

あ、この絵!いわさきちひろの絵は、おそらく多くの人の記憶に刻まれているのではないでしょうか。
お母さんが買ってくれた絵本、あるいは教科書、ちひろの絵はいつも私たちのそばにいました。<やさしい絵本を見たこどもが、大きくなってもわすれずに心のどこかにとどめておいてくれて、なにか人生のかなしいときや、絶望的になったときに、その絵本のやさしい世界をちょっとでも思い出して心をなごませてくれたら>。ちひろはそう願いながら描き続けたけれど、その気持ちは怒りと裏腹でもあったようです。<平和で、豊かで、美しく、可愛いものがほんとうに好きで、そういうものをこわしていこうとする力に限りない憤りを感じ>ていた。子供たちの未来を、人々の平和を、何者にも奪われたくはなかった。
そんなちひろの大きな愛を、決して平坦ではなかった生涯をとおして、見つめ直してみたい。
閉塞感が漂う、こんな時代だからこそー。

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