個別指導塾 ONE-S(ワンズ)のブログ

堺市上野芝にある個別指導塾です。進学から補習、不登校の子どもの学習サポートなど、さまざまな子どものニーズにこたえます

道なき道を歩いてきたんだ。きっと大丈夫!

2018-01-11 11:27:47 | 不登校
こんにちは。堺市西区の上野芝にある個別指導の学習塾ONE-S(ワンズ)の塾長の松下です。

不登校の子どもたちが、高校受験や大学受験をすることの大変さは、この仕事をしていなければ絶対にわからなかったと思います。

「学校に行っていないのだから、時間はたっぷりあるはず。勉強時間は十分にあるんやから、やる気になれば大丈夫やろ」
私も実際に不登校の子どもたちを指導する前、10年ほど前まではそのように考えていました。教育に関わっている仕事をしている私ですらそう思っていたのですから、世間一般の人はもちろん同じように考えている人が多いでしょう。

不登校ではない子どもは、毎日学校に行き、クラブをして、ようやくそこから自由時間です。その間に勉強したり、遊んだりして忙しい日々を過ごしています。一方、不登校の子どもは学校もクラブもないため、勉強するのも寝るのも遊ぶのも自分の好きな時間でできます。だって時間はたっぷりあるから。ですがこの時間がたっぷりあるというのが問題なんですね。

以前この話題に触れたことはありましたが、人は忙しくしている時の方が計画的に行動できるんです。時間がないので、できるだけ時間を有効に使おうとします。時間がありあまってる人が、規則正しく生活できているなんて聞いた事がありません。

私は大学受験に失敗して2浪しています。2年とも同じ予備校に通わせてもらいました。2年目は、先生もほぼ同じで、もちろん授業の内容もほとんど同じでした。ですから、授業そのものは正直半分ほどしか出席していません。残りの半分は自習室で勉強したり、友だちとワイワイしゃべったり(友だちと遊んでる時間の方が圧倒的に多かったですが(笑))。そして帰宅してから勉強をするのですが結局この時間が一番集中できて、勉強がはかどりました。宅浪(浪人しても予備校などに行かず、自宅で勉強すること)はしない方がいいと、当時もいろんな人から言われましたが、その理由はよくわかりました。予備校に通うことは、もちろん授業を受けてることによって学力アップにはなるのですが、それだけではなく勉強するリズムができるようになることが利点なのではないでしょうか。1日の大部分を予備校で過ごしますから、帰宅してからの自由時間がそれほどなく、ゲームするにしろ勉強するにしろメリハリのある生活になります。もし私が宅浪していたら、24時間という時間を有効に使えていた自信はまったくありませんし、おそらく「時間はいっぱいあるんやから、勉強は後でしよう」という気持ちになり、ろくに勉強しなかったと思います。そういう意味では、2年間も予備校に通わせてくれた両親には感謝しかありません。

不登校の子どもが大変なのは、この「ありあまった時間」の問題だけではありません。学校に行っていると同級生と接することでいろいろな情報が手に入ります。それは受験勉強のことだけでなく、クラブのことやゲームのこと、恋愛のことや将来のことなど、本当に幅広い情報が勝手に入ってきますので、自分と同年代の子らが何に興味を持っているのか、どんな考え方をしているのか、どんな勉強をしてどれくらいの時間勉強しているのか、そんなことは当たり前のようにわかります。ですが不登校の子どもたちは、それがわからないのです。もしかしたら、同年代の子らは自分よりもっと大人で、自分は取り残されているのではないだろうか。受験してまた学校に行けるようになったとしても、同年代の子らとちゃんと話ができるのかな。お前何も知らんなとか馬鹿にされないかな。不登校だったことがバレて変な目で見られないかな。などと毎日不安と戦いながら過ごしているのです。

もちろん勉強の方法はもちろん、進学しようとしても高校や大学の情報もなかなか手に入りません。ネットの口コミや各学校のHPなどは見れますが、生きた情報を手に入れることはできません。それならば勉強するために塾や予備校に行けばよいと思われるかもしれませんが、たとえば不登校の子どもが地元の塾に通えるでしょうか?「同級生と会ったらどうしよう」そんな不安な気持ちで塾なんて行けません。だから地元から離れた塾を探します。ですが、離れているのでまたもや「生きた情報」が手に入りにくいため塾探しが困難なのが現実です。また、もし毎日塾に通うことになれば、その費用もとても大きくなってしまうでしょう。そのため週に2回ほどにすると、残りの5日は24時間自宅で過ごすわけですから、やはりリズムが作りにくく、時間が余ってしまうため、効率の良い勉強ができなくなってしまいます。

不登校ではない子どもが受験するのは、ある程度マニュアルがあります。ほとんどの学生はそのマニュアル通り進めます。しかも何通りかのマニュアルがありますので、自分に合ったものを選んで歩いていくことができます。

一方不登校の子どもたちは、そのマニュアルがありません。不登校になった原因もそれこそそれぞれ違うわけですから、「不登校の子どもは、こうやって受験勉強すればいい」なんてもんは存在しません。ある生徒が有効だった方法が別の生徒でもうまくいく保証なんてどこにもありません。それぞれが悩み試行錯誤しながら頑張っていくのです。

多くの人たちが通ってきた大きな道ではなく、舗装もされていない道なき道を彼らは必死で歩いてるのです。それもゴールがどこにあるのか予想もできず、ゴールした後どうなるのかという不安を抱きながら歩いています。

ときには、不安で不安でたまらなく眠れない日もあるでしょう。何もかもが嫌になり、もうこの社会から離れようと思ったこともあるでしょう。自分が惨めで情けなく、全てを恨んだこともあるでしょう。

でも、きっと大丈夫。君たちは誰も通ってこなかった道なき道を歩いてきたんだ!そんな道を歩いてきた君たちは自分でも気づかないほど強くなってる。歩いている間、どれほど多くの時間を、自分を見つめ直すことに費やしてきたんだ。自分の弱さや嫌いなところを、君たちの年齢で受け入れる事ができたのは、素晴らしいことなんだ。きっと数年後、笑って過去を振り返る時がやってくる。自信を持ってなんて軽い言葉は口に出せないけれど、不安で不安で立ち止まってしまうこともあるだろうけど、それでもいい、どうか諦めずに、前を向くことを忘れずに踏ん張ってほしい。






ONE-SのHP

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« なんでも学校ですればいいっ... | トップ | 椎茸か納豆か »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

不登校」カテゴリの最新記事