オッズバランス編。
寸評。
神戸新聞杯組から。
1着ゴールドシップ。
皐月賞は馬場適性とコース取りの差で勝った意味合いは強い。
逆にダービーは置かれ過ぎて位置取りの差で脚を余した形で5着に終わった。
皐月賞とダービーでは運、不運、乗り方の巧拙...とにかく明暗を分けた。
いえることは、これまで一度も凡走はしたことはなく、ライバルたちと善戦以上の結果を示している。
世代トップレベルの1頭である事は間違いない。
神戸新聞杯も調教で順調度を少し欠いた部分があったが、能力の違いで圧勝した。
今回の方が状態は上がってくるだろうし、あまり反応の良い馬でないところも、
距離延長に対応できる印象がある。
父ステイゴールドx母父マックイーンはオルフェーヴルと同じ今や黄金配合。
能力を出し切れば勝ち負けできる力はある。
敢えて挙げれば...。
前走は万全な状態でなかった中では余りにも走りすぎた部分がある。
反動は?
もう一つは反応が良くない分で、あまり置かれるような展開だと、脚を余す危険はある。
前走やあるいは皐月賞のようにある程度後方待機からロングスパートを仕掛けて、
長く良い脚を発揮するレースになるだろうが、今回は3000m。
もしかすると最後で止まる危険も。
バテないタイプだが、逆に反応が良くない点が弱点になる可能性はある。
おそらくオッズは1強の図式だろうから、扱いは慎重になる必要はある。
特に1着馬券を選ぶ場合。
あくまで連軸ならばの軸有力と考えたい。
2着ロードアクレイム。
良血開花の1戦となった。
3,4角を上がってくる時の手応えでは前を行くゴールドシップよりも上。
直線を向いてエンジンが掛かってからのゴールドシップの破壊力に屈する形になったが、
良く伸びているし、あまり切れすぎる脚がないのも如何にも菊花賞向きな脚の使い方だったと思う。
父は今や最強種牡馬ディープインパクト。
母はオークス馬レディパステル。
その母系にはトニービン、ブラッシンググルームの血が菊花賞、天皇賞・春などで活躍する
まさに長距離でこそ力を発揮出来そうな母系。
前走で2着になってしまってのこの血統だから、今回はある程度人気になるかもしれないのが残念だが、
有力候補の1頭と考えたい。
3着マウントシャスタ。
敢えて言えば、位置取りが中途半端になって直線狭いうちを付く形になり、
スムーズさを欠いた部分もあった。
しかし、この馬の場合はゴールドシップとは逆に順調な仕上がりと言われていた。
だからこそ(そこに宝塚記念の善戦も加わって)直前まで1番人気はこの馬だった。
そんな状態の差があってゴールドシップに完敗はつらい。
これまでの結果から重い馬場でタフなレースになった方が良いタイプであるが、
距離が伸びて良いというタイプにも思えない。
そもそもG1級の底力に疑問を感じるタイプでもある。
調教師はワールドエースと遜色ない能力の持ち主といっているようだが。。。
人気ならば不要。人気がないならば抑えても良いか?くらいで十分だろう。
4着ユウキソルジャー。
完敗の4着。
重賞級の実力ではないし、言ってしまえば走るのが速くないということ。
望みは父トーセンダンスが菊花賞血統の代表格の1つ、ダンスインザダークの全弟であること。
距離延長で走るのが遅い分をカバーしてくれる可能性がある。
ただ、あまりにもこれまでの実績が物足りなさ過ぎる。
6着ミルドリーム。
これまでオープンクラスのレースではせいぜい善戦止まり。
G1では格下。
8着ベールドインパクト。
前走は見せ場なく終わったが、状態の問題もあっただろうし、多少、前に行き過ぎた部分もある。
皐月賞7着、ダービー9着だが、各々0.8秒、0.6秒差。
大きく負けているわけではないし、共に差し込んで来てのもの。
ダービーで先着を許した馬のうち、2,3,4着馬は今回いないし、1着ディープブリランテ、
6着コスモオオゾラ、7着トリップは今回休み明けで状態に不安がある。
順調にここに進めているのは、ゴールドシップとエタンダールだけ。
ゴールドシップとの実力差は認めたとして、エタンダールとは少なくとも遜色はないから、
ダービー並みに走れば、今回、上位に来る可能性は十分にある。
前走の惨敗で人気暴落は必至だろうから、妙味も期待できる。
セントライト記念組。
2着スカイディグニティ。
まさかの劇走だった。
このレースだけで言えば、高速馬場とは言えタイムも出ているし、勝ったフェノーメノに
最後は詰め寄る勢いから価値はあるとも言える。
ただ、嵌りすぎの感があったのも事実で、あとは兄に同じくセントライト記念2着のゴールデンダリア。
コース適正がある血統であり、またトライアルホース血統でもある。
フェノーメノが居ない今回だから、トライアル最先着馬として威張れる立場ではあるが、
G1では微妙な感じが強い。
ただ鞍上がメンディザバルになることは警戒が必要。
去年初の短期免許取得。
まだ日本での実績はそれほどではないが、馬を持ってくる力は相当なものがある。
2年目の今回は菊花賞に限らず警戒しないといけない。
(大活躍もあるので味方にしたい騎手)
3着ダノンジェラード。
底を見せていない勢いは本物。
権利獲りの意味もあったから、ある程度、早めに動いていっての3着。
上々の内容だろう。
特に今回居ない勝ったフェノーメノを除けば、ある意味、一番強いレースをしている。
今回はさらに相手は強くなるし、距離が伸びての一線。
どこまでやれるかは不安の部分もあるから、一長一短。
人気になるようならば軽視か。
4着エタンダール。
このレースに限れば、メンバー的に見て、ある程度は前に付けてレースをすると思ったら、後方待機策。
これまでのこの馬の勝ち負けのパターンから言えば後ろ過ぎで、捲くり気味に上がってきたが、
ある意味当然の負け。
逆に言えば力を出し切っていない意味はあるから、あくまでトライアルとしてみれば悪くない内容要だろう。
ベールドインパクトのときに触れたようにダービー組では順調に来ている馬の1頭。
距離の融通は利く印象もあるし、前走の負けで人気にはならないはず。
期待できる部分はある。
5着ラニカイツヨシ。
後方から良い脚を使ってきたが、位置取り的に勝負にはならなかった。
そういう脚質だから、展開が嵌らないと今回も最後に良い脚を使っても勝ち負けは厳しいだろう。
9着ニューダイナスティ。
オープンクラスでは通用していない実績から苦戦必至。
あとは展開を握る可能性があるから、どういう展開に持ち込むのかは注目。
その他。
ディープブリランテ。
ダービーは結果的にスパートのタイミングが絶妙。
さらに最後は馬の脚は完全に止まっていたが、岩田がアクションで持たせてしまった感じ。
勝利に繋がった。
この馬は完璧。力を出し切った。
逆に2着のフェノーメノや後方で置かれすぎたワールドエース、ゴールドシップなど、
脚を余した部分があったような内容。
ダービーを制して世代の頂点の称号は得たが、能力的に1番強いと言えるものはない。
あくまで力関係は現時点では上位の1頭に過ぎない。
そんな力関係の状況で、海外遠征しての惨敗。
相手が強すぎたとか馬場が合わなかったとか諸々敗因はあるだろうが、
負けすぎてしまったのは、馬の精神的なダメージがありそうな負け方。
そして海外遠征を使った影響で今回はトライアルは使えずに挑むことになるのも大きなマイナス材料。
調教師は海外遠征から菊花賞は予定通りだから、何も問題ないとコメントしているようだが。。。
秋当初は菊花賞は使うか微妙という噂もあったし、こんなコメントは信用できない。
休み明けで臨むのがプラスになるはずはないし、ダービー馬が使う以上、調子が悪いとは言えない。
春時点のライバルが多数居ない今回はゴールドシップを除けば格上の立場だろうから、
能力で通用してしまう可能性も否定できないが、逆にあっけなく潰れる危険はそれ以上にあるかもしれない。
休み明けで来た馬は近年ないわけだし、それでもダービー馬だからある程度の人気にはなるだろう。
陣営が強気のコメントだから2番人気か?
基本的には軽視したい馬だろう。
出来れば人気を背負ったカモになってほしい...と馬券的に大きなポイントの一つだろう。
コスモオオゾラ。
皐月賞4着、ダービー6着。
思われた以上に実力のある馬。
しかしダービーで両前脚を骨折。
軽症であったようだから、何とか間に合ったが、まさに何とかだろう。
ディープブリランテ同様に間隔が開いた休み明け。
今回は軽視で良いだろう。
フェデラルホール。
新勢力では筆頭格か?
特に人気面ではそうだろう。
3番人気、あるいは2番人気もありえるのではないだろうか?
3連勝中。
前走の九十九里特別からの参戦にはデルタブルースが菊花賞を勝っている。
ついでに父ステイゴールドも加えて、人気になりそうな条件が揃っている。
たしかにオープンクラスの実力はあるかもしれない。
しかし、勝ちタイムや上がりの脚の切れなど、物足りないものも。
3000mの菊花賞だからこれまでの内容が必ずしも繋がらない部分はあるが、
個人的にはG1級とは思えない。
タガノビッグバン。
同じく3連勝中。
しかしフェデラルホールとの比較ではあまり人気にはならないか?
しかし、前走の長距離戦の兵庫特別は軽ハンデではあったが完勝だった。
先行型の脚質も伏兵としては良い。
距離伸びて台頭してきたように距離には比較的不安のないタイプ。
母父リアルシャダイと菊花賞に強い血統である。
トニービン、ダンスインザダーク、リアルシャダイ。
この3頭の血は菊花賞では無視できない。
この中では最近はトニービンの血が1番好調で、誰もが注目しやすいところだけに、
リアルシャダイの血は盲点にもなりやすい。