「バレーボールサークルで体育館使ったら
10万円以上(年間)かかっちゃうって本当?」
30もの団体から「有料にしないで!」と陳情が寄せられた学校開放事業の有料化が、区議会でたった一回の審議で強行され(今年3月)、現在各学校の「学校開放運営委員会」でその説明が行われています。
学校開放の有料化の内容や詳細をお知らせします。
1、使用料金は?
1回の利用(一コマ)は3時間となっており、体育館・校庭・教室によって、また午前・午後・夜間によって料金に違いがあります。一番安い午前の教室利用でも毎週一回利用すると1回400円で年間2万800円の負担増。
バレーボールサークルが体育館を使って夜間に週一回利用すると、何と年間10万4千円の負担増になってしまいます。
2、何で有料に?
―「区財政」が理由ではありません。
区の年間予算は23区第二位の2500億円、ためこみ金(積立金)も減ったとはいえバブル期より多い856億円もあります。
区は「有料にして既存団体だけでなく多くの団体が利用できるようにする」「受益者負担」などを理由に挙げています。
しかし、有料化による負担増で「多くの団体が利用できる」とは誰が見ても詭弁です。
「受益者負担」を突きつめれば、「公園や道路を利用する人と利用しない人がいるから負担に差をつける」と言っているのと同じになり、税の再分配機能や行政の役割を否定することにつながります。
3、利用方法はどう変わる?
団体登録(5名以上が当該中学区域に在勤・在学が条件、会則・ 収支決算書提出、営利目的・政治・宗教はダメ)は従来通りです。
変わったのは、有料になったことにより回数券を購入して使うことです。学校開放利用団体はあらかじめ回数券を購入し、申請書の記入と一緒に回数券を添付。発売場所は地域学習センター・スポーツ施設(興本・伊興・竹の塚などの地域学習センターや総合スポーツセンター)です。
4、どんな団体が免除に?
【少年団体・障がい者団体】
子どものサッカーや野球の団体など少年団体(構成員全員が中学生以下)、障がい者団体は無料を継続します。
【高齢者団体】
当初、65歳高齢者が8割以上の団体は「高齢者団体として無料」といっていましたが、結局「構成員全員(指導者は除く)が65歳以上でないと有料」としてしまいました。
★他の無料になる「公的な団体」は以下の別表のとおりです。
5、総合型スポーツクラブは?
全構成員が誰でも参加できるイベントのための使用は無料、特定の会員のみのためのサークル活動は有料ということでした。
6、不透明さと分断持ち込む
学校開放委員会の中に「有料団体」と「無料団体」が混在することになり差別化や分断が生じる懸念があります。
原則は左の連合団体(例えば町会自治会連合会や女性団体連合会、文化団体連合会など)のみ無料を継続するとしています。
しかし但し書きに「上記に掲げる組織、団体に属し、教育委員会が特に認める団体も対象とする」とあり、区教委のさじ加減で所属団体(文化団体や女性団体、町会自治会)の有料無料が決まるという不透明さもあります。
有料化にしたことにより、新たな不透明さと分断が持ち込まれかねません。
7、スケジュールは?
●【現在】
各学校の学校開放運営委員会を通じて、「有料化」の案内を実施
●【6月~】
説明会を開催
●【7月1日~】
回数券を販売
●【10月1日~】
有料化開始
他の無料団体(高齢者・障がい者・少年団体は無料)
【学校関係団体】
区内都立高校、特別支援学校、区内保育園・幼稚園(私立可)、
区内職業訓練学校、公立幼・小・中PTA連合会、
開かれた学校づくり協議会
【青少年育成団体】
スポーツ推進委員会、青少年委員会、青少年対策地区委員会、
少年団体連合協議会
【町会自治会関係】
町会自治会連合会、住区センター管理運営委員会
【区が出資する公益法人等の団体】
公益財団法人足立区勤労福祉サービスセンター
足立区土地開発公社、公益財団法人足立区体育協会
公益財団法人足立区生涯学習振興公社
社会福祉法人足立区社会福祉協議会
社団法人足立区シルバー人材センター
【教育委員会が認める団体】
防犯協会、交通安全協会、足立区ボランティア連合会
母の会、民生・児童委員協議会、保護司会、更生保護女性会
老人クラブ連合会、足立シニアクラブ、女性団体連合会
連合婦人協議会、文化団体連合会、郷土芸能保存会
総合型地域クラブ、足立シティオーケストラ、足立吹奏楽団
足立区民合唱団、足立ジュニア吹奏楽団
足立ジュニアリーダーズクラブ、
足立区ボーイスカウト・ガールスカウト協議会
足立少年少女合唱団
※上記に掲げる組織、団体に属し、教育委員会が特に認める団体も対象とする。