個別指導塾 ONE-S(ワンズ)のブログ

堺市上野芝にある個別指導塾です。進学から補習、不登校の子どもの学習サポートなど、さまざまな子どものニーズにこたえます

そんなこと言われましても、できないもんはできないですって!

2018-05-18 10:46:14 | 教室から
こんにちは。堺市西区の上野芝にある個別指導の学習塾ONE-S(ワンズ)の塾長の松下です。

これまで約400人の子どもたちに、全体授業ではなく、直接個別で勉強を教えてきました。当たり前のことですが、それぞれに個性があり、考え方・価値観もさまざまですので、多くの子どもたちと接することで新しい発見があったり、私自身が勉強になることも決して少なくありません。

勉強の能力もいろいろですので、1ページを3分でできる子もいれば1時間かけてもできない子もいます。私の説明がうまくいかずに「この説明ではわからないかな?」と思っていても理解してくれる子もいれば、2、3回の説明ではわからず、私の説明の引き出しを全部使って何度も伝えることでようやく理解してくれる子もいます。どちらのタイプが教えやすいとかは特になく、一生懸命頑張ってくれている子であるのならどんなタイプでもやりがいはありますし、なにより子どもたちの成長を見ることができるのはとても楽しいことなんです。

たくさんの子どもたちに勉強を教えることができた現在だからこのように思うことができますが、塾をスタートして初めの3年間ほどは、正直いって戸惑うことが多かったです。「どうしてこれがわからんのやろ?」「どう説明したらわかってもらえるだろう?」何度も何度も悩みました。ですが年数を重ねていき、より多くの子どもたちを指導していくことによって、「理解できない子もいるんだ」ということがわかるようになりました。

人間って自分の生きてきた経験や、自分の見てきた世界の中での知識で物事を判断する傾向にあります。ですから、自分が当たり前のようにできていたことをできない人間を見ると「なんででけへんの?」と理解できなくなり、ときにはそれに対して腹を立てたりすることさえあります。

自分の子どもの宿題などをみてあげているときに、「なんでこれが理解できないのかな?」と頭を悩まされている親御さんは多いのではないでしょうか。お父さんやお母さんが理解できてきたからといって、子どもも同じように理解できるとはかぎりません。それに腹を立てて「どうしてあなたは、こんな問題ができないの!」と怒ったりしていませんか? この言葉は最も子どもを傷つけてしまう言葉の1つです。

私は学生時代、体育のマットや跳び箱が苦手でした。中学校1年生頃だったと思うのですが、体育で側転の練習がありました。まわりの子はきれいに足もピーンと伸ばした状態でくるりと回転しているのですが、私にはそれができず、なんだかカエルのような回転になってしまうのです(伝わりますか?(笑) とにかくひどい側転だったんです)。それが恥ずかしくて恥ずかしくて、ただひたすら授業の終了のチャイムが鳴ることを祈っていました。ただその側転を中心としたマット運動があと何回か授業があるということがわかっていて、「ホンマ嫌やなあ。学校休もうかなあ」とも思いましたが、当時の私は学校を休む勇気もなく、考えた末に、近くの公園の砂場で側転の練習をすることに決めました。暗くなってからだとだれにも見られないと思い、夜に練習に行きました。兄に付き合ってもらい、いろいろとアドバイスをもらいましたが、数時間練習してもやっぱりできません。

そしてカエルのような側転しかできないまま、次の授業を迎えました。できないことが恥ずかしいので、一度もチャレンジせずにボーっとしていると、先生が「松下どないしたんや?と声をかけてきました。「側転がうまくできないから恥ずかしいんです」「そうなんか。じゃあ、教えたるからこっち来いよ」と言われ、先生の指導のもと10分ほど練習しましたが、やっぱりカエルの側転のままでした。そこで先生が放った言葉が「なんでお前はでけへんのや?」  

そんなこと言われても俺にもわかるはずがないやん。そして続けて「できるようになりたいと本気で思ってないからでけへんねん!」と言われ、さすがにカッチーンときました(といっても、そこで言い返せるほど当時の私は強くありませんでした)。「こっちは、どれだけ必死で頑張ってるか。先生の知らないところでも何時間も練習してるんやぞ。本気でやってるに決まってるやん!」こんなことを思いながら、すっごくショックをうけたのを覚えています。

「どうしてそんな簡単なことができないのか?」という場合、原因は大きく3つだと思います。1つ目は「子ども自身にやる気のない場合」。このときは怒ってもいいと思います。2つ目は「教え方が悪い場合」。その子に合った説明の仕方があります。他の子に対しては伝わった説明の仕方であっても、別の子には全然伝わらないことなんて頻繁にあります。ですから、その子がわかりやすい教え方を見つけることが必要になってきます。3つ目は「能力がたりない場合」。私の側転は、たとえオリンピック選手にマンツーマンで教えてもらったとしてできるようにはならないと思います。絶対的な運動能力がたりないからです。ただ、勉強に関しては、現時点でそれを理解する能力がなかったとしても、今後成長していくうちに理解できるようになることなんてたくさんあります。成長の速度はそれぞれですから、今できなかっても、いつかスラスラとできるようになる日が来るかもしれません。現時点で理解する力が備わっていないのに「なんでわからんの?」と怒ってしまっては子どもがかわいそうです。子どもからしたら「そんなこと言われても、わからんもんはわからんねん。そんなこと言われたらしんどいわ」という気持ちでしょう。

大事なことは、子どもが理解できないときに、上のどのパターンにあてはまるかを、しっかり判断してあげて、その原因にあった対応をしなければなりません。そうしないと、子どもはカッチーンとくることが増えてしまい、だんだんと反抗的になったり、自分の気持ちを話さなくなってしまいます。子どもが最近反抗的であったり、言うことを聞いてくれなくなっているのは、もしかしたら子どもにかけている言葉で傷ついてることが原因かもしれないですよ。

ONE-SのHP

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