東京新聞×青い日記帳 主催の試写会 セザンヌと過ごした時間 に行ってきました。
近代絵画の父ポール・セザンヌと「居酒屋」「ナナ」の小説家エミール・ゾラとの40年にわたる友情と葛藤。
2012年に国立新美術館で開催された「セザンヌ-パリとプロヴァンス」展にも行っていたのですが、セザンヌがこんなに激しい気性だったこと、またゾラと長年親友だったことなど 初めて知りました。
裕福な家庭に生まれたセザンヌと、父を亡くし貧しい生活を強いられたゾラ。
学校でいじめられていたゾラをセザンヌが助けたことから、二人に友情が芽生えます。
ゾラはその後小説家として大成しますが、セザンヌは在命中は才能を認められず長く苦悩の日々が続きます。
二人を取り囲む印象派の画家たち、マネ、ルノワール、モネ、ピサロ、そして画商のタルギー爺さん(ゴッホが肖像画を描いている)と次々に登場して豪華。
自分はマネファンなのですがマネの「草上の昼食」や、マネのモデルでもあったベルト・モリゾが登場してきてワクワクします。
確かマネが「草上の昼食」を描いて批判を浴びたときに セザンヌが擁護して、それに感謝したマネがセザンヌの肖像画を描いたんだったなぁ、とか
モリゾは本当に印象派の画家の間で紅一点のアイドルだったんだなぁ、等々
いままでパラパラと見ていた絵画がピースのようにはまっていく面白さ。
そして絵画でしか見たことが無かった ヴィクトワール山やプロヴァンスの風景、
セザンヌのモデルとなる若い女性の肌の美しさ、、
18世紀に描かれた絵の中に自分も入りこんでいるような気持ちになり、またたくさん・絵画を見に行きたくなりました。
印象派好きなかたはぜひ。
セザンヌとゾラ、二人の友情はゾラが小説「制作」を発表したことにより 変化していきます。
画家がモデルを描くように、小説家もまた身近な人たちを題材に小説を書いていく…
セザンヌだけでなく、ゾラもまた親しい人を傷つけながら自分の芸術の道を進むしかなかったのかなと思います。
試写の後には「日本で一番読まれている」アートブログ・『青い日記帳』 の中村剛士さんと、作家でイラストレーターの杉全美帆子さんとのトークも。
ブログ『青い日記帳』に私が出会ったのは 早10年位前。
身近なアートの楽しみ方を教えてくれたTakさんには感謝です、アートも映画も確かに人生に彩りを与えてくれると思います。
セザンヌと過ごした時間
9月2日(土)Bunkamuraル・シネマほか全国順次公開
© 2016 – G FILMS –PATHE – ORANGE STUDIO – FRANCE 2 CINEMA – UMEDIA – ALTER FILMS
監督:ダニエル・トンプソン『シェフと素顔と、おいしい時間』『モンテーニュ通りのカフェ』
出演:ギヨーム・カネ、ギヨーム・ガリエンヌ、アリス・ポル、デボラ・フランソワ、サビーヌ・アゼマほか
原題:Cézanne et moi
英題:Cezanne and I/2016年/フランス/仏語/スコープ/114分
配給:セテラ・インターナショナル
順次公開なので見逃さない様にしないと。
ミニシアター系は うっかりしていると終わっちゃうから要注意ですよね~