先週末 暫定国会の立法議会で、コメ担保融資制度に絡み 職務怠慢の罪で、インラック
前首相 (47) の弾劾審議が行なわれ、弾劾が賛成190票、反対18票で可決されました。
政府が農家からコメを 買い取る融資制度を めぐり、国家汚職追放委員会は 「巨額の
損失や不正が生じる恐れがある」 と警告を 受けていたのに、インラック氏が 制度を
中止しなかったのは、職務怠慢に当たるとして、立法議会に弾劾を 求めていました。
前首相は暫定国会で自ら釈明し、コメ担保融資制度は農家の収入を 増やすための正しい政策で、
「不正はなかった」 などと主張、すでに 首相の職を 失い、弾劾対象とはならない」 として、
審議の正当性自体に疑問を 訴えましたが、受け入れられませんでした。 また、最高検察庁が
刑事訴追する方針を 固めていますから有罪になった場合、最高で禁固10年が科されるとに ・・・
これで彼女は、参政権が5年間停止され、軍政が約束する民政移管の総選挙に
出馬できなくなり、タクシン派にとって、東北部や北部で人気の高いインラック氏を
失ったことは大打撃です。 前首相を 支持する彼らの反発は必至でしょうネ。
政治家が国会の弾劾裁判で有罪となったのは、タイ史上で初めてのことと聞きます。 悔しい汚名を
着せられてしまいました。 もともと真の政治家ではなく、タクシン元首相であった兄の強い要請で、
首相になるよう押され、政界に飛び込んだインラックさんにとって、大変 不名誉なことになりました。
しかし、このコメ買い取り政策は、もともとインラック元首相が所属しているタイ貢献党の選挙
公約だったんですよネ。 東北を 中心とした農村部の支持を 基盤に置いている同党にとって、
農民の所得向上は、安定政権維持のためには重要な事案です。 国家財政への危惧よりも、
公約を 果たさなければ政権が崩壊する可能性を 危惧したのだと思われます。
政権維持と票を 当てにした人民主義の政策が、彼女自身を 自ら窮地に追い込んだ感があります。
タクシン派の強硬派幹部から、これは自派の政治的影響力を 排除する狙いがあると反発を 強め、
反対蜂起する発言もあったようです。 また彼女自身のフェイスブックでも弾劾決議などの
不公正さを 訴えましたが、現時点では目立った蜂起は起きていません。 戒厳令で抑え込まれた
政治対立の火種が、再び くすぶり始めなければ良いのですが ・・・・
それにしても、「職務怠慢」 で起訴とは驚きです。 インラック前首相は 選挙に勝って、調子に
乗ってしまいましたネ。 海外逃亡中の兄を タイに帰国させることを 目的としていましたが、
<インラック前首相が、25年前にモデルとして登場した画像、
GENERATIONという雑誌で、ケンタッキー州立大学留学中>
恩赦という手段で 強行に帰国させようとした施策が、反タクシン派に火を つけ、政権撲滅に
繋がってしまいました ・・・ インラック前首相は、完全に墓穴を 掘りましたネ。
もしタクシン派が、再度 動き出すようでしたら、インラック氏に禁錮刑にされる可能性があります。
プラユット首相も なかなか考えた 「タクシン派潰し」 を していますよネ。
さて 今後どうなりますか ・・・
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます