大分市美術館の展覧会は撮影はできませんが、会場出口付近に撮影可能なバラの絵が掛けられています。
この拡大したバラを観ると、
ルドゥーテが実践した、銅板に点刻で描いていく様子が少しわかる気がします。
(2点とも以前投稿した写真を又掲載です)
「バラ図譜」
ルドゥーテは、仕えていたマリー・アントワネットがパリで死刑台の露と消えたのち
ナポレオンの皇妃、ジョセフィーヌに仕えることになります。
ジョセフィーヌは大の植物好き、中でもバラは大変好きで宮廷の庭に多くのバラを育てていました。
まだバラの品種が少なかったこの時代
ジョセフィーヌがバラを愛したことで、大変な数の品種改良もなされ現在のバラの多様性につながって行き、
多くのバラを生み出した貴重な時代でもありました。
やがて、うら若き女性に正妻の座を奪われた失意のジョセフィーヌを慰めるために
「バラ図譜」が、ルドゥーテによって制作されました。
それは、ルドゥーテの「花を愛する友人への慰め」という趣きがあったそうです。
(ミュージアムショップで購入の、ポストカード)
ところで冒頭の「バラ図譜」のバラの描き方です。
銅版画、点刻版法の手法 エッチングの一種だと思いますが、銅板に点を打ち形を表します。
線を掘らない点の集合によって陰影ができて、線とは異なり連続していない為やわらかな立体感が生まれます。
さらにルドゥーテは刷り上がった版画に一つ一つ手彩色を施しました。
下の写真を拡大して見てみると
このことか‼︎とわかります。
今回の展示会では、
バラの図譜170点と、肉筆画2点が展示されています。
肉筆画については200年もの年月が経っているとは思えない鮮やかな発色で、素晴らしく美しです。描いている素材が違うためのようです(つまり紙に描いているのではない)。
肉筆画の一つ(展覧会パンフレットより)
・
余談ですが、
私が昔から持っていた、おそらくルドゥーテの絵と思い込んでいた作品を会場で探してみました。
今回のパンフレットに紹介されている様なバラに比べるととても地味に思えて
「これは違うのかもしれない」とだんだん思う様になりましたが…。
果たして…
花びらがパラパラと少なくて…
ところが
ありました♡
原著番号155
ロサ・レクリナータ
フローレ・スブムルティプリキ
(オールドローズの基本種)
でした。
私の絵
額縁のマットは日焼けして、絵もなんだかシミが浮いてきていますが💦…。
上の、ショップで買ったポストカードの絵がそれです^ ^。
会期は5月29日まで
-大分市美術館-