山田洋次監督50周年記念作品「東京家族」を見てきました。
小津安二郎監督の「東京物語」をベースにした映画です。
「東京物語」は大好きな映画なのでリメイクということにちょっと不安を感じておりましたが、「東京家族」はまったく別の映画として楽しめました。
舞台が現代の東京に移った分、より感情移入しやすくなり日本人の誰が見てもすごく「身につまされる」映画になっていると思います。
後半は映画館のあちこちですすり泣く声が起こっていました。
瀬戸内海の小島から子どもに会いに上京する老夫婦の周吉(橋爪功)と、とみこ(吉行和子)の演技が本当にすばらしかったですね(T_T)
手塚治虫さんの「ブラック・ジャック」に「もらい水」という話があるんですが。
子どものために自分の荷物をまとめて人の家を転々とするお婆ちゃんの姿と、東京家族の老夫婦の姿とが重なり胸がきゅーー、となりました。
小津安二郎監督の「東京物語」が上映されたのは1953年、、天才が思いつくストーリーってどこかで重なるのかなぁ。。
東京観光の際に周吉たちが柴又に立ち寄ったり、スペシャルアドバイザー横尾忠則さんのポスターが映画の中に出てきたり、とファンには楽しいサービスも(^^) 音楽は久石譲さん。
東京物語で杉村春子さんが演じた実娘を演じるのは「北の国から」の国民的子役の中島朋子さん。
「昔は可愛くて優しかったのに」という言葉には誰もが共感するはず。配役の妙だなーと思いました。
もう少し笑いがあったらなぁ、と思いつつあの名作を、あの山田洋次監督が撮ってくれた、それだけでも自分にとっては胸が熱くなる映画でした。
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