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この楽しい絵画の制作時期は江戸時代前期と自分に都合のいいように解釈しているのですが、図柄がとても瀟酒でかつ斬新なデザイン感覚に溢れている作品です。おそらく風俗屏風の一コマのような気がします。左上の白抜きの菱形の暖簾がとてもおしゃれです。右側の伊勢エビの暖簾も縁起がいいな、と思います。左手で女性が暖簾に手をかけている構図は棟方志功の版画と似ていてちょっと笑えます。前景に見える男女は頭に榊かなにかをつけて意味深な会話をしています。左側の女性は口元を多分赤い綿布で覆っていて右手に大きな扇子をかざしています。対する男の方はずた袋を左肩にかけているのですが、中に何が入っているのですかね。とても興味深いです。時代考証に詳しい方がいたら是非ご一報ご指導ください。江戸時代前期は裸足で歩いてもガラスの破片も金属片もほとんどない安全な道路だったのでしょうかね。とても面白い構図なので、ついつい陶芸家の林みちよさんからわけていただくことになりました。最近お気に入りの江戸の風俗画です。価格は数万円。江戸時代のコンテンポラリーアートです。かなり楽しめます。