近くにシネコンができたので今年は例年より映画館で映画を見たのですが、2015年に見た中で自分の NO.1映画はダントツで「野火」でした。
もしかしたら見落としたもののなかに秀悦な作品が多々あったかも、ですが たぶん「野火」のインパクトは変わらないかなと思います。(出会うのも出会わないのもまた運命)
デモに行く勇気はないけれど戦争も原発も嫌だ、そんな当たり前と思っていたことすら言いづらくて、戦後70年の節目の年に安保法案とか何だろうなぁ、と 憤りを感じまくり。
そんなモヤモヤを代弁してくれたのが 塚本晋也監督でありました。
原作は戦争文学の金字塔ともいわれる大岡昇平さんの小説(しかしこれもいま本屋でなかなか見つからない)。
塚本監督は数十年来 この小説を映画化しようと思いながら「昨今の風潮で、こういう映画を作るのは不謹慎という流れになり、これ以上延ばすともっと作りづらくなる、見てくれる人もいなくなる」という強い危機感を感じて自主制作で映画化に踏み切り 自ら田村一等兵を演じ。
残酷なシーンの多い映画のイメージとは異なり、上映後穏やかに謙虚に反戦を語る塚本監督のトークに 会場の誰もがうなづいてしまう。
劇場はいつも老若男女で満席、上映したいと声をあげた映画館と、見たいという観客と。
みんなホントのところはきちんと語り合いたいのかもしれない、真摯な言葉は ちゃんと響くのだな~。
■東京国際映画祭 森優作さんと塚本監督 (写真撮影OKでした)
そうして自分も「野火追っかけ」となって3度も劇場(トークイベント付)に足を運んでしまったのですが 娯楽、といってはいけないのかもしれないけれど 映画の中に一切無駄な場面がなく、ぽんぽんと進む展開に圧倒され・魅了されました。 すごいなぁ、と思います。
下高井戸シネマでは 出演している中村達也さんにサイン&握手していただき。
「マニッシュ・ボーイズのライブ行ってます!」と言ったら「ほんと?」って笑ってくれて嬉しかった~~
2015年のもっとも嬉しかったことのひとつですね
いや、ほんとは見終わってプチ鬱になりそうなほど考え込んだのですが でもミーハー心もエネルギーのひとつ☆
中村達也さん、かっこいいし、リリー・フランキーさんの演技も素晴らしいし
戦争ものってちょっと気が重いですが、機会がありましたらぜひ劇場に足を運んで見て頂けたらと思います。
1月19日まで渋谷アップリンク 「見逃した映画特集」他、で上映しています
こちらもよかったらご覧くださいませ。
塚本晋也×今日マチ子 映画「野火」クロストーク <今、戦争について考えるということ>
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