旅の最終日は、青森から秋田まで「リゾートしらかみ」に乗る。
今日の場合は、乗り換えなしで、その列車に乗りっぱなしである。
秋田からは、夕方に出る飛行機で大阪へ帰る。
「リゾートしらかみ」は今人気のある五能線を走る臨時快速列車で、これは何百円かの指定席券を事前に購入しておけば、青春18切符を乗車券として使って乗ることができる。今回の旅で指定席というものに座ったのは初めてである。
水森かおりの「五能線」という歌があるが、歌がヒットした以上に、実際のこのローカル線は人気があるようで、鉄道雑誌の「ローカル線風景ベスト1」に選ばれたこともある路線だという。
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http://www.jreast.co.jp/akita/gonosen/index.html
青森発8時00分の「リゾートしらかみ」に乗車した。
秋田着が13時22分。5時間22分の乗車時間である。
秋田駅内のトイレ。面白いので写真を撮ったが、このあとすぐに、
「トイレおんな」の扉が開き、中から女性が出てきたのでヒヤッとした。
そんなところを撮影したら、変質者と間違えられかねない
さて、8時00分発の「リゾートしらかみ」に乗り込んだ。
青森~秋田は次のルートで走って行く。
僕たちが乗った列車「リゾートしらかみ」
車窓に広がるリンゴ畑のはるかかなたに、岩木山が見えた。
津軽富士と呼ばれる美しい山。岩手山と間違えそうであるが…
車内では、やがて津軽三味線の生演奏が始まった。
日本海を一望する絶景ポイントにさしかかる。
列車は特に景色のいいところでは、徐行運転をしてくれる。
この風景は、なんとなく 紀勢本線の串本付近に似ている。
深浦駅。太宰治が小説「津軽」を執筆のため投宿した部屋を
再現した文学館などがあり、降りてみたい駅だったが…。
青森駅で買った 帆立釜めし で~す。
僕は、こういう ご飯に具の混ざった弁当が好きです。
あ、すみません、別に聞かれもしていないのにね…。
人気の五能線も、僕の乗ったこの車両には乗客はほとんどいない。
この日は、4月9日。春休みも終わり、学校はこれからだし、
会社は年度始めで、新入社員も張り切る季節。
こんな時期にのんびり列車旅行をする人なんて、少なくて当然…?
窓は景色が良く見えるように超ワイドだ。
なんだか…窓際に缶ビールのようなものが見える。誰や? 飲んでるのは!
青森を8時に発った列車は、午後1時22分に秋田駅に着いた。
ホームから上がると、竿灯祭りの飾りが僕たちを出迎えてくれた。
秋田空港から大阪へ帰るのは午後6時15分発の日航便だ。
3時半ごろのリムジンバスに乗って空港に行くことにした。
それまで、約2時間、秋田市内で過ごせる。
「秋田市民民族芸能伝承館」というのがガイドブックに載っていた。
そこまで歩くことにした。
駅からまっすぐ西へ歩くと、千秋公園のポケットパークという美しい噴水に沿った道に出る。市内を流れる旭川を渡って右に曲がって、さらに左折すると、「ねぶり流し館」という建物があった。ここが市民民族芸能伝承館だった。
入場料は100円。
秋田市の民族行事が紹介され、竿灯祭の実演もあった。
秋田市内。右側は千秋公園のポケットパーク。
公園は、これより右 (北) 側に、広がっている。
この公園もまた、昔、自転車旅行で来て以来だ。
「秋田ねぶり流し館」では、地元の人が、竿灯祭りの
実演を見せてくれた。これだけの提灯を、一人で、
腰で支えているのにはびっくりした。ぱちぱちぱち。
「ねぶり流し館」の2階のほうで、太鼓の叩く音がしたので、
僕たちは、「何をやっているのか?」と思い、上がって行った。
すると、一つの部屋で、若い女性2人が太鼓を叩き、笛を吹いていた。
観光客ではないだろう。地元の娘さんだろうか?
思わず聞き惚れ、見惚れ、写真を撮らせてもらった。
つかの間の秋田めぐりも終わり、空港へ。
こんなのがあったので、妻に写真を撮ってもらった。
「なまはげにしては、顔に迫力がないみたいだけど…」
と、妻の評。すみませんね、どうも。
秋田空港で食事をして、6時15分の大阪伊丹空港行きの便に乗った。
岩手山、岩木山と、好きな二つの山は見たが、
鳥海山は見られないままに旅が終わった…
と思っていたら、飛行機の窓からなんとその鳥海山が見えたのだ(写真)。
最後の最後に、予想外の風景に出会えるとは…
実にラッキーなめぐり逢いであった。
この旅行は、40年前の自転車旅行と重なるところが多かった。
いったん書き始めたら、「あれも書きたい、これも書きたい」と、
次々と書きたいことが頭に浮かんできて、省略するのに苦労した。
長話におつき合いいただき、ありがとうございました。