ポプラ社 刊
大野 更紗作
糸井 重里さんが 紹介されていたので早速取り寄せて読み始めました。
三時間で一息に読みました。(主婦の特権)
作者が、突然、到底耐えられないような難病になり、
まず、病名が分かるまでの病院行脚・・・・
そして、原因もわからない病気に立ち向かい、生きていく姿勢に圧倒されて居ます。
日本の医療制度の矛盾と向き合いながら、病気と闘うしかない現実に
絶望的になりながらも、立ち上がる力に感動するしかありませんでした。
医者も手探りで様々な治療を試みますが、とんでもない副作用に苦しみながら
の闘病です。
わたしなんか、耐えられないなあと思うのだけれど
聡明な作者は、明るいタッチで筆を進めていきます。
生きることが、すごい苦痛で、 「きょうも1日生きていかねばならない」と
気合いを入れなければならない人が
たくさんいるのだと、思いを新たにしました。
しかし、どんなに重病でも、途中で退院しなければならない医療制度ってなんなのと思います。
それならば、在宅で生きていけるような制度を充実させるべきだし…。
信頼していたドクターが、介護認定の診断書に生活自立しているとチェックしたくだりは、
理解不能で頭が真っ白になりました。
日本の介護医療制度では医師の診断書がかなり大きいのに……‥
病気はわかっていても、目の前の患者の自立度がわからないと言うこと?
人は、何とか死ぬまで生きるしかないわけで、
一日一日を 楽しく生きていけるのが一番の幸せなのですね。
このような状態でありながら、病院の近くに家を借り 一人で暮らそうと
する更紗さんはたくましい。勇気が湧いてきます。
ぜひお読みになってください。