あまり知られておりませんが、
今回の震災で、仲間が多くいる益子焼では、甚大な被害になっております。登り窯などの古い造りの薪窯は、6~7割が崩れてしまっております。
行けば泊めてもらい酒を飲み交わす親しい陶芸家一家は、登り窯を直すのを断念し実家のある宮崎に戻る事を決めたらしいと、神津さんに聞きました。最近連絡がないのは、そういう事だったのだと分かりました。
実は、うちの登り窯も大変深刻です。
3.11の本震で外見は大丈夫に見えておりましたが、やっぱりダメージを受けていたのでしょう。
4月の大きな余震など度重なる余震で、窯の自重にもより、ますます亀裂が広がってきております。
それでも、登り窯で釉薬に使う灰を取るために、アオソをチョロチョロと燃やしていたところ、足元にスポットライトのような光を見つけました。
反対に頭を上げて見上げると、トタン屋根に小さな光の点があります。
おそらく抜けた釘穴でしょう。漂う煙の中を光が伸び、やがて光線になりました。
まるで、雲の隙間から光が差し込み、天と地を結ぶといわれる、天使の階段 (Angel's stairway)のように見えるのでありました。
思わぬ神々しさに、しばらく見入ってしまいました。
皆それぞれ大変ですが、一筋の光を見出せれば良いですね。