橋下・大阪市長が「慰安婦」で暴言

2012年09月06日 20時13分14秒 | 日記

 橋下大阪市長が「従軍慰安婦」問題に対して、「強制連行というものの事実があったのかどうなのか、確たる証拠はなかった」などと発言したことに「許せない」と抗議の声があがっています。

 旧日本軍による「慰安婦」問題は、軍がつくった慰安所で女性を拘束し、軍人らの性行為の相手を強いた犯罪行為です。1993年、政府は河野洋平官房長官談話において「慰安所は、当時の軍当局の要請により設営されたものであり、慰安所の設置、管理及び慰安婦の移送については、旧日本軍が直接あるいは間接にこれに関与した」、「総じて本人たちの意思に反して行われた」と明確に認めています。

証言の被害者を冒とく

日本刀を持った軍人が「来なければ家族を殺す」と脅して連行したり、逃げようとした女性が足の甲に刀を突き刺されたなど、多くの証言や事実を裏付ける証拠が無数にあります。

にもかかわらず、橋下氏は「証拠はない」、「当時の時代背景において、どういうものだったのかということを真正面から議論しなければならない」と言います。当時では許された行為であるかのように発言する橋本氏の人権認識の欠如に驚きます。

国際的に通用しない論理

 この橋下氏の発言、自民党の安倍晋三元首相の発言を蒸し返したもので、すでに破綻が明らかになっています。安倍首相(当時)は07年に旧日本軍の犯罪行為を免罪しようと「慰安婦」問題で強制性を否定する発言を行いました。

 しかし国際社会から大きな批判があがります。アメリカ下院議会は「日本による軍事的強制売春である『慰安婦』システムは、その残酷さと規模の大きさで前例のないもの」と批判決議をあげました。国連報告書は1998年に慰安婦は事実上の奴隷であり、「当時ですら、奴隷制を禁じた慣習的国際法に明らかに違反していた」との報告書を採択しています。

 橋下氏の暴言は被害者を冒とくし、戦時性暴力の克服をめざす国際社会にも逆流します。発言は撤回し謝罪すべきです。

新日本婦人の会では、「女性問題・女性たちのあゆみ」として従軍慰安婦問題をとりあげています。

http://www.shinfujin.gr.jp/c_1_books/index_7.html

◆日本軍「慰安婦」問題の解決をめざす法制定を求める請願

・日本軍「慰安婦」 問題解決のために〈新版〉