功山寺決起

青山繁晴事務所から自由民主党の党員になりました。(2020年)

この皇位継承まんがの『誰があなたを護るのか 不安の時代の皇(すめらぎ)』(2022/09/04)

2022-09-04 19:23:18 | On the Road
▼日本の国会議員の新しい生き方を追究する議員集団、護る会 ( 日本の尊厳と国益を護る会 ) の第一の柱が「皇位継承の父系一系による安定」です。

 敗戦後の日本の77年間において、天皇陛下はなぜいらっしゃるのかという日本の根幹は、学校で教えられていません。
 教わったことが無いという点では、わたしを含む国会議員も、主権者・国民のみなさんもまったく同じです。
 また、皇位継承とは「陛下のご存在をこれからも永く護り抜く」という意味ですが、これがどうあるべきかも、同じくまったく教えられていません。

 この現状を放置したままでは、護る会が「日本人が二千年を超えて、賢く維持してきた父系一系による皇位継承を、これからも護持すべきです」と時の総理や政府に訴えて、たとえ成果をあげても、主権者・国民のみなさんに広く理解されるという肝心要のことが、弱いままでしょう。

まだ息絶えずに読まれています  日本の根源である天皇陛下のご存在を、これからも護るためにこそ

まだ息絶えずに読まれています  日本の根源である天皇陛下のご存在を、これからも護るためにこそ

青山繁晴の道すがらエッセイ/On the Road

青山繁晴の道すがらエッセイ/On the Road

▼そこで、不肖わたしは護る会に、代表としてと言うよりは作家を兼ねる国会議員として、以下を提案しました。「天皇陛下のご存在の根源的な意義や、これからの皇位継承のあり方をめぐる王道について、分かり易いマンガにして、国民に問うべきではないでしょうか。もしも護る会で合意が成れば、わたしがマンガの原作を書きます」。
 この提案です。

 これは、護る会の執行部会、それから総会において諒承されました。
 よし、やるぞと、まずマンガの原作の執筆にとりかかったのですが、これが想像を絶するほどに難航しました。

▼作家としてのキャリアのなかで、マンガの原作を書いたことは一度もありませんでした。
 安全保障の専門家としては、かわぐちかいじさんのマンガ制作に協力したことはあります。しかしそれはあくまで情報や知識、考え方の提供です。
 そこで、マンガに詳しい専門家2人に来ていただいて、とても参考になることを教えていただきました。たとえば「マンガにおいては、時間の進み方が、文字の本とまったく違う。飛躍があって良いし、なければ冗長になってしまう」といった趣旨のアドバイスです。
 とても感謝しています。


▼しかし、そのあと実際に原作を書いていくのは、簡単ではありません。
 まず、みなさんが想像されるとおり、絶対的に時間がありませんね。早朝から夜まで公務です。深夜から未明だけが、自由になる時間ですが、本来の原稿執筆、あるいは会員制レポートの東京コンフィデンシャル・レポート(TCR)の執筆があります。
 いったいどこに、マンガの原作の執筆時間をつくるのか。
 すべて同時並進の仕事のなかで、細切れに書くほかありません。

 そして前述のアドバイスはあっても、執筆そのものは1人でやるほかありませんから、登場人物のキャラクター、プロット ( 筋 ) を熟成させるのに時間を要しました。
 さらに歴史的事実の確認を、国立国会図書館で原資料にもあたりながら、進めていきました。
 護る会の山田宏幹事長が「大丈夫ですか」と心配なさるぐらい時間が掛かり、結局、2年越しの作業となりました。



 今、自分の原稿を確認すると、令和2年、西暦2020年の5月11日の早朝に、原作の初稿を脱稿して編集者に送稿しています。
 当時のわたしは公務で何をしていたかを、すこし調べてみました。
 写真は、その頃の公務の一幕 ( ひとまく ) です。総理官邸にて、岡田直樹官房副長官に、護る会代表として安倍総理 ( いずれも当時 ) 宛ての提言書を手渡しています。
 提言は、「尖閣諸島を守るわが国の積極的行動を求める緊急提案」です。

▼しかし、この原作をマンガ本の発刊に繋げるための作業は、それからが、もっともっと大変になりました。
 まず原作そのものの改稿を重ね、完成度を高めます。
 それがやっと納得のいくところまで達すると、その原作の文章をまんがのコマ割りに落とし込むシナリオの制作、それからマンガだけでは無く、皇學館大学の新田均教授と連携したファクトチェック、編集部と連携した大部の解説文の作成など、いくらやっても尽きることが無い、終わることが無いように思えるほどの膨大な作業が待っていました。

 そして実は、弘兼憲史さんのプロダクションの手になる漫画制作の実現も、簡単ではなかったのです。
 この皇位継承マンガには、どんな絵が必要か、それについては確信がありました。
 弘兼さんの明晰な線、それから澄んでいるのに何とも言えない現実的な妙味のある登場人物の表情、動作が不可欠だと原作者として考えていました。
 しかし超のつく売れっ子の弘兼さんに引き受けてもらうのは、当然ながら、簡単ではなく、最後には編集者の努力で弘兼さんとわたしが直接お会いすることが叶い、直接の交渉で、ついに引き受けていただきました。

 やがて出来上がってきたマンガ原稿は、期待以上の素晴らしさでした。
 こうして揃ってきた原稿に、護る会が皇位継承をめぐって総理らに提言した提言書などを添えて、ついに発刊となったのが、昨年の6月のことでした。


▼その後、皇位継承についての護る会の提言は、現在の岸田内閣の「有識者会議の報告」にほぼ、そのまま盛り込まれました。
 この皇位継承まんがの『誰があなたを護るのか 不安の時代の皇(すめらぎ)』(扶桑社)が世論形成に果たした役割も、ささやかなりにはあるのではないかと考えています。

▼しかしまだ、あくまで有識者会議の報告に留まっていて、政府の方針として定着させるのは、むしろこれからの坂道こそが勝負です。
 そのなかで、ひさしぶりに増刷が決まりました。
 あっという間に、新刊本が消化され、見向きもされなくなる時代に、発刊から1年と3か月を経てなお、増刷されるのは稀なことです。
 主権者・国民のみなさんの支えのおかげです。

 みなさんが皇位継承をめぐる、知られざる真実を知ることが、ほんとうに必要です。
 できれば、読んでいただけないでしょうか。
 できれば、周りのみなさんに話していただけないでしょうか。
 できれば、子供たちに奨めていただけないでしょうか。
 たとえば、ここです。

★それにしても、ファクトチェックにおける新田先生の誠実なご努力は最高最善でした。
 あらためて、敬意と感謝を申しあげます。




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青山さん、行ってみて蓋を開けさせたら空だった(2022/08/23)

2022-09-04 09:40:50 | ニッポン放送

ミサイルを収容できない日本のイージス艦の現実

ミサイルを収容できない日本のイージス艦の現実

作家で自由民主党・参議院議員の青山繫晴が8月23日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。過去最大となる防衛費の概算要求について解説した。 防衛費、過去最大...

ニッポン放送 NEWS ONLINE

防衛費、過去最大の概算要求

防衛省が財務省に対して2023年度の予算要求をする概算要求額が判明した。5兆5947億円で、2021年度の5兆4898億円を上回って過去最大となる。防衛力を抜本的に強化するため、敵の射程圏外から攻撃する「スタンドオフ防衛能力」の強化や、ドローンなど「無人化装備」の充実などが大きな柱となる。また具体的な金額を示さない事項要求分は年末の予算編成までに検討し、最終的な防衛予算が決定する。

飯田)過去最大ということが、8月23日の朝刊の見出しに出ています。

青山)過去最大はおっしゃる通りなのですが、元が少なすぎて弾もない、どんなに暑くてもクーラーも付けられないというのが現実です。昔から自衛官は名刺を自分でつくっていましたけれども、自分でどうにかできる範囲を超えて、お金が長年、足りなかったわけです。「アメリカに守ってもらうからいいや」という話になっていました。

「過去最大の防衛費」と言ってもそれまでが少なすぎただけ

青山)それをまともな形にしなくてはならない。少なくとも自国を自国で守るということをしないと、アメリカと対等な話もできません。中国やロシアに対する抑止力にもならないということです。「過去最大」とメディアが言うのはわからなくはないけれども、少なすぎたものに対して過去最大と言っても意味がありません。

飯田)少なすぎたものに対して。

青山)ただし、概算要求について防衛省から説明に来られます。政(まつりごと)の世界は面白くて、私は政府に入るのは全部お断りしているし、国防部会でも私は役員ではありません。国防部会の平場で自由に発言していると、「この人は厄介な人だ」と思われているのか、民間時代から防衛省のことはよく知っていますけれども、頼んでいないのに概算要求をきちんと説明に来られるのです。

防衛省・自衛隊は防衛費を倍以上にすることへの「理念と現実」を持たなければならない ~ミサイルを収容していないイージス艦

青山)その努力をありがたいと思いつつも、私が防衛省・自衛隊にいま申し上げているのは、防衛省・自衛隊が「なぜ防衛費を最終的には倍以上にしなければいけないのか」ということを自分で説明する以前に、「自分の理念」を持たなければいけないということです。

飯田)自分の理念を。

青山)そもそも自分が「必要だ」と思っていなくてはいけないのです。その必要性ですが、弾がない問題……弾がないということをもっとシビアに言うと、イージス艦はVLSと言われる形で、縦にミサイルを収容しています。

飯田)垂直に撃てる。

青山)V(vertical)ですから、垂直という意味です。甲板を見ると蓋があるだけですが、なかにミサイルが入っていて、すごい戦力なのだと思うでしょう。しかし、蓋を開けたら空だということがあるわけです。

飯田)空?

青山)名前と役職は伏せますが、ある政府高官の方が、いきなり私に「青山さん、行ってみて蓋を開けさせたら空だった」と大声で笑うのです。「どうして笑うのですか?」と聞くと、「これはもう笑うしかないですよ」と言っていました。

飯田)笑うしかない。

青山)陸上自衛隊の演習で、弾がないから実弾を使えない。実弾に慣れていないということは前から知っていたけれども、例えば海に浮かんでいるイージスを見たら、強そうで「大丈夫だろう」と思っていたのに、蓋を開けたら空だったということです。本当に大声で笑うわけです。

飯田)なるほど。

青山)大きな意味では分野に入っていますが、分野の違う政府高官にそういうことを気付かせる前に、防衛省・自衛隊が国民に対してはっきり言うべきです。

飯田)国民に対して。

青山)どうして弾を持たなくてはいけないのか。普段、実弾演習をまったくせず、イージス艦もミサイルを発射できなくて、「いざというときに守れるのか」ということです。それを中国もロシアも北朝鮮も見抜いているのです。

飯田)見抜かれている。

青山)一見、無駄なように見えるかも知れませんが、子どもの幸せを守り、家族を守り、日本の未来を守るためには普段から実弾で演習し、「本当に備えているのだ」ということを見せる必要があるのです。それに加えて日本は宇宙、サイバー方面が極めて弱い。中国は発達しているから、それに備えなくてはいけないということを理念として、あるいは現実の改革として、防衛省・自衛隊が自覚して初めて説明できるのです。

飯田)現実の改革として。

青山)概算要求の中身を見ていると、それが足りていません。事項要求の話が出ていますが、金額を詰めない要求というものを、私はあまり認めていません。いまのところ検討中だというのは、その通りなのです。ただし、それがつじつま合わせのお金になるのではなく、防衛省・自衛隊として現場でまず、「理念と現実」の両方を自分で持っていなくてはいけない。残念ながら、いまはそれがないのです。



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ずばり核危機です。(2022/08/23)

2022-09-04 09:02:28 | ニッポン放送

再び懸念される「核危機」 ウクライナへの軍事侵攻から間もなく半年

再び懸念される「核危機」 ウクライナへの軍事侵攻から間もなく半年

作家で自由民主党・参議院議員の青山繫晴が8月23日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。ウクライナ情勢について解説した。 ロシアの軍事侵攻から半年 ロシアの...

ニッポン放送 NEWS ONLINE

ロシアの軍事侵攻から半年

ロシアの侵攻開始から8月24日で半年が経過する。24日の独立記念日を前に、ウクライナの首都・キーウの大通りでは、侵攻に使われたロシアの戦闘車両が展示されている。

飯田)ウクライナ侵略から8月24日で半年となります。今後、ロシアがどういうことをやってくるのか。

青山)ずばり核危機です。戦線は膠着状態になっていて、ロシアは戦況を打開する見通しが立っていない。核危機は前にプーチン大統領が使うと言っていたときよりも、いまの方が深刻です。当然ですが、やると言っているときはやらないのです。

飯田)むしろ、みんながやらないだろうと思っているときに。

青山)見つけにくい核魚雷の使用も懸念されています。

飯田)黒海で使われるのですか?

青山)違います。例えば極端なことを言うと、横須賀港に1発撃ち込まれてアメリカの第7艦隊がそこにいれば、海上自衛隊の艦隊と一緒に壊滅できるのです。

飯田)なるほど。



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自衛隊には軍法会議がない(2022/08/23)

2022-09-04 06:44:23 | ニッポン放送

“リモート公務”の今こそ、岸田総理は「内閣改造人事の意図」を国民に説明するべき 青山繁晴議員が指摘

“リモート公務”の今こそ、岸田総理は「内閣改造人事の意図」を国民に説明するべき 青山繁晴議員が指摘

作家で自由民主党・参議院議員の青山繫晴が8月23日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。新型コロナウイルスに感染し、リモート公務を開始した岸田総理について...

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岸田総理は人と会わない分、オンラインで国民に改造人事について話すべき ~なぜ今回の人事になったのか

青山)新型コロナに感染され、オンラインで公務を岸田総理らしく真面目に務めているわけですけれども、総理大臣は通常、人と会うのに時間を多く使うのです。「首相動静」をご覧になればわかると思います。人に会っているだけでなく、電話での対応もあります。特に水面下の動きでは電話が多いから、とても忙しいわけです。

飯田)お忙しいですよね。

青山)それがいま感染のために要件を絞り、そぎ落とせるわけです。しかもオンラインで主権者、国民に語りかけることができます。いまこそ改造の意味、「何をやろうとしてこういう人事になったのか」ということをおっしゃるべきだと思います。

飯田)感染なさったからこそ。

青山)自由民主党も岸田総理も、もっとありのままに事実を見るべきだと思うのです。参議院選挙の公約で防衛費について、史上初めて「GDP比2%を念頭に」という、中途半端な書き方ですけれども、一応は「10兆円超え」という方針を示した。いつまでにやるとは書いていなくても、とにかく画期的なことは書いたわけです。

なぜ浜田防衛大臣になったのか、その人事の意図を国民に説明するべき

青山)その意見のなかに安倍元総理の考え方が入っているということは、隠れもない事実ではないですか。その安倍元総理が暗殺されました。それを踏まえながら改造して、そのときの防衛大臣人事はこういう意図だということを説明すべきです。浜田靖一防衛大臣自身がいろいろな考えを打ち出していかれるでしょうが、任命権者は総理です。内閣改造は衆議院解散と同じように総理の大権なのです。総理にしかできません。

飯田)内閣改造は。

青山)例えばの話ですけれども、防衛費を参院選の公約通りに2%超えにしていくのか。そのための防衛大臣人事なのか。浜田さんがいままで示された見解について、私にたくさん問い合わせがくるわけです。

飯田)青山さんのところに。

青山)「やる気がない人を就けたのではないか」という問い合わせがきます。私は必ずしもそうは思っていません。ただし、私の意見は浜田さんとは違います。私の方がはるかに積極的です。宇宙、サイバー、それから足元の弾がないとか、自衛官の給料や生活環境に至るまでを考えると、10兆円では足りません。いままでが異常に少ないのです。

内閣改造の評判が悪いのはみんなが理解できないから ~改造の中身を国民に説明するべき

青山)違うなら違うで、まずは総理が最後の目標をどこに置いているのかということです。内閣改造だから日本の習慣として、「1年経ったらまた変えるのだ」という話ではなく、「中長期的にこういうことを考えているから、こういう布陣にした」という理由を言うべきです。財務大臣の留任もそうですし、外務大臣の留任もそうです。

飯田)中長期的な考えを。

青山)今回の改造がこれだけ評判が悪いのは、みんなが理解できないからです。感染してしまったのは総理の健康にとっても大変なことですし、私は海外から問い合わせもいただいています。オンラインでお姿を拝見すると、直接確認はしていないけれども、おそらく軽症でいらっしゃる。そぎ落とせるという状況を活用して、いままでやっていない国民への説明をなさるべきだと思います。

飯田)人と会うことが少なくなる分、国民への説明を。

青山)旧統一教会の問題だけが目立っているけれども、それだけではなく、改造の中身自体に不信感があるということをもっと謙虚に、私を含めた自由民主党も考えるべきだと思います。


「新しい資本主義」「所得倍増」はどこへ行った

飯田)衆院選と参院選があり、選挙を2度経て、いよいよ岸田さんが自分でハンドリングできるというタイミングになり、「何を打ち出すのだろう」と思ったときに改造が行われた。例えば「新しい資本主義」が見えてこないというように皆さんおっしゃいます。

青山)「新しい資本主義」は、スローガンとしてもあまり言わなくなってしまいました。もともと岸田総理はこういうことが多すぎます。スローガンを1度おっしゃったら、裏打ちして実現させていかなければならないのに、「スッ」と消えていく。所得倍増もそうでしょう。

飯田)そうですね。

青山)一般国民がそんなにたくさん投資できるのでしょうか。皆さん忙しいし、原資もありません。所得倍増と、投資したときの利益が倍増するというのは、話が全然違うではないですか。

飯田)所得倍増と言われれば、やはり給料が上がるというように誰しも思います。

改造の意図については総理自身がその意図を説明するべき

青山)総理の言葉は本当に重いので、次から次へと新しいスローガンを言って、前のものが消えていくような印象が改造にも乗っかっている。防衛費についても、前に参院選の公約に盛り込んだことは、総裁としてOKされているわけですから。

飯田)総裁として。

青山)それもどこかに消えてしまうのではないかと、疑う方が普通ですよ。ネットの時代がどうとか、そんなことではありません。私は説明責任という言葉をあまり使いません。説明すればいいというものではないのです。

飯田)説明すればいいということではない。

青山)何かあると「説明すべきだ」と言うでしょう。まるで悪いことをしていても、うまく説明して言い逃れできればいいように聞こえるのです。だから説明すればいいということではなく、少なくとも改造の意図について、特に主要閣僚の人事については総理自らが説明すべきです。いままで他の総理がそういうことをしていなくても、安倍元総理を含めてしていなくても、やるべきです。そのタイミングだと思います。

新たな論争を呼んでも自身の意図を説明するべき

飯田)各紙世論調査などが毎週のように出てきますが、一部新聞などでは支持率が相当下がったのではないかと言われています。旧統一教会問題ばかりがクローズアップされますけれども、それだけではなく、全体として「何かよくわからない」という空気があるわけですか?

青山)岸田総理には「論争を呼ばない総理」として消極的支持があります。私はアメリカ国務省のチーフに聞かれたくらいです。「なぜこんなに支持が高いのか」と聞かれて、「彼は論争的ではないから」と答えました。そうすると、膝を打つようにわかるわけです。アメリカは論争ばかりで、トランプさんの出現も含めてみんな疲れ果てているから。「そうか。論争を呼ばない。なるほどね」と言っていました。

飯田)論争を呼ばないから。

青山)でも、それは短期間しか続きません。論争を避ける姿勢で解決できるような課題ではないでしょう。日本はロシア、中国、北朝鮮という独裁国家に直面しているわけです。そしてウクライナ戦争や台湾危機という動きがあるのです。「論争を呼ばない穏やかな人」だということならば、それを土台にして、「実はこういうことを考えている」と、新たな論争を呼んでも対応すべき時期なのです。その時期を見誤っていると私は思います。

自衛隊に軍法会議がない

飯田)ロシアによるウクライナ侵略などもあり、「日本をどう守るか」ということに関心が高まっていると思います。

青山)そうなのですよ。ウクライナについても、いままでは西側諸国についていっただけですよね。

飯田)制裁など。

青山)総理はNATO首脳会合にも初めて出席されましたが、あのあとの反応も外務省と私では見解が違っていて、私の個人ルートでは「結局何をしに来たのだ」という声があるのです。「同調するだけなのか、日本はロシアの隣国ではないのか」という。海外は自衛隊を軍隊と見ていますけれども、実態として軍法会議がないと言うと、みんなの顔色が変わるわけです。

飯田)自衛隊には軍法会議がないと言うと。

青山)軍法会議がないということは、もしも自衛隊の正当な活動で人が死んだときにどうなるのか。これは刑法や刑事訴訟の話になってしまうのです。「防衛出動を閣議決定したら万能だ」と防衛官僚の優秀な人は言うけれども、私はそうは思いません。そういう根幹のことも含めて、国民にまず理解してもらわなくてはいけない。それが民主主義なのです。中国や北朝鮮とはそこが違います。感染されて、オンラインで国民に語りかける時間ができたはずですので、それを活用するべきだと思います。




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