世にブラック企業が蔓延するなか、「安定・安心」と思われていた公務員の職場もブラック化が進行しているという。現場で働く人々を直撃、その非人間的な労働環境の実態をリポートした!
◆同じ仕事をしているのになぜか年収は3分の1!?
東京都多摩市の伊藤和巳さんは、市の学童保育の非常勤指導員だった。子供が好きで’00年に求職したが、正職員採用枠がなく、仕方なく「正職員の補助」の非常勤職員として入職した。契約は1年(毎年更新)。初任給は税込み約20万円。
「同期の本庁の正職員が、6月にボーナスを何十万円ともらいます。僕たち非正規はゼロ。退職金も残業代も手当の類はゼロ。土日出勤の加算も、賃上げも10年ありません。それで年収は正規職員の3分の1程度。それなのに仕事は補助業務などではなく、保護者会への参加、連絡帳の記入、入所希望者との面談など、正職員とまったく同じ。待遇だけが違うんです」
伊藤さんは賃金について市に質問したことがある。
「同じ仕事をしているのに、なぜこんなにも賃金が違うのですか?」
回答はこうだった。「正規職員はハンコを押しますから」。
公式文書に押印をする正規職員が最終責任を負うということだ。
「それだけで賃金3倍の格差は大きすぎる」(伊藤さん)
ところが、ほとんどの学童保育施設ではその格差を感じにくい。学童指導員に限れば非正規が全職員の9割以上を占めるからだ。
「現場が非正規だけで100%の自治体もあります」(同)
都内某市に住む女性指導員は「私は時給計算だから、月十数万円しか稼げない。でも、みんながそうだから、最近まで昇給・・・・続きはこちら
◆同じ仕事をしているのになぜか年収は3分の1!?
東京都多摩市の伊藤和巳さんは、市の学童保育の非常勤指導員だった。子供が好きで’00年に求職したが、正職員採用枠がなく、仕方なく「正職員の補助」の非常勤職員として入職した。契約は1年(毎年更新)。初任給は税込み約20万円。
「同期の本庁の正職員が、6月にボーナスを何十万円ともらいます。僕たち非正規はゼロ。退職金も残業代も手当の類はゼロ。土日出勤の加算も、賃上げも10年ありません。それで年収は正規職員の3分の1程度。それなのに仕事は補助業務などではなく、保護者会への参加、連絡帳の記入、入所希望者との面談など、正職員とまったく同じ。待遇だけが違うんです」
伊藤さんは賃金について市に質問したことがある。
「同じ仕事をしているのに、なぜこんなにも賃金が違うのですか?」
回答はこうだった。「正規職員はハンコを押しますから」。
公式文書に押印をする正規職員が最終責任を負うということだ。
「それだけで賃金3倍の格差は大きすぎる」(伊藤さん)
ところが、ほとんどの学童保育施設ではその格差を感じにくい。学童指導員に限れば非正規が全職員の9割以上を占めるからだ。
「現場が非正規だけで100%の自治体もあります」(同)
都内某市に住む女性指導員は「私は時給計算だから、月十数万円しか稼げない。でも、みんながそうだから、最近まで昇給・・・・続きはこちら