評判が良さそうだったので、『日中国交正常化』を読んでみました。
日本はサンフランシスコ講和条約で多くの国々と戦争状態を終えることが出来ましたが、その埒外にあったので中国との関係です。悩ましいのが当初交戦状態にあった中華民国とは日華平和条約を結んだものの、中華民国は台湾に逃れてしまい、我々が普段中国と認識している部分は中華人民共和国が支配しており、こちらとは交流(国交と言って良いのでしょうかね?)がない状態だった訳です。当初は台湾側の政府を正統な中国政府ととらえたものの、世界情勢の変化もあり北京側の政府と国交を樹立していかなければならなくなりました。
本書は、図らずも二股交際になってしまった当時の田中角栄首相、大平正芳外相、二人を支える官邸・外務省のスタッフが、何を考え、どのような問題に直面し、どうやって解決していったかがある程度の臨場感を伴って書かれているドキュメンタリーです。テレビのドキュメンタリー番組であればもう少し当時の状況を補足したり、掘り下げるだろうなと物足りなく感じるところはありました。ただ、新書というフォーマットであることを考えれば充実した内容ですし、1発の銃弾ではじめることの出来る戦争も、いざ終わらせようとするには非常に労力を伴うのだという当然のことをあらためて気付かせてくれた良書でした。
日本はサンフランシスコ講和条約で多くの国々と戦争状態を終えることが出来ましたが、その埒外にあったので中国との関係です。悩ましいのが当初交戦状態にあった中華民国とは日華平和条約を結んだものの、中華民国は台湾に逃れてしまい、我々が普段中国と認識している部分は中華人民共和国が支配しており、こちらとは交流(国交と言って良いのでしょうかね?)がない状態だった訳です。当初は台湾側の政府を正統な中国政府ととらえたものの、世界情勢の変化もあり北京側の政府と国交を樹立していかなければならなくなりました。
本書は、図らずも二股交際になってしまった当時の田中角栄首相、大平正芳外相、二人を支える官邸・外務省のスタッフが、何を考え、どのような問題に直面し、どうやって解決していったかがある程度の臨場感を伴って書かれているドキュメンタリーです。テレビのドキュメンタリー番組であればもう少し当時の状況を補足したり、掘り下げるだろうなと物足りなく感じるところはありました。ただ、新書というフォーマットであることを考えれば充実した内容ですし、1発の銃弾ではじめることの出来る戦争も、いざ終わらせようとするには非常に労力を伴うのだという当然のことをあらためて気付かせてくれた良書でした。
![]() | 日中国交正常化 - 田中角栄、大平正芳、官僚たちの挑戦 (中公新書) |
服部 龍二 | |
中央公論新社 |