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「3年ルール」撤廃へ 労働者派遣制度、見直しの動き 労使、双方の見方

2013-09-07 | 労働ニュース
厚生労働省の有識者研究会が労働者派遣制度の規制緩和を求める報告書をまとめた。「3年ルール」を撤廃するなど、どんな仕事でも企業がずっと派遣に任せられるよう改めるのが特徴だ。派遣労働の拡大に大きくかじを切ろうとする見直しは、労働者の福音となるのか。労使の関係者に聞いた。

 ●労働者にメリットなし
 ▼連合福岡ユニオン書記長 寺山早苗さん

 今は、ある仕事を派遣労働者に任せられる期間は原則3年まで。報告書では、人を入れ替えれば無期限に派遣労働者を使い続けられるようにしようとしている。

 企業側は派遣社員を活用しやすくなり、人件費抑制を含めた柔軟な経営を図る利点がある。しかし、労働者側にとっては不安定で低賃金な派遣労働の固定化が進む懸念がある。企業側の思惑ばかりを反映させており、労働者には何のメリットもない。

 報告書では、無期限で派遣できる通訳やOA機器操作など専門性が高い「26業務」の区分を廃止し、一般業務との一本化を提言している。実際には、専門業務しか行えない26業種でも書類整理など専門外の業務を強いる「名ばかり専門」が横行している。脱法行為を完全解禁しようという企業側の狙いに沿
ったものだ。

 昨年までの民主党政権は、2008年のリーマン・ショック後に「派遣切り」が社会問題化したことから、12年に日雇い派遣を原則禁止するなど労働者保護の色合いを強めた。一方、安倍晋三政権は「世界で一番企業が活動しやすい国」を掲げ、労働者派遣法の改正を成長戦略に明記。報告書は労働者保護から企業重視へ労働政策を大転換しようとする悪い流れの起点といえる。

 厚労省は報告書を基に、労働政策審議会で法改正の論点を整理し、年明けの通常国会で法改正を目指している。今後の議論では、労働者保護の視点がどう反映されるかが焦点になる。

 ●緩和は歓迎、責任痛感
 ▼日本人材派遣協会九州地域協議会副会長 寺崎正勝さん

 今の派遣制度は、正社員の業務が派遣労働者に安易に置き換えられないよう「常用雇用の代替防止」を基本的枠組みとして規制が加えられてきた。だが現状では、結婚や子育てでフルタイムで働けない女性や、自分の時間を大切にしたい若者らに不自由な働き方を強いることになっている。

 日本人材派遣協会が全国約1万人の派遣労働者に聞いたアンケートでは8割が過去に正社員を経験し、4割が働ける限り派遣で働きたいと希望している。労働政策は社会・経済環境の変化に応じて柔軟に見直されるべきで、報告書で示された規制緩和の方向性を歓迎したい。

 派遣労働者が企業の需給調整の側面を持つのは否定しない。ただ、「経験を積んで自分の適性を確かめたい」「キャリアアップしながら条件の良い職場を探したい」と前向きな派遣労働者が多いのも確かだ。多様な働き方に対応する政策を構築しなければならないと、国もようやく気づき始めたということだろう。

 われわれも血を流さなければいけない。一つの職場でずっと働けた専門26業務の人は3年の上限を過ぎると別の派遣先に移らなくてはならなくなる。見つからなければ失業する恐れもある。専門職に限らず、3年の期限を越えた派遣労働者に対し、派遣先の直接雇用の申し入れや次の派遣先の提供が求められる。時代と社会が求める働き方にどう応えていくのか、労働政策だけでなく派遣業界にも向けられた責任だ。


=2013/09/07付 西日本新聞朝刊=
http://www.nishinippon.co.jp/feature/life_topics/article/38184

派遣という制度は、根絶しないと、トラブルは未来へ続きます。
あなたの子供、孫にも。
北部青年ユニオンでは、未だに、派遣切り裁判で闘っています。
正社員の席は非正規に取って変わり、就職活動は”イス取りゲーム”と化しています。

笑うのはピンハネ元と、都合よく人を使う派遣先。

人をバカにしたこの制度は無くさないといけません。
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