*本稿は2009年6月1日にUP致しましたが、使用していた動画サイトの運営会社が他社に移行することになったため、これを機会にYouTubeにUPしていたダイジェスト画像と差し替えることにいたしました。内容も一部変わるので、本日(8月21日)あらためてトップに掲載させていただきました。
東洋大学野球部が初優勝を決めた昭和五十一年十月二十二日の対専修大学戦は、NHKテレビで中継されている。
その前後数年の新聞をあたってみると、優勝がかかった試合の場合、ラジオ第一放送で中継されているカードはいくつかあるが、テレビによる中継がされたケースは見当たらない。
昭和四十二年の一部リーグ再昇格以後、徐々に力をつけながら初優勝目前で足踏みを続け、四十八年春から五季連続の二位。いつしか“万年二位”と呼ばれるようになってしまった当時の東洋。このシーズンも駒大戦で王手をかけながら連敗していた。
NHKがテレビ中継に踏み切ったのは、そんな事情も考慮してのことだったのだろうか。
この時点で東洋大は前日の対専大一回戦に先勝して8勝4敗勝点3。日大がこの日、先に行われた第一試合で亜大を破り8勝6敗勝点3で全日程終了。中大は5勝5敗勝点2、駒大が6勝6敗勝点2で、この両校は最終週で直接対戦を控えていた。王手をかけていた東洋大だが逆に連敗してしまうと日大に並ばれ、更には中大と駒大にも優勝のチャンスが出てくる大混戦状態であった。この日の中継で解説をしているのはその中大・宮井監督と駒大・太田監督である。
初優勝を伝える当時の新聞によれば、東洋大応援席は約一万人。先だっての三連覇達成時のスタンド風景と較べると、月並みな表現であるがやはり、“隔世の感”がある。
昭和51年10月22日:於・神宮球場
対専修大二回戦 試合時間:2時間50分
専修大000 020 000 2
東洋大000 000 12X 3
(専)堀田・久良木-中尾
(東)山村・松沼雅-達川
二塁打:漆畑(専)・戸川・藤田・田中正(東)
東洋大初優勝ダイジェスト1
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http://www.youtube.com/watch?v=I0ujKYlGZ70
東洋大初優勝ダイジェスト2
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http://www.youtube.com/watch?v=9GyIXNfAoTo
東洋大初優勝ダイジェスト3
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http://www.youtube.com/watch?v=WkhNjncEOsE
3回山村力人投手への声援
7回校歌
三連覇(十二回目の優勝)達成時の映像はtoyo-jinguuさんの「応援します 東洋大野球部」の下記のページで見ることができます。
http://blog.goo.ne.jp/toyo-jinguu/e/74e615d9beebdb5d7d3eede5dff692b2
参考①:当時のメンバー(『明治神宮野球大会二十年誌』より)
参考②:当時の週刊ベースボールの記事
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東洋大学野球部が初優勝を決めた昭和五十一年十月二十二日の対専修大学戦は、NHKテレビで中継されている。
その前後数年の新聞をあたってみると、優勝がかかった試合の場合、ラジオ第一放送で中継されているカードはいくつかあるが、テレビによる中継がされたケースは見当たらない。
昭和四十二年の一部リーグ再昇格以後、徐々に力をつけながら初優勝目前で足踏みを続け、四十八年春から五季連続の二位。いつしか“万年二位”と呼ばれるようになってしまった当時の東洋。このシーズンも駒大戦で王手をかけながら連敗していた。
NHKがテレビ中継に踏み切ったのは、そんな事情も考慮してのことだったのだろうか。
この時点で東洋大は前日の対専大一回戦に先勝して8勝4敗勝点3。日大がこの日、先に行われた第一試合で亜大を破り8勝6敗勝点3で全日程終了。中大は5勝5敗勝点2、駒大が6勝6敗勝点2で、この両校は最終週で直接対戦を控えていた。王手をかけていた東洋大だが逆に連敗してしまうと日大に並ばれ、更には中大と駒大にも優勝のチャンスが出てくる大混戦状態であった。この日の中継で解説をしているのはその中大・宮井監督と駒大・太田監督である。
初優勝を伝える当時の新聞によれば、東洋大応援席は約一万人。先だっての三連覇達成時のスタンド風景と較べると、月並みな表現であるがやはり、“隔世の感”がある。
昭和51年10月22日:於・神宮球場
対専修大二回戦 試合時間:2時間50分
専修大000 020 000 2
東洋大000 000 12X 3
(専)堀田・久良木-中尾
(東)山村・松沼雅-達川
専修大 | 打 | 安 | 点 | 東洋大 | 打 | 安 | 点 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
(右) | 漆畑 | 静岡商 | 4 | 1 | 2 | (一) | 畠山 | 秋田市立 | 3 | 0 | 0 |
(二) | 福田 | 習志野 | 4 | 1 | 0 | (二) | 下川 | 鹿児島実 | 4 | 1 | 0 |
(捕) | 中尾 | 滝 川 | 4 | 1 | 0 | (中) | 平川 | 東洋大姫路 | 2 | 0 | 0 |
(中) | 吉近 | 津久見 | 4 | 0 | 0 | (右) | 戸川 | 東洋大姫路 | 3 | 1 | 0 |
(一) | 西条 | 大 町 | 4 | 1 | 0 | 走右 | 紀 | 御所工 | 0 | 0 | 0 |
(左) | 小林 | 岡山東商 | 3 | 1 | 0 | 打左 | 相田 | 足利工 | 1 | 0 | 0 |
打 | 青木 | 成 東 | 1 | 0 | 0 | (左) | 田中幸 | 上 尾 | 2 | 0 | 0 |
(三) | 湯浅 | 成 東 | 3 | 1 | 0 | 打 | 田中正 | 豊 岡 | 1 | 1 | 2 |
(遊) | 八角 | 銚子商 | 2 | 0 | 0 | 走右 | 松本 | 東洋大姫路 | 0 | 0 | 0 |
(投) | 堀田 | 藤沢商 | 3 | 0 | 0 | 右 | 高野 | 堀越学園 | 0 | 0 | 0 |
投 | 久良木 | 伝習館 | 0 | 0 | 0 | (捕) | 達川 | 広島商 | 3 | 0 | 0 |
(遊) | 井上 | 東洋大姫路 | 2 | 0 | 0 | ||||||
打 | 藤田 | 東洋大姫路 | 1 | 1 | 1 | ||||||
走遊 | 大森 | 松山商 | 1 | 0 | 0 | ||||||
(三) | 登 | 広島商 | 2 | 0 | 0 | ||||||
(投) | 山村 | 広島商 | 1 | 0 | 0 | ||||||
投 | 松沼 | 取手二 | 1 | 1 | 0 | ||||||
32 | 6 | 2 | 27 | 5 | 3 | ||||||
専修 | 振 | 球 | 儀 | 併 | 残 | ........................ | 東洋 | 振 | 球 | 儀 | 併 | 残 | |
7 | 1 | 0 | 1 | 9 | 1 | 5 | 2 | 2 | 7 |
専修 | 回 | 安 | 責 | .............................. | 東洋 | 回 | 安 | 責 |
堀田 | 7 | 4 | 2 | 山村 | 4 2/3 | 5 | 2 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
久良木 | 1 | 1 | 1 | 松沼 | 4 1/3 | 1 | 0 | |
東洋大初優勝ダイジェスト1
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http://www.youtube.com/watch?v=I0ujKYlGZ70
東洋大初優勝ダイジェスト2
</object>
http://www.youtube.com/watch?v=9GyIXNfAoTo
東洋大初優勝ダイジェスト3
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http://www.youtube.com/watch?v=WkhNjncEOsE
3回山村力人投手への声援
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(2分31秒)7回校歌
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(1分50秒)三連覇(十二回目の優勝)達成時の映像はtoyo-jinguuさんの「応援します 東洋大野球部」の下記のページで見ることができます。
http://blog.goo.ne.jp/toyo-jinguu/e/74e615d9beebdb5d7d3eede5dff692b2
参考①:当時のメンバー(『明治神宮野球大会二十年誌』より)
部 長 | 野村 順一 | | |
---|---|---|---|
監 督 | 佐藤 昭雄 | (現姓高橋) | |
| |||
投 手 | 母谷 龍典 | 広島商 | 四年 |
桜井 孝之 | 桜美林 | 四年 | |
高田 光 | 大 宮 | 三年 | |
石崎 透 | 秋田市立 | 二年 | |
松沼 雅之 | 取手二 | 二年 | |
山村 力人 | 広島商 | 一年 | |
捕 手 | 田中 正近 | 豊 岡 | 四年 |
安岡 誠治 | 宇和島東 | 四年 | |
達川 光男 | 広島商 | 三年 | |
内野手 | 畠山 和彦 | 秋田市立 | 四年 |
大森 秀樹 | 松山商 | 四年 | |
下川 洋一 | 鹿児島実 | 四年 | |
井上 光一 | 東洋大姫路 | 三年 | |
田中 幸雄 | 上 尾 | 三年 | |
渡辺 久 | 安孫子 | 二年 | |
風間 利之 | 桐蔭学園 | 一年 | |
松本 芳一 | 東洋大姫路 | 一年 | |
登 靖則 | 広島商 | 一年 | |
外野手 | 戸川 涼一 | 東洋大姫路 | 四年 |
平川 高之 | 東洋大姫路 | 四年 | |
竹沢 重二 | 桐 生 | 四年 | |
相田 清 | 足利工 | 三年 | |
紀 充則 | 御所工 | 二年 | |
藤田 明彦 | 東洋大姫路 | 二年 | |
高野 克己 | 堀越学園 | 二年 | |
|
参考②:当時の週刊ベースボールの記事
大学野球特集①東都大学リーグ戦
東洋大歓喜の初優勝なる
半世紀を超えた蔦。ウサギとカメのカメにも似た歩調だった。東都大学一部加盟校でただひとつ優勝していなかった東洋大が22日、専大2回戦で逆転勝ち。勝ち点4で初優勝をとげた。28歳の佐藤青年監督のもと団結の勝利だった。
<その一瞬>喜びの顔
日がとっぷりと落ちて、グラウンドだけがカクテル光線に浮かび上がっていた。10月22日。あたりの暗さに神宮球場だけが白く光っていた。
9回も二死。東洋大は1点をリードしている。小林に代えて専大は左の青木を代打に送った。走者はいない。ムードは完全に東洋大のものだ。一塁側には約一万人の一般学生や関係者がつめかけている。前の週の駒大戦で勝ち点をあげれば優勝が決まっていたが、2試合続けて勝ち点を落として、10月22日の専大2回戦まで持ってきたのだ。
「アッ」という大音響とともにテープがグラウンドめがけて投げつけられた。1万人の学生や応援団が立ちあがった。青木が三振してゲームセットになったのだ。
野球部が創立したのが関東大震災のあった大正12年。以来54年目にしての初優勝だ。48年春から50年春にかけては5シーズン連続して2位になった。これをみても、実力をつけてきたのがわかろうが、ここ一番に決め手を持っていなかったのだ。
それだけに、この日の優勝は野球部関係者、学校関係者がどれほど待ちわびていたことであろうか。佐藤監督が胴上げされる。野村部長も、磯村学長も選手のうずのなかへ巻きこまれた。スタンドと選手と関係者が一体になっての心からの優勝を祝う光景があちこちに展開される。胴上げから解放されてベンチに戻ってくる顔は一様に上気していて、眼のふちが赤い。なかには抱きあって大声で泣いている者もいる。一瞬、神宮の森は東洋大の校歌と応援歌に包まれた。・・・(『週刊ベースボール』昭和51年11月8日号より)
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