大川原有重 春夏秋冬

人は泣きながら生まれ幸せになる為に人間関係の修行をする。様々な思い出、経験、感動をスーツケースに入れ旅立つんだね

国立新美術館『陰影礼讃』オープニングレセプション

2010-09-07 19:26:00 | 美術
今日は、国立新美術館で開催される『陰影礼讃―国立美術館コレクションにる』のオープニングレセプションに出席してきました。少し遅れて行ったのですが、じっくりと展覧会場を観て廻ることができました。
特に印象的だったのは、マルセル・デュシャンの展示空間と、高松次郎の巨大な『影』というタイトルの作品です。『影』は東京ではじめての公開で一見の価値があります。また、甲斐庄楠音の『幻覚』というタイトルの作品は、異様な形相と眼差しに不思議な魅力を感じます。
浅原清隆の『郷愁』というタイトルの絵にとても興味をもちました。自分がはじめて目にする名前でしたので、少し調べてみたら30歳の若さでミャンマーで行方不明になってしまった画家であり、多才なアーティストであったということ。美術館に行くと、ときどき戦前に流れ星のような短い生涯を終えて逝く悲しき画家の存在に、人生のはかなさを改めて噛みしめることがあります。浅原清隆という画家の作品は現在何点ぐらいあるのかよく分かりませんが、いい機会ですのでじっくりと作品の所在について調べてみたいなと考えています。彼の独特な色彩感覚と超現実主義の絵画において、斬新かつ実験的な手法を通じて豊かな才能の一端を垣間みることができそうです。今回の展覧会では白眉の一点だと自分は感じています。

展覧会場を2周してじっくりと拝見しながら、自分で作品を観て作家名を当てるというクイズをしたのですが、何名かはずれてしまい冷や汗が出ました。写真家では、知らない名前の方が圧倒的に多く、自分の弱点に気付き大変勉強になりましたね。生きた教科書のような写真の展示空間には改めてじっくりと観る機会をつくりたいと思います。展覧会図録もしっかりとした内容で解説も充実し、見ているだけで楽しめます。知り合いの学芸員の方に「この展示は何日くらいかかったのですか」と尋ねたところ「1週間くらいかかりました」とのこと。☆☆☆









浅原清隆『郷愁』


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ユージン・スミス『 楽園への歩み』

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