過去最大の2586億円(一般会計)「確かな明日のために」というけれど
がん検診を有料化
3障害一元化をいいながら、精神障害者の福祉手当は実施せず
戸籍住民課窓口業務を外部委託 区立保育園も株式会社化 行政サービスの民営化を強行
前年より150億円(6・2%)増で過去最大
総額2586億円(一般会計)で昨年より150億円増の過去最大です。
鉄道立体化(竹ノ塚駅)で50億円増、小学校改築(建替え)で36億円増、公園等の整備で42億円増などが増えた主な要因だと説明されましたが、ふくらんだ財政を支える力があることが第一の特徴です。
特別会計の国保、介護保険、後期高齢医療保険いずれも増額となりました。
投資的経費131億円増扶助費は25億円の増
予算を性質別に見てみると、建設工事などの投資的経費が131億円(55%)増えたのが目立ちます。鉄道立体化事業、学校改築のための費用が入っていますが大幅な増額です。
一方、生活保護や障害者への給付費などの「扶助費」は25億円の増です。
区職員の給与などの人件費と区の借金を返すための公債費は減っています。
区民税収入は12億円増、財政調整交付金も23億円の増額予算
区の収入はどうか。まず区民税収入は12億円余の増収となっています。特別区税全体では22億円の増収を見込んでいます。また区財政の35%を占める都区財政調整交付金は23億円の増収となっています。財政は一路「きびしい」わけではなく一定の増収があることが特徴です。
基金(貯金)は856億円
区の貯金にあたる「基金」は年度当初で856億円です。基金は年度途中に必ず積み増すことになるのでもっと増えます。昨年度は「基金が底をつく」と言いながら結果は1035億円になりました。
区債(借金)は減少
借金の状況はどうでしょうか。区は借金があるから大変といいますが自治体の借金は計画的に返すものなので普通は減っていきますし、借金があるからやっていけないという性質のものではありません。
近藤区政の新年度予算案は「確かな明日のために今さらなる挑戦」と名づけられました。その意味はこれから予算審議を通じて確かめますが、確かな明日のためにと言いながら、区民のがん検診は全面有料化します。
「全てのがん検診に委託料の3割の自己負担を導入」
大腸がん0→300円、肺がん0→800円、子宮頸がん0→2000円と有料化し、乳がんは2000円→2500円へと値上げします。
また精神障害者だけ出ていない福祉手当を支給するべきだと議会でも全会派一致で陳情を採択しましたが区は実施しません。
プライバシーが最も大切にされるべき戸籍住民票の窓口業務を民間業者に委託し外部化したり、区立保育園をとうとう株式会社に委ねてしまいます。
住民税や国保料・介護保険料の滞納者への催告も4月から民間業者に委ねます。
いま区民は賃金も年金も減る一方で大幅に上がった国保料や介護保険料の支払いに苦慮し子育て世代は年少扶養控除の廃止で増税となり負担増が続いていますが、こうした区民生活への負担軽減策はありません。
弱い放射能対策 部分的には区民施策の前進も
それどころか事業系ごみや1日10キログラムを超える家庭ごみの処理手数料が1kgにつき4円引き上げ、10kgをこえる粗大ゴミも100~300円値上げとなります。国保料はこれから決まりますが値上げの可能性があります。
放射能対策は原発存続を示唆する区長の姿勢のもと不十分な施策にとどまっています。
共産党の繰り返しの提案を反映し孤独死対策、温暖化・環境対策、震災・防災対策などで前進面もあります。