心のスケッチA 谷川 俊太郎
一本の線を書く
もう一本の線を書く
また一本の線を書く
そうしてまた・・・
一束の線に
いかなる記号も象徴も見ず
黙っている
それが髪になり
草になり
流星になり
水になるのを
楽しんで
ただ文字になることだけは
決して許さず
一椀の茶を
飲みながら
試行錯誤している詩人の姿を、私と重ね合わせて しまいました。
一本の線を書く
もう一本の線を書く
また一本の線を書く
そうしてまた・・・
一束の線に
いかなる記号も象徴も見ず
黙っている
それが髪になり
草になり
流星になり
水になるのを
楽しんで
ただ文字になることだけは
決して許さず
一椀の茶を
飲みながら
試行錯誤している詩人の姿を、私と重ね合わせて しまいました。