養老孟司さんの「養老訓」という名著があります。
10年以上前に初めて読み、その後も何度か読んでいます。
僕にとっての貴重な愛読書です。
最近は心身共にしみじみと「年齢」を感じている僕ですが、
この「養老訓」の中の文章を思い浮かべながら、
そんな自分を励ましているんですよね。
この本を読まれた方も多いかと思いますが…
その中にこんな一節があります。
「幸せな老後」 という言葉は少々おかしい。
老人になるということは、人生が終わると言うことですから、
身体は駄目になってくるし、目は見えないし、みんなはバカにするし。
何が 「幸せな老後」 だと思います。
あまり大きな期待はしないほうがいい。
そうしたら、思いがけないことで、すごく幸せを感じるかもしれない。
それには感受性が大事です。
…というくだりです。
な~るほど。
大切なのは感受性なんですよね~
そういえば、僕がこのブログを続けているのも、
感受性を衰えさせたくない…という気持ちが無意識のうちに働いているのかも知れません。
ま、それはそれとして。
この本には次のようなことも書かれてありました。
老後に本当に必要な資産はお金ではありません。根本は体力です。
きちんと歩けるほうが財布に100万円入っているよりも、ずっと幸せです。
体が元手で、お金が元手ではありません。
老後資金より、老後体力を考えるべきなのです。
…と。
本当にそうですよね。
十数年前に読んだ時には「面白いなぁ」と思ったものですが、実際に高齢者となった今の僕としては、この文章には強烈な説得力があります。
あり過ぎるほどですわ、ホントに。
しかしねぇ~
財布に100万円入っているというのも、
かなり(…というかメチャ)魅力ですわ。うふふ。