こんにちは。堺市西区の上野芝にある個別指導の学習塾ONE-S(ワンズ)の塾長の松下です。
以前このブログでも書いたように、私は大学卒業してからの数年間ひきこもりでした。そのため、ひきこもり問題に関しては他人事とは思えず、講演を聞きに行ったり、ひきこもり問題を話し合う会に参加したりします。そうしているうちに、ひきこもりを経験したことがある人や、現在ひきこもり当事者の人とも知り合うことができました。
私がひきこもっていた時代は「ニート」という言葉は使われておらずメディアで取り上げられることもほとんどなかったのですが、現在は「ひここもり」「ニート」「不登校」といった言葉が広く知られるようになり、39歳以下のニートが約100万人いると言われ、大きな社会問題として国や自治体で取り組まれるようになっています。
引きこもり対策として一般的なものは2つあります。1つ目は就労支援です。ざっくりですが、その内容は当事者と話し合いながら、社会に出るのに必要なスキルを身につけてもらい(履歴書の書き方やコミュニケーション能力の向上から、パソコン技術の習得などさまざまです)、就職しやすくするものです。ひきこもっていた人たちは、私もそうでしたがブランクがあるため自信を持てず社会にでようという勇気がでません。ですから、いろいろなスキルを身につけることによって、自分もやっていけるぞという自信とともに、したいことが見つかり実際に働けるようになる人も多く、一定の効果はあるようです。
2つ目はいわゆる居場所です。ひきこもってしまうと家族以外と話をすることもなくなり、どんどんと社会から取り残され「どうして自分だけがこんなことになってしまったのだろう」と思ってしまいます。ですが世の中には同じような、もしかすると自分よりも、もっと苦しい経験をしている人が多くいるかもしれません。そういった人たちが集まることができる場をつくり、そこに参加することにより「苦しいのは自分だけではない。仲間がいる」という安心感や、自分の悩みなどを同じ経験者に話をすることによって、今まで心の中でいっぱいにたまっていた負の感情を吐き出すことができ、生きていこうという力が少しずつ回復し元気になっていきます。
前者はおもに行政主導で後者はNPO法人やボランティア団体で運営されているところも多くあります。国としても力をいれている問題ですので今後もさらに増えていくのではないでしょうか。ですが、これから増やしていく施設などは、今と同じようなものを作っていってもおそらくこれ以上の効果はないと考えます。
現在行っている主な引きこもり対策は、まだまだ十分とは言えず問題点も多くあります。行政がおこなっている就労支援ですが、その多くは39歳までといった年齢制限があります。上限をもう少し上げるようですが、どちらにせよサポートを受けることができない層がでてきます。また、そもそもひきこもりになるということは、もちろん例外はありますが、傷つきやすかったり積極的になれなかったり、何か大きな悩みを抱えていたりとメンタル面でも強くない人が多いです。そういう人たちが、少しスキルを身につけたからといっていざ働くとなったら簡単にはいかないでしょうし、ブランクが長ければ働く環境も厳しくなるでしょうからますますハードルは高くなります。いったん面接に行き、採用されて働き出すことができても早い段階で辞めてしまい、そこからまた立ち直れなくなってしまう人も多くいるのです。
また、ひきこもりの人たちが集まる場所ですが社会にでるためのきっかけの場としてこれ以上のものはないように思います。当事者だけでなく、その家族の方も悩みなどを相談しあえて、機械的な対応でなく生の声を聞けるのですからとても価値のあるものだと思います。ただ、運営していくには当然場所代をはじめ、多くの費用がかかってしまうため維持していくのが大変です。そして、もう1つ。こういった居場所は確かに必要なのですが、この場所があまりにも心地よく、あったかい場所であるため逆に社会に出なくなってしまうことも少なくありません。集まればお互いに同情し、社会や政治や教育に不満をぶつけ、感謝の気持ちを持たなくなってしまいます。このような場所では、不満などの負のエネルギーが充満し建設的な話し合いができなくなっています。
私はこの2つの間にもう一つクッション的なものをいれる必要があると思います。仲間が集まる場所で元気になって、そこからすぐに就労というのはジャンプできる距離ではないです。具体的にどうしろと言われましたら私もアイデアがないのですが、たとえば起業の支援をするのはどうでしょうか? 1人でどこかに勤務するのは難しいけれど、チームとして働ける環境だったらずいぶんと違うのではないでしょうか。私もひきこもりから社会復帰するとき、どこかに就職しなさいと言われていてもできなかったかもしれません。アイデアや能力を持った人はたくさんいます。それを発揮する場を与えていくというのは、単にひきこもり対策というだけでなく大きな経済効果もあると思います。何十万人という人数のニートが働くようになり所得を得ると税収も大きく増えるのです。ですから、そういう形で支援していくというのも長い目で見ればさまざまな面で一番効果的かもしれません。
最後に、私は幸せを感じることって人それぞれだと思います。お金をたくさん稼ぐこと・したい仕事をすること・地位を得ること・大切なパートナーと過ごすことなど、さまざまな価値観があると思います。そして、現在ひきこもっている人たちも、心から現状に満足していて幸福感が十分得られているのなら私は無理に社会に出る必要はないと思います(ご家族は不安でしょうが)。他人にどう思われようが、今の自分が幸せだったら今のままでいいんです。今回書いたのは、そうではなく、現状に不満を抱いていて、どうにかしたい、今から人生を変えたいと思っておられる方に対してどうするべきかという話です。現在の政策の問題点や、改善点などまだまだ書きたいことはありますが、長くなりましたのでまたの機会にしますね。読んでいただき、ありがとうございました。
以前このブログでも書いたように、私は大学卒業してからの数年間ひきこもりでした。そのため、ひきこもり問題に関しては他人事とは思えず、講演を聞きに行ったり、ひきこもり問題を話し合う会に参加したりします。そうしているうちに、ひきこもりを経験したことがある人や、現在ひきこもり当事者の人とも知り合うことができました。
私がひきこもっていた時代は「ニート」という言葉は使われておらずメディアで取り上げられることもほとんどなかったのですが、現在は「ひここもり」「ニート」「不登校」といった言葉が広く知られるようになり、39歳以下のニートが約100万人いると言われ、大きな社会問題として国や自治体で取り組まれるようになっています。
引きこもり対策として一般的なものは2つあります。1つ目は就労支援です。ざっくりですが、その内容は当事者と話し合いながら、社会に出るのに必要なスキルを身につけてもらい(履歴書の書き方やコミュニケーション能力の向上から、パソコン技術の習得などさまざまです)、就職しやすくするものです。ひきこもっていた人たちは、私もそうでしたがブランクがあるため自信を持てず社会にでようという勇気がでません。ですから、いろいろなスキルを身につけることによって、自分もやっていけるぞという自信とともに、したいことが見つかり実際に働けるようになる人も多く、一定の効果はあるようです。
2つ目はいわゆる居場所です。ひきこもってしまうと家族以外と話をすることもなくなり、どんどんと社会から取り残され「どうして自分だけがこんなことになってしまったのだろう」と思ってしまいます。ですが世の中には同じような、もしかすると自分よりも、もっと苦しい経験をしている人が多くいるかもしれません。そういった人たちが集まることができる場をつくり、そこに参加することにより「苦しいのは自分だけではない。仲間がいる」という安心感や、自分の悩みなどを同じ経験者に話をすることによって、今まで心の中でいっぱいにたまっていた負の感情を吐き出すことができ、生きていこうという力が少しずつ回復し元気になっていきます。
前者はおもに行政主導で後者はNPO法人やボランティア団体で運営されているところも多くあります。国としても力をいれている問題ですので今後もさらに増えていくのではないでしょうか。ですが、これから増やしていく施設などは、今と同じようなものを作っていってもおそらくこれ以上の効果はないと考えます。
現在行っている主な引きこもり対策は、まだまだ十分とは言えず問題点も多くあります。行政がおこなっている就労支援ですが、その多くは39歳までといった年齢制限があります。上限をもう少し上げるようですが、どちらにせよサポートを受けることができない層がでてきます。また、そもそもひきこもりになるということは、もちろん例外はありますが、傷つきやすかったり積極的になれなかったり、何か大きな悩みを抱えていたりとメンタル面でも強くない人が多いです。そういう人たちが、少しスキルを身につけたからといっていざ働くとなったら簡単にはいかないでしょうし、ブランクが長ければ働く環境も厳しくなるでしょうからますますハードルは高くなります。いったん面接に行き、採用されて働き出すことができても早い段階で辞めてしまい、そこからまた立ち直れなくなってしまう人も多くいるのです。
また、ひきこもりの人たちが集まる場所ですが社会にでるためのきっかけの場としてこれ以上のものはないように思います。当事者だけでなく、その家族の方も悩みなどを相談しあえて、機械的な対応でなく生の声を聞けるのですからとても価値のあるものだと思います。ただ、運営していくには当然場所代をはじめ、多くの費用がかかってしまうため維持していくのが大変です。そして、もう1つ。こういった居場所は確かに必要なのですが、この場所があまりにも心地よく、あったかい場所であるため逆に社会に出なくなってしまうことも少なくありません。集まればお互いに同情し、社会や政治や教育に不満をぶつけ、感謝の気持ちを持たなくなってしまいます。このような場所では、不満などの負のエネルギーが充満し建設的な話し合いができなくなっています。
私はこの2つの間にもう一つクッション的なものをいれる必要があると思います。仲間が集まる場所で元気になって、そこからすぐに就労というのはジャンプできる距離ではないです。具体的にどうしろと言われましたら私もアイデアがないのですが、たとえば起業の支援をするのはどうでしょうか? 1人でどこかに勤務するのは難しいけれど、チームとして働ける環境だったらずいぶんと違うのではないでしょうか。私もひきこもりから社会復帰するとき、どこかに就職しなさいと言われていてもできなかったかもしれません。アイデアや能力を持った人はたくさんいます。それを発揮する場を与えていくというのは、単にひきこもり対策というだけでなく大きな経済効果もあると思います。何十万人という人数のニートが働くようになり所得を得ると税収も大きく増えるのです。ですから、そういう形で支援していくというのも長い目で見ればさまざまな面で一番効果的かもしれません。
最後に、私は幸せを感じることって人それぞれだと思います。お金をたくさん稼ぐこと・したい仕事をすること・地位を得ること・大切なパートナーと過ごすことなど、さまざまな価値観があると思います。そして、現在ひきこもっている人たちも、心から現状に満足していて幸福感が十分得られているのなら私は無理に社会に出る必要はないと思います(ご家族は不安でしょうが)。他人にどう思われようが、今の自分が幸せだったら今のままでいいんです。今回書いたのは、そうではなく、現状に不満を抱いていて、どうにかしたい、今から人生を変えたいと思っておられる方に対してどうするべきかという話です。現在の政策の問題点や、改善点などまだまだ書きたいことはありますが、長くなりましたのでまたの機会にしますね。読んでいただき、ありがとうございました。
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