①「英語を日常の言語にする」(Part 4)
「習得」(acquisition)を意識して英語を「勉強」(learning)すること、つまり、英語を意識的に学びながらも、その学んだものが自分の自然な言語能力として身につくよう努力することが大切ということです。つまり、私たちの日本語能力と同じような言語能力を同じ脳の中に作り上げるということです。どんなにたくさん英語を勉強しても、それは英語のある部分を意識的に、かつ、分析的に理解するだけに過ぎませんから、それだけでは分析的理解、覚えている(記憶している)という点においては意味がありますが、実際に英語を聞いたり、使ったりする場面で、それらがすぐに機能して、自然に英語が分かる、自由に使えるということにはなりません。いや、実際には逆に、勉強が自分の持っている英語力の自然な使用を妨げる場合も多々あります。ヒアリングの場合は聞いた内容をすぐに日本語に訳そうとしたり(間に合わないのに…)、スピーキングの場合は間違いをおかすことを怖がって話すことを躊躇したりと、日本人特有の国民性が英語習得にマイナスになる場面も多々あります。皆さんもこんなこと、経験ありますよね~。「ですね~たしかに…(賛同の声)」そこで私たちが考えなければならないのは、いかに学んだものを自然に機能するものに変えていくかということです。それが、「勉強したことを習得する」ということです。「ふむ、ふむ。なんか、分かったような…でも、まだ、なんかわからないような…?」
つまり、学んだことが自動的に機能するようにする、いわゆる「自動化する」よう努力することが大事だということです。「は?でも、そんなこと、どうしたら…?(汗)」学んだことが自動的に機能し始める、英語で言うと、英語を読んだり、聞いたりしたら、それが自然にわかる、あるいは何かを話そうとしたら自然に言葉が出てくる、というのは、自分が意識的に努力してできることではないですよね。なぜなら、それは全て脳の自動的反応だからです。前に話した、自転車に乗るとか、ビアノを弾くとか、歩くことなんかと同じようなものです。ただ、それらと違うのは、前者が運動機能の発達、統合•総合に関わるものである一方、後者は言語能力に関わる諸機能の発達と知識の統合•総合、そして、その運用能力に関わるものだということです。つまり、全てが知的機能に関わるもので、脳の認知機能における言語的発達に関わるということです。「いやいや、その~理論的なことはもういいので~要は、どうしたらいいんですか?」
あ、はい…簡単に言いますと…要は、しっかり勉強したら、あとは脳がそれらを統合•総合して一つの言語体系を作れるように自分自身をできるだけ英語の環境に置くと言うことです。もちろん、最初から日本語のように優れた言語体系を作れるわけはなく、その過程は紆余曲折があります。また、人によってその性格、特徴もバラバラです。しかし、様々な勉強を通してインプットされた情報は、意識して理解しようする英語の環境に置かれた脳が、勝手に処理して英語体系を作り、徐々にではありますが、できるところから自動化処理をしてくれます。そして、そのレベルの差こそあるものの、私たちがそれなりの英語を自然に理解できるように、あるいは、話せるようにしてくれるのです。
「でも、私たちはみんな日本にいるわけで…英語の環境なんてないですよね~みなさん」おっしゃる通り…と言いたいところですが、今の日本、いや現代社会はいろいろなメディアにあふれているわけで、その気になれば自分を「英語の環境」に置くことは容易にできます。「英語の環境」というのは、「英語圏」(英語の社会)という意味ではありません。自分が毎日見る、聞く、脳が理解しよとする言語が英語であれば、その言語環境は「英語の環境」と言えます。僕はアメリカに10年近くいましたが、社会では英語が話されているわけですが、自分の家族と過ごす時間が多かったり、あるいは、家で日本語のドラマを見たり、日本語の小説や文献を読んでいたことも多かったので、果たして自分をどれくらい「英語の環境」に置いていたかは疑問です。大学院での勉強は英語ですし、教科書も英語ですが、その程度の英語のインプットは、現代ならどこにいても持つことができます。もちろん、この日本でも。
英語を特別な言語ではなく、あるいは、勉強の対象としてのみ考えるのではなく、あくまで「日常の言語」にすること、自分自身を日常的に「英語の環境」に置くこと、これが英語を「習得」するためには絶対に必要なことです。それがないと、英語を勉強すれば、脳はそれなりに英語を学ぶ作業をせっせとしますが、それを「習得」することはない…ん~なくはないですが、そのスピード、また、度合いは限定的と言えます。そして、その「習得」のレベルが高いか、低いかが、「英語が伸びる、伸びない」に大きく関わっているのです。
「で、自分を「英語の環境に置く」とは、具体的にはどうしたら…?」(End of Part 4)
「習得」(acquisition)を意識して英語を「勉強」(learning)すること、つまり、英語を意識的に学びながらも、その学んだものが自分の自然な言語能力として身につくよう努力することが大切ということです。つまり、私たちの日本語能力と同じような言語能力を同じ脳の中に作り上げるということです。どんなにたくさん英語を勉強しても、それは英語のある部分を意識的に、かつ、分析的に理解するだけに過ぎませんから、それだけでは分析的理解、覚えている(記憶している)という点においては意味がありますが、実際に英語を聞いたり、使ったりする場面で、それらがすぐに機能して、自然に英語が分かる、自由に使えるということにはなりません。いや、実際には逆に、勉強が自分の持っている英語力の自然な使用を妨げる場合も多々あります。ヒアリングの場合は聞いた内容をすぐに日本語に訳そうとしたり(間に合わないのに…)、スピーキングの場合は間違いをおかすことを怖がって話すことを躊躇したりと、日本人特有の国民性が英語習得にマイナスになる場面も多々あります。皆さんもこんなこと、経験ありますよね~。「ですね~たしかに…(賛同の声)」そこで私たちが考えなければならないのは、いかに学んだものを自然に機能するものに変えていくかということです。それが、「勉強したことを習得する」ということです。「ふむ、ふむ。なんか、分かったような…でも、まだ、なんかわからないような…?」
つまり、学んだことが自動的に機能するようにする、いわゆる「自動化する」よう努力することが大事だということです。「は?でも、そんなこと、どうしたら…?(汗)」学んだことが自動的に機能し始める、英語で言うと、英語を読んだり、聞いたりしたら、それが自然にわかる、あるいは何かを話そうとしたら自然に言葉が出てくる、というのは、自分が意識的に努力してできることではないですよね。なぜなら、それは全て脳の自動的反応だからです。前に話した、自転車に乗るとか、ビアノを弾くとか、歩くことなんかと同じようなものです。ただ、それらと違うのは、前者が運動機能の発達、統合•総合に関わるものである一方、後者は言語能力に関わる諸機能の発達と知識の統合•総合、そして、その運用能力に関わるものだということです。つまり、全てが知的機能に関わるもので、脳の認知機能における言語的発達に関わるということです。「いやいや、その~理論的なことはもういいので~要は、どうしたらいいんですか?」
あ、はい…簡単に言いますと…要は、しっかり勉強したら、あとは脳がそれらを統合•総合して一つの言語体系を作れるように自分自身をできるだけ英語の環境に置くと言うことです。もちろん、最初から日本語のように優れた言語体系を作れるわけはなく、その過程は紆余曲折があります。また、人によってその性格、特徴もバラバラです。しかし、様々な勉強を通してインプットされた情報は、意識して理解しようする英語の環境に置かれた脳が、勝手に処理して英語体系を作り、徐々にではありますが、できるところから自動化処理をしてくれます。そして、そのレベルの差こそあるものの、私たちがそれなりの英語を自然に理解できるように、あるいは、話せるようにしてくれるのです。
「でも、私たちはみんな日本にいるわけで…英語の環境なんてないですよね~みなさん」おっしゃる通り…と言いたいところですが、今の日本、いや現代社会はいろいろなメディアにあふれているわけで、その気になれば自分を「英語の環境」に置くことは容易にできます。「英語の環境」というのは、「英語圏」(英語の社会)という意味ではありません。自分が毎日見る、聞く、脳が理解しよとする言語が英語であれば、その言語環境は「英語の環境」と言えます。僕はアメリカに10年近くいましたが、社会では英語が話されているわけですが、自分の家族と過ごす時間が多かったり、あるいは、家で日本語のドラマを見たり、日本語の小説や文献を読んでいたことも多かったので、果たして自分をどれくらい「英語の環境」に置いていたかは疑問です。大学院での勉強は英語ですし、教科書も英語ですが、その程度の英語のインプットは、現代ならどこにいても持つことができます。もちろん、この日本でも。
英語を特別な言語ではなく、あるいは、勉強の対象としてのみ考えるのではなく、あくまで「日常の言語」にすること、自分自身を日常的に「英語の環境」に置くこと、これが英語を「習得」するためには絶対に必要なことです。それがないと、英語を勉強すれば、脳はそれなりに英語を学ぶ作業をせっせとしますが、それを「習得」することはない…ん~なくはないですが、そのスピード、また、度合いは限定的と言えます。そして、その「習得」のレベルが高いか、低いかが、「英語が伸びる、伸びない」に大きく関わっているのです。
「で、自分を「英語の環境に置く」とは、具体的にはどうしたら…?」(End of Part 4)