曖昧批評

調べないで書く適当な感想など

実写版「十角館の殺人」の感想

2025-01-16 08:49:00 | テレビ・映画
※ネタバレすると思うのでご注意ください。

huluオリジナルで制作されたらしいが、年末年始に地上波でやってたのを録画して見た。

僕は世代的にも新本格派の波をモロに被っている。綾辻行人もまあまあ読んだ。館シリーズは黒猫館までは読んだ。その中では、時計館が面白かった。

十角館は綾辻行人のデビュー作である。当時、いかにも習作っぽいなと思った。大学生だけで無人島で過ごすという状況が強引だし、有名な推理作家の名前で呼び合うのも痛い。プロットやトリックは面白いのだが、登場人物の性格や、状況設定に説得力がない。トリックは凄くても人間が描けていないといわれた、当時の新本格派が叩かれた典型的なパターンの作品だった。と思う。

あれからウン十年経って、このドラマ阪のアオリは「あの一行の衝撃」「まさかの実写化!」である。いや、習作でしょ。調べたら、結構いろんなランクに入ってる。えー、衝撃は時計館のほうが上でしょ。なんなら「霧越邸」とか「切断された死体の問題」のほうが、綾辻作品としては上だろう。

と思いながら見始めました。犯人とトリックはなんとなくしか覚えていない状態で。

序盤、何故かワクワクしない。ミステリ好きならワクワクするシチュエーションなのに。島に行くメンバー皆、演技がわざとらしいというか、学生の自主制作映画っぽいからか。十角館もセットとCGなのが丸わかりだし。

エラリイの態度がイライラする。こんなキャラだっけ? 綺麗どころがアガサだけ。それもなんかイマイチ。女王様気取りだからか? 肌もざらついてるような。と思って後で調べたら長濱ねるだった。いや、なかなかの演技力(手のひらクルー)。全然分からんかった。

青木崇高の島田潔がいい。飄々とした、と称されるキャラクター、それを演じた人はたくさんいるが、その中でも最も飄々としていた。その分、推理力はどうなんだという感じだったが。江南くんは大根だった。彼のモノローグ的な部分は本筋にあまり影響しなかったので、全体のテンポを悪くしていた。トンチンカンな推理ばかりだし。

オルツィ、カーが殺された。この2人は出番短くてかわいそう。アガサが毒殺された。華がいなくなって絵的に大丈夫か? ルルゥが撲殺された。これだけ毛色が違う。足跡がこれみよがしに映るが、特に推理はせず。

本土では島田潔とコナン君が執拗に手紙の謎を追う。紅次郎が東京03の角田晃広なので、真剣味にかけるというか、仲村トオルの弟には見えんなあ。

エラリィ、ポウ、ヴァンだけになった。「そして誰もいなくなった」ならここからが本番だが、タバコの毒であっさりポウが死んだ。ミステリ好きならタバコは警戒しろよ。犬神家の一族を読んでいないのか?

で、十角館炎上で6人死亡のニュースが流れる。2人になってからの決戦はないんだっけ。

今までモリスと呼ばれていた守須が、君はなんと呼ばれているのかと訊かれて答える。「ヴァン・ダインです」と。

これが衝撃の一行なわけだ。犯人は本土と行き来してた千織の彼氏だってのは覚えてたけど、具体的に誰かは考えないようにしてたのでびっくりしたわ。

これで全て了解。海外の有名推理作家の名前で呼び合う痛い慣習は、島と本土で一人二役やるためだ。本土では江南は一度も守須をヴァンと呼んでいない。その不自然さも、そういうノリが嫌でサークルをやめたというエクスキューズが序盤にあるので問題ない。さらに、守須ならモーリス(ルブラン)かい?と揶揄われて苦笑するシーンもあった。前髪を下ろす/下ろさないの変装?もあり、トリックの一番キモになるここについては、うまく処理できてたと思う。

痛い呼び名にもちゃんと意味があった。やっぱりその辺の刑事ドラマとはビックリのレベルが違うわ、と感心したのだが、一緒に見ていたうちの奥さんは「ヴァン・ダインです」の瞬間、無反応だった。

そうか、彼女はS・S・ヴァン・ダインを知らんのだ…。

全部見終わった後、あの一行でびっくりしたかを訊いた。島にいたヴァンだということはわかったけど、動機が分からなかったので無反応だったらしい。洗い物をしながらみてたりしたからか、あの演出だと分かりにくいのか。

守須が髪型を変えるのは、実際には必要ないはず(実写化のための無理やりな工夫)という意見もあるが、風邪引いてる演技の補助くらいにはなるぞ。顔隠せてたから。犯行計画を詰めた瓶とかやりすぎな感もあるが、やっぱり一流のミステリ作家が書いたちゃんとした原作があると違うなと感じた作品でした。


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「トップガン・マーヴェリック」の感想

2024-12-04 07:38:00 | テレビ・映画
金曜ロードショーでやってた「トップガン・マーヴェリック」を録画して見たので感想。かなり前だが、前作も見ている。

冒頭、試験機でマッハ10超えして空中分解。本編とは直接関係ないエピソードを差し込むのは、最近やたら放映されている「踊る大捜査線」などフジテレビ系映画みたいな構成だ。あまり好きじゃない。

マーヴェリックは「ならず者国家」という抽象的な敵のウラン濃縮施設破壊作戦のために、トップガン卒業生を鍛える教官になった。トム・クルーズはシワだらけで、あのスパイ映画よりおじいちゃんぽいのだが、筋肉はムキムキで高Gにも耐えられる。

ノーヘルで酒場のママと大型バイク二人乗り。この人前作にいたっけ? あの教官じゃないよな? 「ハンニバル」でクラリス役がジョディ・フォスターから変わって以来、僕はハリウッドの続編キャスティングが分からなくなっている。違う女優でも同じキャラクターの可能性がある。

さっき調べたら全くの別人で、前作には出てないキャラクターらしい。じゃあなんで、懐かしい客が超久しぶりにやってきた感出してたんだよ。

レーダーを避けるために、谷底を超低空アクロバット飛行する練習。この手のやつは、エリア88の「タイトロープ作戦」が初出だと思う。エースコンバットなんかでも散々擦られてきたネタだ。僕はもう飽きてるんだよね。

その特訓がうまく行ってないのに、ビーチでフットボール。若い男女とおじさん1人がキャッキャウフフする。前作のライバル、アイスマン(将官になってる)と最後の会話。直後死去。葬儀に参加。そんなことしている時間はないのでは。

後ろ盾のアイスマンを失い、教官をクビにされたマーヴェリック、例のアクロバット飛行をやってみせて編隊長に就任。メンバーは、単座機はグースの息子(ルースター)、複座機は女の子とメガネ、黒人コンビの計4機。ルースターのライバルのハングマンが漏れたけど、たぶん後で出番ある。声が中村悠一だもん。

空母から発艦。作戦開始。ならず者国家とは。地形は北朝鮮ぽい。イランにしては寒そう。

渓谷飛行でルースター機遅れ気味、レーザー照射器が不調などハラハラさせられるが、なんとか破壊成功。やったね!と思いきや、敵機出現。劇中では漠然と「第五世代」と呼ばれるやつだ。後で調べたら、Su-57らしい。前作はMiG-28という謎の機体をF-5が演じていたが、今回はCGだろう。

フレアを使い切ったルースター機がやられる寸前、木の葉落としみたいな機動でマーヴェリック機が割り込む。ルースター機は助かったが、マーヴェリック機はエンジンが半分ちぎれた。脱出した気配もなし。

マーヴェリックを助けようと残ったルースター、結局撃墜され、マーヴェリックと再会。なぜあの状況から生きていられるのか。説明なし。

ここでハングマンたちが来るに違いないと思ったら、なぜか敵の基地にF-14がある。これに乗って逃げる気だな。クリント・イーストウッドのファイアーフォックスかよ。

アメリカ以外でF-14を持ってた国は、革命前のイランしかない。設定めちゃくちゃだなあ。

F-14は図体の割に格闘戦もいけるはずだが、第五世代とやらは更に上をいってた。推力偏向ノズルで変な起動をしてくる。やばい。脱出を考えるマーヴェリックだったが、戦う気満々のルースターに煽られて1機撃墜。

だが、もう一機が追ってきた。こっちは弾切れ。脱出装置が動かず。万事休す。なわけはなく、予想通りハングマンが飛んできて敵機撃墜。爆装してたので、予備で待機してたのか、単に監督や演出の見落としか。増槽付けて空戦するんか、としっかりチェックしていた僕は、そこを見逃さなかった。

ミリタリー設定でも、普通のストーリーの流れの中でも、手抜きが目立つ作品だった。なぜそうなったのか、なぜそれでいいことになったのかの説明が各所で抜けてる。なぜ何十年も前に退役したF-14が、飛べる状態でそこにあったのか(しかも武装して)。夜這いを娘に見つかったのに、なぜ何の屈託もなく再会できてるのか。

お気楽極楽な娯楽作品なので、頭空っぽにして楽しめばいいでしょ、ってことなのだろうが、あまりにも設定とか話の繋がりが手抜きだと、それも難しくなってくる。危なかったけど助かった、失敗かと思ったらギリギリ成功した、というスカッと感を得るためには、それが成功した理由を説明したり、失敗した時のダメージを少しは見せる必要がある。

次回作が一応計画されてるらしいけど、また敵の基地に都合よくF-14が用意されてるんでしょ、と思ってしまったら面白くなくなる。夜這いの現場を抑えられてもお咎めなしでしょどうせ、となる。何をやっても、なぜかうまくいく主人公。そうなったら無邪気な極楽作品としても成立しなくなるだろう。

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NETFLIX「機動戦士ガンダム 復讐のレクイエム」の感想

2024-10-20 01:25:00 | テレビ・映画
話題のネトフリガンダムを一気見したので感想。ネタバレするので気になる人は見てから来てください。


なんの予備知識もないまま視聴。主人公のイリヤ・ソラリが赤いザクに乗ってる。シャアとジョニー・ライデン以外に赤いのに乗ってた人がいたのか。

ジオン視点だと、ガンダムがいかに恐ろしい兵器だったかというのがよく分かる。イリヤの部下のザクが四機くらいやられる。その復讐を描く話らしい。

イリヤは夫を失くしていて息子が一人いる。顔に傷があってワイルドだが、元バイオリニストだとか。見た目はFFXIVのゴツめ種族ハイランダーみたいだ。他に出てくる女性キャラが全身刺青で鼻輪を付けた人くらいしかおらず、きれいどころとか華が全くないドラマだった。アメリカ人にはあれでも美人なのかもしれんが。

あ、ちなみにこの作品はフルCGである。3DはUnrealエンジンらしい。そのせいか、ゲームの超長いフルボイスムービーって感じ。

やられたザクのパーツをかき集めて二機のザクをでっち上げる。それを指揮をした技師が、ヤクルトのドミンゴ・サンタナに似てる。

途中からジムが登場。カメラアイの造形が良くできてる。ジムの目ってああなってたのね。

敵(連邦)の基地でフィリックスというニュータイプっぽい少年が登場。どうやらアムロ的な人物らしい。つまり、ガンダムのパイロットらしい。ここまで、お馴染みの名前が全く出てこないので、この作品はあのガンダムとは別の世界線なのかと疑う。あるいは、権利関係か何かでアムロらを使えないとか。

後で調べたら、このガンダムはガンダムEXという陸戦型で、アムロのとは別物らしい。バルカン砲が頭じゃなく右肩に付いてたりしたので、変だなとは思ってたのだが。

終盤、ジオン軍がオデッサから宇宙(そら)に撤退しようとする。オデッサ作戦の頃だったのか。ザクとグフは出てくるけど、ドムがいないので、ランバラルの後あたりかなと思ってたよ。

オデッサでHLVの打ち上げまで持ちこたえようとするイリヤの寄せ集めザクとグフ2機。ガンダムのフィリックスと戦いながら会話。やはりイリヤはニュータイプだった。アムロとララァのように、テレパシーで話ができてる。

悪鬼のようなガンダムに殺された部下の復讐をする話だったのに、フィリックスと息子のイメージが重なり、フィリックスもイリヤと母を重ねている? その隙を突いて、グフのヒートサーベルがガンダムの胸を貫通。悲劇的結末。

イリヤはこの後、地球の子供達を救うためにアフリカに行ったとナレーションが。なんでそうなるのか。自分の息子がサイド3にいるんじゃなかったのか。

CGとはいえ、アニメとは異なるリアルなガンダム世界で、そこは良かった。そもそもジオン視点で見るガンダムってのが、いろんな派生作品を見てない僕には新鮮だった。ジオンから見ると、ガンダムが悪魔そのものだというのがよくわかった。

が! バンナムとサンライズが関わってる公式の作品なんだから、アムロのガンダムの噂とか、シャアの動向とか、ザクとは違うグフの強さとか、マ・クベとか話に出てきてもよくない? リアルな絵だとこうなるのか!というのがいいのに、アニメのガンダムとの繋がりが薄いので、やっばり別物か、って残念感も強い。

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映画「犬神家の一族」4Kデジタル修復版の感想

2024-07-04 15:31:00 | テレビ・映画
先日、BS日テレでやってた映画「犬神家の一族」の4Kデジタル修復版を録画して見たので感想。

うちのテレビは今となっては古めの2Kなので4Kの恩恵はなし。そもそも日テレBS4Kじゃないとダメなのかな? よくわからん。CM明けに変なロゴとか入らなかったのは、せっかくの高画質版だから、という配慮かも。右上のBS日テレロゴはあり。

僕はこの映画を十数回見ている。原作も5回は読んでる。無数に作られたテレビ版もほとんど見てるし、一部は当サイトで感想を書いてる。なので今更感はあるのだが、テレビ版が作られるたびに、この作品と比較されるので、せっかく最近放送されたんだから本家?も書いとくか、となったわけである。

▼ミステリーとしては疑問符

どの犬神家でも、佐智の死体処理と佐清(静馬)の逆さ死体理由について、僕は厳しく追求するのだが、本作でも全くできてない。というか、本作がやってないから後続のリメイクでもやってないんじゃないかとさえ思う。

佐清(真)が若林氏殺害の容疑を否定する時、その時僕は博多にいたとアリバイを主張する。が、毒入りタバコを渡すだけという遠隔殺人も可能な手法なので、アリバイの主張自体がナンセンスだし、なんなら犯人の松子夫人も那須にはいなかった(その日の夜中に到着する)。という新たな脚本の問題点に今回気づきました。

静馬は斧(ヨキ)で殺されたとあっさり言われ、ヨキコトキクの呪いということになるが、凶器が斧だと捜査側が判断できるシーンがない…ことにも気づきました。傷跡からかもしれんけど、水に浸かってたんだし、ナタか斧かの区別はつかないんじゃないかと。

他にもたくさんあるけど、久しぶりにWikipediaを見たら、映像化作品が取り入れてない原作のミステリー要素について、うまくまとめてあったので、気になる方はそちらもどうぞ。

の「映像化作品(共通事項)」

▼ルパン三世と同じ音

テーマ曲「愛のバラード」が印象的と評価する人が多い。が、僕はそれより通常BGMやSEの、ルパン三世との類似性を挙げたい。

本作の音楽は大野雄二である。つまり、ルパン三世シリーズ(2期)の音楽を作った人である。本作が1976年で、1979年の「ルパン三世・カリオストロの城」と近いせいか、音が非常に似ている。一部のSE的なものは、同じのを使ってるような気もする。

▼犯人当てではない

原作にはない(たぶん)松子夫人の母親(おソノさん)が、まあまあの頻度で登場する。梅子、竹子には、そのようなバックグラウンドの説明がないので、松子は明らかにもう一人の主人公=犯人扱いである。怪しいお札みたいなのを拝んだり、佐兵衛爺の幻影が見えたりして、殺意や苦悩が見え見えである。

で、佐兵衛の意志(遺志)が殺人に駆り立てたふうな演出が過剰かな。原作はそうでもなかったような。獄門島でも故・嘉兵衛さんの執念が、みたいなのがあるが、あれは原作がそうなので。犬神家に獄門島の要素を無理やり輸入した感じがする。市川崑の趣味なのか。

▼それでも愛される理由

一部のシーンで論理がおかしい、または「無い」など、ミステリとして見るとかなり欠陥の多い作品だが、本作の世間の評価は非常に高い。

子供の頃に見てトラウマになった、と言う人が多い。金田一耕助・横溝正史・市川崑に対して、全国民が抱くイメージを規定した作品だと思う。作者が出演してるので(那須ホテルの主人役)、原作からの改変、改悪も原作者公認と考えることもできる。

あのV字スケキヨやゴムマスクなど、ネタにされる要素が多く含まれているのも特徴。僕も静馬の「俺は…犬神家の一族に…勝ったんだ!」という嗄れ声の勝利宣言が好きで(変な奴)、あのシーンに来ると毎回ニヤニヤしてしまう。

色々弱点はあるものの、それらが愉快なツッコミどころに昇華している。それでいて、映像美は今でも邦画の最高峰(チープな生首などは除く)。総合的に見て、時代を超えて愛される、繰り返しの鑑賞に耐えうる不朽の名作なんだと思う。


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Netflixの実写阪「カウボーイビバップ」第1話の感想

2024-05-12 16:49:00 | テレビ・映画
子供たちが加入しているNetflixに便乗して「カウボーイビバップ」の実写版第1話を見たので感想。

僕は元々アニメ版が好きで、軽く10周は見てる(全26話)。劇場版は映画館に見に行ったし、DVDとサントラも買った。実写版のことは制作発表の段階から気になってはいたが、当時はネトフリ入ってなかったので存在を忘れてた。

これも知らなかったのだが、この実写版は10話で速攻打ち切りになったらしい。第1話は、そんなに悪かったのか?という視点から見ることになった。

まず、作品について簡単に説明すると、人類が地球を出て太陽系全体で暮らすようになった近未来が舞台。主人公スパイクとジェットは、警察が追い切れない犯罪者を捕まえるのが仕事のカウボーイ(賞金稼ぎ)。二人とも訳ありの過去を持ってて、途中からフェイという女賞金稼ぎと犬のアイン、天才少女ハッカーのエドが加わる。

実写版第1話は、アバンタイトルでカジノを襲った強盗団を捕縛・・・しようとしてカジノをめちゃくちゃに破壊。主犯格だけ捕まえてカジノの修理代もとられてほとんど稼ぎなし。まあ、ビバップではありがちな話。

テーマ曲「TANK!」が流れ、原作のOP映像を実写に置き換えた(一部違う)のが流れる。原作を見てれば分かる各シーンとキャラクターが出てきて、この映像だけで総集編というか、実写版はこんな感じなのね、というのを把握できる。教会でビシャスと一騎討ちするやつはやるのね、とか。

本編は「カウボーイ・ゴスペル」となってるが、内容は原作第1話の「アステロイド・ブルース」だった。僕が好きなエピソードの一つだ。原作とはまたちょっと違うエウロパの空気感(アメリカ南部っぽい)が好きだな。

アシモフと彼女、3人のじいさんの再現度が高い。が、レッドアイ(目薬タイプの麻薬)の効能が異常な動体視力ではなく、単に肉体強靱化になってるのが謎。レッドアイのおかげでかなり強いはずのアシモフが、ややしょぼい。

各シーンのシチュエーションは半分くらい変えてあるが、大筋は一緒で最後は火星に逃げようとした二人がISSP(警察)に銃撃されて死亡。SEE YOU NEXT COWBOY...で次回へ。

・・・・・

やっぱり、アメリカ人がアニメを実写化するとこうなるんだな、という典型的なパターンかと。過度に再現しようとして、しかもアメリカ的な解釈が入る。全体的にキャラの造形が濃いんだよね。

スパイクはイメージ通りではあるが、もうちょっとハンサムで若々しくてもいいんじゃないか?

ジェットは悪いけど見た目汚すぎかなあ。バツイチ?で娘がいるのもどうなのか。昔の女と再会する「ガニメデ慕情」とか、やりにくいじゃん。

第1話からフェイが登場するが、これが一番違うかな。もっと普通に美人のはずだが。アメリカ人て時々いい女の解釈間違うよね。最初のスパイダーマンのMJとか。

ビシャスがなー。言いたいことは分かるけど、もっと細くて顔小さいが方が良い。顔でかすぎだわ。


スパイクがいいことを言った

とまあ、文句がないわけじゃないが、1ヶ月で打ち切りにするほど悪くはないと思う。でもそれは僕が原作を知り尽くしているから、実写で見ることに意義を見い出せてるからであって、原作未見の人にとっては、どこまでコミカルで、どこがシリアスなのかわかりにくい作品なのかなあと。

ネトフリは、家族が見まくってて僕が見られる機会は少ないのだが、隙を見て最後(10話)まで視聴したいと思う。


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