美しい大分

大分に暮らし,その美しさに気づかされ 癒される日常を、折々綴り,残してみたいと思っています。

特別展「ふるさと大分の日本画家たち」

2019年06月19日 | 美術館






昨年の、「ふるさと大分の洋画家たち」に続いて今年の初夏の企画展は、大分の日本画家にスポットを当てた展覧会です。




大分の日本画家は というと、福田平八郎に高山辰雄(どちらも文化勲章受章)が挙げられます。
福田は関西 主に京都で、高山は東京美術学校に進学し東京で活躍した画家でした。

振り返って、明治以降、鹿児島などでは
黒田清輝 、藤島武二 などの著名な洋画家を輩出しています。
明治維新で活躍した子弟などが、海外へ出て行き、西洋画を学ぶ機会を得たのです。

*

豊後の国 大分で日本画が盛んだったのはなぜか?

江戸末期に出現した南画家 田能村竹田は
豊後風土記の編さんなどで度々関西京都を訪れました。その際には弟子を伴い、又 国元では多くの人が竹田を慕いその画風を尊んだのです。

南画は、屏風や掛軸に主に墨等で描かれた 現実世界とは異なる理想世界。…水の流れ、わずかな人の気配、急峻な山、そしてその上に空というように、下から上に向かう画面構成です。
そんな南画の山が やがて失われ風景的になり近代風景画に移っていきました。

南画⇒画面を筆で構成、空は塗らない。
近代日本画⇒色で構成、丁寧に空を塗っている。

近年、洋画と見間違えるような日本画も多く描かれています。
日本画と、洋画の違いはどこにあるのか。
それは、ズバリ描く絵具の違いです。日本画は天然の鉱物を粉にした岩絵具と にかわを接着剤に用い描きます。洋画は油絵具です。

*

又、フランス画とか、イギリス画とか言わないのに何故 日本画と言うのか。
日本には大和絵 狩野派、丸山四条派、南画など 元々、古くからの絵画がありましたが、明治以降
入って来た西洋画のと区別のために「日本画」と言うようになりました。
日本画の特徴として、深い精神性が込められていることも挙げられます。

*

竹田を中心に発展してきた豊後南画も、京都でその子弟らによって画学校が開かれたりするなど、近代化を進めていきました。
南画の流れをくむ首藤雨効に学んだ福田平八郎は京都に出て行きます。
その福田平八郎と同郷同窓の高山辰雄は、
東京の美大へ。

岩澤重夫や、後の横の会の箱崎睦昌
地元で後進の育成に寄与した
田川将や紙谷義久と、
現在も大分の日本画家が多く活躍しています。



今回の、「ふるさと大分の日本画家たち」展では、そうした近代から、現在に至る大分の日本画家の作品を、時代の流れに沿って展示しています。





大分市美術館
カイヅカイブキの実でしょうか?遠目に花のようです。


美術館に多数植えられている桂の木。ハート型の若葉がきれいです。



街へと下って行くキャンバス。
通りの向かいは、人の手の入ってない上野の森です。




大分市美術館
「ふるさと大分の日本画家たち」展
7月7日まで





コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする