近年の「ブラック企業」問題に関連してマスコミ等で取り上げられる機会が増えた本に、小林多喜二の『蟹工船』があります。オホーツク海のカムチャツカ沖で水揚げした蟹を、船上で直ちに缶詰に加工するという、過酷な労働の現場を描いた名著。発行から90年近く経った今も、プロレタリア文学の金字塔として知られています。しっかり読んだことはないけれど、名前だけは聞いたことがある、テスト勉強の為に覚えた記憶がある…という方も、少なくないでしょう。 劣悪な労働環境の代名詞ともなっている『蟹工船』ですが、これと同様に、絶望のど真ん中に立たされるような仕事場ついて記した書籍があることをご存じでしょうか。それが、『新装増補版 自動車絶望工場』(鎌田 慧/講談社)です。実はこの本、社会学の世界では知られた、ルポルタージュの名作。大学や短大の社会系学部では、テキストとして採用されることもあるようです。
著者である鎌田氏は、新聞・雑誌記者を経てフリーとなったジャーナリスト。1972年、彼は季節工(今で言う期間従業員)としてトヨタ自動車に入社し、自動車製造の現場で半年間仕事をしながら、その過酷な業務や職場環境を観察しました。期間満了までの半年間、体のあちこちを壊しながら激務に耐えた
“世界のトヨタ”の暗い過去…ルポルタージュの名作を通して考える、「働く」ということ
著者である鎌田氏は、新聞・雑誌記者を経てフリーとなったジャーナリスト。1972年、彼は季節工(今で言う期間従業員)としてトヨタ自動車に入社し、自動車製造の現場で半年間仕事をしながら、その過酷な業務や職場環境を観察しました。期間満了までの半年間、体のあちこちを壊しながら激務に耐えた
“世界のトヨタ”の暗い過去…ルポルタージュの名作を通して考える、「働く」ということ
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