native dimensions blog

新潟市の住宅設計事務所ネイティブディメンションズ=狭小住宅や小さい家、構造計算、高気密高断熱が好きな建築士のブログ

アクアニュース’17.05号

2017-05-21 22:48:19 | アクアニュース


今月のアクアニュースは「腸の役割」についてです。
体内の神秘的なお話であり、お母さんのすごさを感じられずにはいられません。

腸の役割

私たちは毎日食事をします。食べ物は最終的に私達の体内から出ていきますが、食べ物から栄養素を吸収するためには腸の働きが重要になってきます。今回は「腸の役割」について考えてみましょう。

食べ物は口から入り、食道と胃を通って十二指腸にいきます。十二指腸は小腸の一部で、指12本分くらいの長さ(25~30㎝)である事が名前の由来と言われています(ちなみに、指1本あたり2㎝というと親指程度の太さ)。小腸の長さは6~8mあり、次に1.5mほどある大腸を通り、最終的に肛門へとたどり着くわけです。胃から十二指腸にかけての役割は、消化がメインです。消化されてドロドロになった食べ物からじっくりと栄養素を吸収するのが小腸の役割です。その後、大腸で水分の吸収を行い、ドロドロしていた食べ物のカスなどを固めていき、肛門にたどり着くまでにしっかりとした「便」になるのです。ちなみに、下痢や便秘とは何らかの理由で大腸の水分吸収機能が正常に働かないときに起きる現象の事を言います。

腸の細菌

「便」の中身は食べ物の残りカスだと思われがちですが、健康な人の便は60%以上が水分です。便を構成する成分のうち、食べ物の残りカスは全体の5%程度でしかなく、その他の主成分は腸内細胞の死骸(15~20%)、そして体内にいた細菌類の死骸(10~15%)です。目に見えないほど細かな細菌類が15%も占めているのは驚愕ですが、それもそのはず小腸から大腸にかけて存在する細菌の種類は100~3000種ともいわれ、総数100兆~1000兆個も存在しているのです。身体全体の細胞数が約60兆個といわれていますが、その数よりもはるかに多い細菌が私たちの腸内で暮らしているのです。腸内細菌は、乳酸菌やビフィズス菌などの善玉菌と、ウェルシュ菌やブドウ球菌などが悪玉菌に分けられているのは有名です。しかし、これらを合わせても腸内細菌の3割程度(善玉:悪玉=2:1)でしかなく、残りの7割は日和見菌と呼ばれるものが占めています。日和見菌は善玉と悪玉のうち、より勢力の強い方に加担するという細菌です。腸内では、こういった菌たちが勢力のバランスを保ちながら暮らしているのです。健康な状態では、善玉菌が優勢ですが、生活習慣の乱れなどによって悪玉菌が優勢になると、便秘・下痢・肌荒れ・ニキビなどの原因になったりします。さらに、悪玉菌はガンやアレルギー症状を増長するともいわれており、腸を正常に保つことが私たちの健康維持に欠かせないと言われる理由はココにあるのです。

赤ちゃんの腸内

お腹の中にいる時期には胎児の腸内細菌はまだ一匹も棲みついていません。実は最初の細菌は生まれる「最中」にやってきます。正常分娩の場合、赤ちゃんは大きな頭部を狭い産道にこすりつけ、やっとの思いをして外に出てきます。この時に赤ちゃんは産道の壁に口や鼻を押し付けられます。産道にいる主たる細菌は乳酸菌やビフィズス菌といった菌です。この乳酸菌たちが、そのまま赤ちゃんの腸内細菌として移植されると考えられています。言ってしまえば母親からの最初のプレゼントです。しかしここで浮かんでくる疑問があります。帝王切開の場合はこの菌たちを受け取れないわけです。ある調査によれば、帝王切開で生まれてきた赤ちゃんたちの消化管内に定着していたのは、彼らをとりあげた病院の医師や看護師といった医療関係者の指や手のひらに着いていた皮膚常在細菌だったそうです。乳酸菌などの善玉菌は、免疫系を安定させる効果を発揮するため重要です。実際に、研究者の間では帝王切開で生まれた赤ちゃんには産道の分泌液を与えればよいとまで言われているそうです。今後そういった手法が当たり前になる時代がくるのかもしれません。

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