日本企業だけではなく、欧米(特に欧州では法律上従業員の解雇が難しい)企業でも、従業員をリストラするのは「汚れ仕事」だ。
そこで、欧州系銀行などでは、東京支店の業績が悪化しリストラが必要になると、それまでの支店長を本国に送り返して、新たな支店長を送り込むことが行われているようだ。
新支店長の主要な役割は「首切り」である。以前の支店長は支店スタッフとの人間関係も出来上がっているが、新支店長はスタッフのことをよく知らないから「情け容赦ない首切り」を平然と行う。そして首尾よくリストラが完了すると、「首切り」で浮いたコストの一定歩合をスペシャルボーナスとしてもらって本国に帰る。
確かに、日産自らが冷徹なリストラを行えなかったことが、ゴーン登場の根本原因には違いないが、「首切り」という本来の仕事を終えた後、日産を去らなかったことが彼(ルノー)の失敗であったと考える。
コストを圧縮するだけでは、企業の発展はないし、冷酷非情なリストラで取り巻き以外の日本人従業員からは恨みを買っているはずだ。リストラによって多くの従業員の生活が破壊されているのに、自らは「ベルサイユ宮殿で結婚式」を挙げているのだから憎まれないはずがない。
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レンタカーは洗って返さない
結局、「プロ経営者」というのは、ごく一部を除いて「転職のプロ」「リストラのプロ」ではあっても「経営の素人」であり、能力は「リストラ」や「コスト削減」などの狭い範囲に限られると結論づけざるを得ない。
「コスト削減」、「リストラ」は単純な業務であり、ほとんどの会社でやり方に大きな差が無い。しかし、「会社を発展させる」には「会社の潜在能力・隠れた長所」を見つけなければならないから、外部からやってきた人間には難しいということだ、
さらに、バフェットは「レンタカーを洗って返す人間はいない」というが、「プロ経営者」にとって自ら経営する会社が「レンタカー」だから「洗って返すはずが無い」ということもよく考えるべきだ。⇒
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