ワシントンで行われるイスラエルとUAEの署名式
8月にアメリカの仲介のもとで国交正常化に合意した、イスラエルとアラブ首長国連邦(UAE)による合意文書の署名式が9月15日、アメリカの首都ワシントンで行われることがわかった。式典にはイスラエルのネタニヤフ首相、UAEのアブドラ外相、アメリカのトランプ大統領が出席する。
飯田)イスラエルとアラブ諸国というと、エジプトとヨルダンの2ヵ国で国交が結ばれています。ヨルダン以来、26年ぶりだということです。
青山)これはすごいことです。下世話な話をしてしまいますが、功労者はクシュナーさんということになっているでしょう。
飯田)トランプさんの娘婿の。
イスラム教の根幹にまで行く、画期的なイスラエルとUAEの国交正常化
青山)お嬢さんのイヴァンカさんという、とても目立つ方のご主人で、ユダヤ教の信徒です。いままではまったく評価されていませんでした。「背が高いだけで何も取り柄がない」というようなことを言った、政権内部の国務省の人もいました。それが、ユダヤ教を信じるという自分のルーツも生かして、ここまで漕ぎ着けた。クシュナーさんだけでできた話ではもちろんないのですが、四半世紀動かなかったことを動かした。当然、パレスチナ側は大ショックです。イスラエルとパレスチナとアラブ諸国とは、私も民間のころから付き合いが深いですが、これほどのことを大統領選挙の直前にできるとは誰も思っていませんでした。UAEは日本でも知られるようになったと思いますが、意外に経済力があるので、影響もあるのです。イスラム教のなかでもイランはシーア派で、サウジをはじめとする他の多数はスンニ派という、昔からある対立が、アメリカとイランの対立のために起き上がっているのです。UAEは狭いペルシャ湾を挟んでイランと向かい合っていますから、イスラエルと手を組まざるを得なかったということは、地政学的に見れば、しっかりとした話なのです。ただ何となく、タイミングを見て結びついたというものではなくて、根深いものですから、イスラム教の根幹にまで行く話でしょう。一時的な話ではないのです。