2023-07-24 | みんなの花図鑑
先回の続きです。⇒ 6月の花のアルバム ⑦ 2023-07-20
今回も、前回同様、花の名前や分類(科名、属名)は写真の後に表記しました。まず、写真と説明を見ていただき、花の名前を考えていただけるようにしました。
今回投稿した花や木も樹名板が無いものが多く、Google Lensを参考に名前を記載しています。間違いがあれば、ご指摘いただけると助かります。
ツルナ科デロスペルマ属の南アフリカ原産の常緑多年草。本種は「耐寒マツバギク」「花嵐山」「麗晃」とも呼ばれ、古くから緑化植物として広く利用されています。
4~11月頃、菊に似た光沢がある鮮やかな濃桃色の花を多数つけます。花弁はやや隙間が多く、外側にそり気味に開き、花は日中だけ開いて夜や曇天では閉じる開閉運動を繰り返します。
類似のマツバギク(ランプランサス属)の葉は細長く、花弁は幾重にも重なって隙間ができず、ややすぼまりぎみに開きます。
<デロスペルマ・クーペリ(耐寒性松葉菊) ハマミズナ科デロスペルマ属>
6/20 つくば実験植物園
中国中部及び西部を原産とするモクセイ科の常緑樹。都市部の劣悪な環境に耐えることから、戦後の高度成長期には公園や高速道路などに多用されましたが、現在では要注意外来生物リスト(環境省)に掲載されています。
開花は初夏(6月)で、その年に伸びた枝の先に、白い小さな花が房状に集まって咲きます。小花は直径8ミリほどで、2本ある雄しべと雌しべは花冠から突き出します。
葉は卵状の長楕円形で長さは5~10センチほど。表面は濃緑色で光沢があり、裏面は淡い緑色。縁にギザギザはなく、ネズミモチに比べると先端が細く伸びます。
<トウネズミモチ(唐鼠黐) モクセイ科イボタノキ属>
6/15 アンデルセン公園
可愛い子つばめが口を開けたような、スミレにも似た小花が春から晩秋まで次々と咲くことで人気があります。
花形は唇形で花色が野生のスミレに似ていることから別名にナツスミレ(夏菫)やハナウリクサ(花瓜草)といわれています。
<トレニア(夏菫) アゼトウガラシ科ツルウリクサ属(トレニア属)>
6/15 アンデルセン公園
福島及び新潟以西の本州、四国、九州に分布するツバキ科の落葉樹。日本以外では韓国に自生が見られます。ツバキに似た花を夏に咲かせるのでこの名前があります。
花はその年に伸びた枝葉の脇に咲き、直径は5~6センチほど。5枚ある花弁の先端は波打ち、まばらにギザギザしています。
ツバキの近縁ですが、仲間ではなくナツツバキ属の樹木です。寺の敷地内に沙羅双樹(サラソウジュ)として植えられることが多い樹木です。
仏教では釈迦が沙羅双樹の下で入滅したとされています。 日本では本種がこの沙羅双樹(サラソウジュ)と誤認されたようです。
<ナツツバキ(夏椿) ツバキ科ナツツバキ属>
6/15 アンデルセン公園
本州から九州の山地に自生するツツジ科の落葉低木。果樹として人気の高いブルーベリーの仲間で、日本に自生するため、時に「日本のブルーベリー」と呼ばれます。
開花は5~6月。雌雄同株で、黄緑色あるいは紅色の混じった釣鐘型の花を下向きに咲かせます。果実は初夏にできはじめ、8月から10月にかけて黒く熟します。
新芽は紅く、夏の時季からハゼノキのように美しく紅葉するため本種の名前になりました。
<ナツハゼ(夏櫨) ツツジ科スノキ属>
6/20 つくば実験植物園
静岡・伊豆半島東海岸に分布するガクアジサイの1品種です。装飾花のふちがギザギザしているのが特徴です。
やや丸みのあるひし形の花弁は、花弁同士がわずかに重なるようにして咲きます。花弁の形や咲き方も相まって、ナデシコの花に似ていることからこの名前がつきました。
全体のボリュームは抑えめですが、それがまた楚々とした美しさを引き出していて、見ていて飽きることがありません。
<ナデシコガクアジサイ(撫子萼紫陽花) アジサイ科アジサイ属>
6/21 あけぼの山農業公園
原産地の中国南部や台湾などで見られるバラ科バラ属の落葉ツル性原種バラです。とても丈夫なことから、古くから庭木として利用されています。
やや厚手の白花で花径6~8cmほどの5枚びらであり、真ん中に黄色い雄しべが複数あります。丈夫で耐寒性を持ちバラ特有のよい香りがします。
名前の由来は、江戸時代に難波商人によって、日本に持ち込まれたことによるものとされています。
<ナニワイバラ(難波茨) バラ科バラ属>
6/15 アンデルセン公園
中国原産で、日本では縁起物として庭木として植えられることが多い樹木です。乾燥させた実から咳止めの効果が期待できることから、薬用植物としても扱われています。
開花は初夏(5~6月)で、枝先に伸びた円錐状の花序(花の集り)に、白い小花が多数集まって咲きます。花は長さ6ミリほどで雌しべの周りに6個の雄しべがあり、その先端に黄色い葯があります。
和名は漢名「南天燭」の略とされています。和名は難を転ずることにも通じるため、縁起木、厄よけ、魔よけとして古くから庭に植えられてきました。
<ナンテン(南天) メギ科ナンテン属>
6/15 アンデルセン公園
キューバ原産で、日本では沖縄以南で露地栽培されています。花名に桜と付くことや、花の形、花色と桜に似ていますが、サクラ科の植物ではありません。
春~初夏、枝先から垂れた花茎に集散花序を伸ばし、小さな桃色の五弁花を多数つけます。葉は、緑色の楕円形で、バイオリンに似ていることからテイキンザクラ(提琴桜)とも呼ばれます。
また、開花の風情が日本のサクラに似ていることから、本種の名前で呼ばれています。
<ナンヨウザクラ(南洋桜) ナンヨウザクラ科ナンヨウザクラ属>
6/9 柏の葉公園
西インド原産で、夏から秋にかけて毎日のように花を咲かせ続ける、清楚で愛らしい姿が特長の草花です。別名ではビンカとも呼ばれています。
生長すると草丈は50cm前後になり、5月から11月頃にかけて白や赤・ピンク・紫・オレンジなどの鮮やかな花を咲かせます。
ひとつひとつの花は数日で枯れますが、同じ株に次々と新しい花が咲くことからこの名前になったそうです。それぞれの花は1日花ではなく3~5日は持ちます。
<ニチニチソウ(日々草) キョウチクトウ科ニチニチソウ属>
6/15 アンデルセン公園
正式名を「禅庭花(ゼンテイカ)」といいます。日光の霧降高原や霧ヶ峰、尾瀬ヶ原など山地の高原に群生し、冷涼な夏山を鮮やかな黄色の花で染めてくれます。
花は、直径7cmほどのラッパ状です。茎の先に蕾を3~10個つけ、下から順番に鮮やかな黄色や橙色(だいだいいろ)の花を咲かせます。花びらは6枚、花の先が少し反り返ります。
栃木県の日光地方に多く自生して、黄色の花を咲かせ笠菅(カサスゲ)に似た葉を生やすことが名前の由来です。
<ニッコウキスゲ (日光黄萓) ユリ科ワスレグサ属>
6/28 千葉公園
中国の西部が原産です。中国では2千年前から栽培されてきました。わが国へも古くに渡来し、日本書記には「岐(き)」として登場しています。
花は、花茎を伸ばした頂部に6つの花弁を持つ小さな花が集まって咲き、球状になります。その姿から坊主頭を連想して名付けられたのでしょう。
花ができるとネギの成長は止まり、食感も悪くなるので、できる前までには収穫を終えるようにします。
<ネギボウズ(葱の花) ユリ科ネギ属>
6/20 つくば実験植物園
らせん状に巻き付くように花をつけるラン科の多年草。 日当たりのよい草地に生えています。日本に自生する原種のランですが、雑草として扱われてしまうことがほとんどです。
株の中心から高さ15~40cmほどの花茎をまっすぐに伸ばし、らせん状に花を咲かせます。1つの花は5mmほどですが、明るいピンク色とユニークな咲き方でとても目立ちます。
この植物は、特徴的なねじれた花の姿を、そのまま名前にして呼ばれています。
<ネジバナ(捩花) ラン科ネジバナ属>
6/5 自宅
関東地方以西の本州、四国、九州及び沖縄に分布するモクセイ科の常緑樹。日本以外では台湾に分布しています。
開花は5~6月で、その年に伸びた枝の先に長さ5~12センチの花序を出し、白い小花を円錐状に密生させる。花は長さ5~8ミリほどの筒状漏斗型で、先端は四つに裂けて反り返ります。
秋になる実がネズミの糞に似ていること、葉がモチノキに似ていることから命名されました。
<ネズミモチ(鼠糯) モクセイ科イボタノキ属>
6/8 柏の葉公園
東北地方以西の本州、四国、九州及び沖縄に分布するマメ科の落葉樹。痩せ地に育つ代表的な樹木であり、山地のみならず郊外の道路沿いや川原、伐採の跡地など至る場所で目にします。
伐採されても再生するほど丈夫な性質を持ち、雑草に近い存在ですが、涼しげな葉と幻想的な花が人気であり、万葉集の時代から「ねぶ」として親しまれてきました。
花期は6月~7月。開花するのは夕方で、短時間のうちにピンクの筆のような花が10~20輪ほど枝先に集まって房状に咲き、ほのかな甘い香りを放ちます。
葉は暗くなると合わさるように閉じる性質(就眠運動)を持つことから、「眠る」を「ねぶる」といったことから、後に本種の名前で呼ばれるようになりました。
<ネムノキ(合歓木) マメ科ネムノキ属>
6/20 つくば実験植物園
南アフリカ共和国を中心とする熱帯アフリカに分布。約60種程度が確認されており、多年草、一年草、亜灌木が含まれます。
また、自然種のほかにも、交配など品種改良された園芸品種も多く栽培が盛んです。-3℃以上の気温があれば1年中開花する四季咲き性の性質があります。
鮮やかな花色が魅力で、赤、ピンク、オレンジ、黄、紫、白、複色などが揃います。草丈は30cm前後です。
<ネメシア(海蘭擬:ウンランモドキ) ゴマノハグサ科ネメシア属>
6/15 アンデルセン公園
中国原産での落葉性のつる性木本。平安時代には日本に渡来していたと考えられます。古くから観賞用に植えられており、庭園、公園などに庭木として利用されています。
夏から秋にかけ橙色あるいは赤色の大きな美しい花をつけ、気根を出して樹木や壁などの他物に付着してつるを伸ばします。
近似種に北アメリカ原産がありますが、本種に比べ、花は4㎝程度と小ぶりで、花数が多いのが特徴ですが、比較ができないので本種との区別がよくわからず、自信がありません。
<ノウゼンカズラ(凌霄花) ノウゼンカズラ科ノウゼンカズラ属>
6/15 アンデルセン公園
北海道から沖縄まで日本全国に分布するツルボラン科ワスレグサ属の多年草。川原の土手、草原、田畑の畔など身近な場所に群生し、夏に鮮やかなオレンジの花を咲かせます。
開花は7~8月で、葉の間から伸びる花茎は二つに分岐し、10輪前後の花が下から順に咲き上がります。花被片(花弁と萼)は6枚で外へ少し反り返り、中央にはクリーム色の筋模様が入ります。
日本では本種を片親とする園芸品種の「ヘメロカリス」が流通します。花色にバリエーションがあって美しく、ハナカンゾウともいいます。
<ノカンゾウ(野萱草) ツルボラン科ワスレグサ属>
6/21 北柏ふるさと公園
北半球の温帯におよそ100種が分布して、毎年花を咲かせる多年草です。日本にも数種が自生しています。
主な開花期は夏で、長く伸びた茎の先端に小さな花が固まって咲きます。花色は黄色、白、ピンク、紅色などがあります。
冬は茎葉が枯れて根の状態で越します。葉っぱのフチが細かく切れ込んでおり、その姿をのこぎりに見ててこの名前があります。
<ノコギリソウ(鋸草) キク科ノコギリソウ属>
6/15 アンデルセン公園
アジサイの仲間で、本種の原種は、全国の山地で見かけることができます。枝先に円錐状の形の花がつき、白の小さな花が多数ついている形状です。
円錐形の花序(花房)を持つため開花時の趣は一般のアジサイと少し異なります。開花期もアジサイより遅く、花の少ない夏にはありがたい樹種です。
花弁のように白く円錐花序を彩るのはしべが退化した装飾花の萼片で、雄しべと雌しべをもつ両性花には装飾花のような大きな萼片はありません。
私たちが花と思う部分は、装飾花の萼片です。本種の園芸種として流通している「ミナヅキ」、「ライムライト」はほとんどの部分が装飾花です。
本種がガクアジサイに似て素朴な雰囲気であるのに対して、園芸種のは華やかな印象があります。
<ノリウツギ(糊空木) アジサイ科アジサイ属>
6/20 つくば実験植物園
今回も全20品種と、多くの植物を最後までご覧いただきありがとうございました。
次回「6月の花のアルバム ⑨」に続きます。
次回「6月の花のアルバム ⑨」に続きます。