでした。やはり軍政が選んだ上院議員が効いています。
ピター氏の下院議員資格が一時停止を命じられたのに、なぜ再任の採決を議論したのか?
それはタイ国の首相就任は国会議員でなくとも、首相に就くことができるからなんでしょう。
予想もされていたことでしたが、軍政の巻き返しで、またも国民不在の流れとなっています。
プラユット軍事政権が任命した250名からなる上院議員らは、7月13日にピター氏を首相
候補として否決し、今日の二回目の首相投票には擁立することに反対票を投じました。
これでピター氏の首相就任の可能性は ほぼ無くなりました。ピター氏はこれまで、自身が
首相になれない場合は、“連合を組む下院第二党のタイ貢献党に首相候補を譲る” と述べて
おり、今後の新政権樹立の進行は、タイ貢献党が主導権を握り、進むことになるんでしょう。
<セッター・タウィーシン氏>
タクシン派であるタイ貢献党は、タクシン元首相の末娘であるぺートンターン氏も首相候補の
名簿(各党三人まで掲載可)に載っていますが、彼女は出産直後ということもあり、三人の
内の一人、実業家のセッター・タウィーシン氏を首相候補として擁立する方向で動いています。
前進党の前身である未来党も2019年の総選挙の際、党首の議員資格が略奪されたうえ、
解党させられています。ピター氏も前進党も、その可能性が高まりました。次回に続きます。
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