図書館から借りてきた“沖縄の野山を
楽しむ”「植物の本」。その中で特に私の
興味を惹いたのが“食べられる実”。
オキナワシャリンバイやシマヤマヒハツ
など初めて知る植物もあり楽しみながら
学べましたが、読み進めるうちに湧き
上がってきたのは
食べてみたい♪って気持ち。
早速実がなる時期を片っ端から調べたら、
地方新聞の記事が目に飛び込んできました。
「名護市二見の旧国道331号沿いでつる性
植物のツルグミ(グミ科)が、枝をつる状に
伸ばし熟した実を鈴なりに付けている」
(2023年4月19日、沖縄タイムス紙より)
当然すぐ現地に向かいました。
記事の情報を頼りに旧331号線沿いを
歩き回りましたが見つからない。
そんな時、道を歩いている方を見つけた
ので勇気を出して声を掛けてみました。
「スミマセン、この辺りにツルグミの実が
なっていると新聞に書いてあったんですが
ご存知ないでしょうか?」
「ツルグミ?分からないけどちょっと
待ってて」
すぐ近くがご自宅だったようで、ご主人を
呼んで何か話されていましたが
「ごめんなさい、主人も分からないって」
「ありがとうございます。突然すみません
でした」
「畑が忙しくて周りをあまり見てなくて」
どんな作物を育てているのか気にはなり
ましたが、足止めするのも申し訳ないので
もう一度お礼を言って別れようとしたら
「この先にあるコミュニティーセンターの
区長さんに聞けば分かるかも」
「コミュニティーセンター?」
「そう、ほらそこ」
指さされた方向に確かにありました。
「区長さんは何でもご存知だから」
「そうなんですね。では行ってみます」
お礼を述べコミュニティーセンターへ。
建物の外からそっと覗いてみると丁度
男性が出てこられ、その方を見送るように
2人の方も外へ。我々に気付いた女性が
「こんにちは、何かご用かしら?」
先ほどの方に伝えた同じ内容を話すと
「アラッ」と言われ、先に出て車に乗り
込まもうとしていた男性に向かって
「あなたの記事を見て来たってよ」
そして我々に向かい
「あの人がその記事を書いた人」
と、説明してくれました。
残念ながら実はもうないそうですが、
「そういえばこれもグミよ」
見せてもらったのは巨大なグミ。
「甘くなかったからお酒に漬けたの」
「大きい〜。これが成るんですか」
「違う違う、これは韓国産だったか
ブラジル産だったか。近くにある
わんさかパークで売っていた物」
そして一旦奥に行かれ、戻ってこられた
手にはその大きなグミが。
「冷蔵庫に少しあったからこれあげる」
「いやいいですよ」
すると隣りにいたもう一人の方が
「大丈夫、毒は入ってないから」
その後も色んな話をしましたが
「でも私の記憶の中ではツルグミは
もう少し後の印象だけど」
するともう一人の方も
「そうね、梅雨前後かな?」
だったらまだチャンスはあるかも♪
また来てみますね、って伝えたら名刺を
渡され
「携帯番号も書いてあるから連絡して。
あなたの連絡先を教えてくれたら実が
なったら教えてあげるけど」
さすがにそこまで甘えるのは悪いので
「必ずまた来ます!」
と言って帰ろうとしたら
「メロディーロードは知ってる?」
「いえ、知りません」
「この先にメロディーが流れる道路が
あるのよ」
「そうなんですか」
すかさずもう一人の方が
「必ず窓を閉めて、速度は40kmで」
「分かりました。行ってみます」
ツルグミがとても素敵な縁を結んでくれ
ました。人見知りなので声を掛けること
なんて絶対ありませんでしたが、これ
からは積極的に聞いてみよう。そうすれ
ば、今日みたいな素敵な一日になるかも。
ちなみにメロディーロードについては
また明日。
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