二子玉川 de ぼちぼち絵日記

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生誕120年 東郷青児展@損保ジャパン日本興亜美術館

2017-10-08 13:24:03 | 美術館・ART・博物館


東郷青児記念 損保ジャパン 日本興亜美術館 で2017年9月16日から11月12日(日)まで開催中の
生誕120年 東郷青児展 抒情と美のひみつ 内覧会に参加させていただきました。
◇写真は内覧会用に美術館の許可を得て撮影しております

 二科展を中心に活躍した洋画家・東郷青児(1897-1978)の生誕120年を迎えるにあたり、初公開のプライベートコレクションを含む貴重な作品を全国から集めた特別回顧展。

憂いをおびた女性画で有名な東郷青児ですが、以前 同館で見た欧州の風景画が素敵だったので、東郷青児の他のジャンルの絵画も見たいと思っておりました。
各地の希少な作品が一堂に。「東郷様式」が出来上がっていく過程を4つの年代を追ってみていくことができて とても興味深く大満足でした

第1章 内的生の燃焼 1915~1928年
鹿児島出身の東郷が二科展で国内で最初の前衛画家として認められ、その後に長期滞在したフランスで独自の方向をつかむまでをたどります。

東郷青児(19歳)第2回個展会場の京橋・読売新聞社で 1916年
若いときの写真は初めて見ましたが、女性がほっとかなさそうな美青年!


1916年『パラソルさせる女』(右)初出品にして二科賞を受賞

左:『彼女のすべて』 1917年 鹿児島市立美術館 右:『パラソルさせる女』1916年 一般財団法人陽山美術館

損保ジャパン日本興亜美術館主任学芸員 中島啓子さんによるギャラリートークより

『サルタンバング』 1926年 油彩・キャンヴァス 東京国立近代美術館
東郷が欧米にいるときに「自分らしい絵が描けた」と嬉しくなってピカソに見せた作品。東郷自身はこの作品が自分のスタイルに確信を得た作品と位置づけている。ピカソ自身は『自分の絵を見ているようだ』と言われぎゃふんとなった、と書かれています。

第2章 恋とモダニズム 1928~1930年代前半
1928(昭和3)年に帰国してからの作品。
東郷は帰国後すぐに他の女性との心中未遂や 作家宇野千代との同姓生活、とスキャンダルが多かったのですが、それさえも自由な恋愛として女性たちにある種「憧れ」と受け止められたそうで 婦人雑誌の表紙を受け持つようになります。 
・・・ ここらへんの話は一番 興味深いところでした   

前年にシュルレアレスムが紹介され 不思議な感じの絵が描かれた頃の作品

『超現実派の散歩』 1929年 東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館


『手術室』1930年 大分県立美術館

第3章 泰西名画と美人画 1930年代後半~1944年

1930年~ 出版社が文学全集、美術全集を出す時代になりこれまで一部の人にしか楽しむことができなかった芸術を一般の人が楽しむことができるように。
この頃欧州から帰国した藤田嗣治との交流を通じて 百貨店の壁の絵などを受け持つようになります
百貨店は当時富裕層のお出かけの場だったので 欧米の雰囲気や美人画が好まれたそう


公共の場で家族に好まれて見られるのが女性画だったのと、この時代から家に洋間ができるようになりそこに飾る小さい絵として東郷の女性画が人気となり「青児美人」と呼ばれてひとつの到達点にいたります。


「ホームライフ」
富裕層のライフスタイルを紹介する大阪発の婦人グラフ誌。表紙画を担当




第4章 復興の花 1945~1950年代
1945年の終戦直後から東郷は二科展の再開に向けて奔走するとともに各地の施設や店舗の装飾を手がけていきます。

今回一番自分が目を惹かれたもの。京都市中央区河原町通三条の旧朝日会館の壁画のための下絵。
実際は縦28m、横23m で10階ほどの足場が組まれるなど当時最大規模といわれた。
東郷はフランスで装飾美術を学んだこともあって 空間を飾るときに描く女性の描きかたに優れていた… 実物を見てみたかったなぁ! 

『平和と団結』1952年 京都朝日会館の壁画 朝日新聞社

浴場のタイル画なども。

裸婦 1952年 モザイクタイル絵 INAXライブミュージアム

左:日本国際美術大賞の大衆賞 『望郷』

『望郷』1959年 第5回日本国際美術大賞大衆賞

最後に終戦後に描かれた珍しい現実的な絵を紹介。
「占領中ももちろん感じてはいたんだが、独立してみると、いまさらながら、戦争の残していったものがひしひしと痛感されてくる」

『渇』 1953年 第38回二科展 東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館

ミュージアムショップで特別に販売されていた池袋タカセのクッキー
時代の要望に応える形で大衆に愛され続けた東郷青児の世界は デザイン性の高さにもあったのだなと感じ入りました。


生誕120年 東郷青児展 抒情と美のひみつ
会期:2017年9月16日(土)~11月12日(日)
休館日:月曜日(ただし9月18日、10月9日は開館、翌火曜日も開館)
会場: 東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館
〒160-8338
新宿区西新宿1-26-1 損保ジャパン日本興亜本社ビル42階
開館時間:午前10時-午後6時(入館は午後5時30分まで)
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