native dimensions blog

新潟市の住宅設計事務所ネイティブディメンションズ=狭小住宅や小さい家、構造計算、高気密高断熱が好きな建築士のブログ

「多趣味の小さい家」設計から積算

2024-08-17 17:23:32 | 多趣味の小さい家
↑ 図面リストです。今回の実施図面は94枚

ハウスメーカーや大き目の地元ビルダーは営業とインテリアコーディネーターと設計と積算担当者と現場監督がいて、
営業が資金計画と基本設計を行って、
インテリアコーディネーターが細かい仕様や色柄を決めて、
設計が確認申請を行って、
積算担当者が見積を作って、
営業が利益率を決めて、
工事担当者が予算書を作って協力業者さんに工事を発注して管理します。
(私が知る限り)

地域工務店は社長と大工さんがいて、
社長が資金計画と設計と見積を作って、
大工さんが工事して、
社長が管理します。
(私が知る限り)

じゃぁ設計事務所は何をするのか。

設計事務所の場合、
資金計画はファイナンシャルプランナーに依頼して、
設計事務所が設計をして、
設計事務所が数量表を作成して、
工務店に見積依頼して、
設計事務所が確認申請を提出して
工務店さんの大工さんに作ってもらって、
工務店さんの現場監督が管理をして、
設計事務所が設計監理をします。
(私が知る限り)

同じ家を作るにしてもどこの会社に依頼するかで誰が何を行うかが違います。
どれがよくてどれが悪いっていう話ではなくて、
今日は設計事務所の場合の話しについて。

ハウスメーカーにしても地元ビルダーにしても地域工務店にしても一つの会社で仕事を回しているので作業は流れるように進みますが、設計事務所の場合は工事を依頼する工務店との連携が大切になってきます。

理由は、住宅の設計図書は一般的には20-30枚ですが、設計事務所の場合は100枚くらいにも及びますので、出来上がった図面を渡して積算よろしく!っていっても工務店さん側は図面を把握するだけでも時間がかかります。

図面の内容を一番理解しているのは設計者。
そこで設計事務所は、使う材料の数量表を作成して、工務店さんに図面と一緒に渡すことで工務店さん側の負担を減らします。
例えば、今回私が渡した数量表の一部がこちら。
ここに単価を入れたら見積もりが出来上がるという仕組み。
(設計事務所側でも独自の単価を入れて見積書を作ります)
もちろん図面を読み込んで理解していただく必要はあるので単純な作業ではないんですけど、

設計事務所が数量表を作成する一番の理由は他にあります。

それは、工務店さんが出してきた見積が正しいかどうかを判断するため。
正しいかどうかの判断って比べる材料がなければ出来なんです。

例えばハウスメーカーから見積もりをもらっても、その見積もりの内容が正しいかどうかなんて受け取った側は判断することができません。

しかも見積内容も一式の項目ばかりで、何がどうしたらこの金額になるのかさえ分からない状態がほとんどですので、受け取った側は予算内に納まっているかオーバーしているかを見るくらいしかできません。

しかし、設計事務所はお客様の代理人。
工務店さんが出した見積もりが適正かどうかをお客様に説明するために、
自分で数量表を作って、それと比較して見積に過不足がないかをお客様に説明してご理解いただきます。

先ほどの数量表の様にお打合せで決めた一つ一つの材料の数量を拾い出して単価を入力するので、そもそも坪単価という発想もありません。
積み上げ式の見積もりとなります。

この積み上げ式の見積がいいか悪いかは価値観によって感じ方が変わってしまいますが、この方法は間違いが少なく平等な見積もりを作れることが特徴と言えます。

小さい家ばかりをご提案する設計事務所にとっては平等という価値観を大切にしています。

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