初夏の加計呂麻を行く 四よりつづく。
雨はやんだ。南国の太陽に照りつけられて、道路も、バイクのシートも乾いた。
そろそろ生誕10年になろうかというSUZUKI DR-250Rだが、落ち着き払って目を覚ます。
実久(さねく)という集落を気に入っているのは、その隔絶ぶりである。
奄美大島の集落は、どこも山に囲まれた入り江にあるが、実久はそれが他よりも徹底している。
隣接する集落としては薩川(さつかわ)と芝(しば)の二つの集落があるが、どちらに行くにしろ陸路では急峻な峠道を越えねばならない。
その峠は、原生林に抱かれ、たとえ何日も雨が降らない日が続いても、つねに圧倒されるほどの湿度を抱えている。
交通量が少ないせいもあって、路面の一部は苔に覆われ、真冬でもうっすらと緑の化粧を施している。
峠の頂上に、《林道薩川・実久線》の一方の起点がある。
もう長いこと、「工事中 通り抜けできません」の表示が出ている。
ときおりボチボチと工事をしているのは知っているので、どこまで進んだのか見に行くことにした。
もっとも高いところで標高は100m程度か。
海面近くから一気に登ってくるので、実際よりも高く感じられる。
生い茂った低木と丈高い雑草の隙間から、実久集落を見下ろす。
左奥に白く長い砂浜が見えるのは、江仁屋離れ(えにやばなれ)と呼ばれる無人島だ。
雨はやんだ。南国の太陽に照りつけられて、道路も、バイクのシートも乾いた。
そろそろ生誕10年になろうかというSUZUKI DR-250Rだが、落ち着き払って目を覚ます。
実久(さねく)という集落を気に入っているのは、その隔絶ぶりである。
奄美大島の集落は、どこも山に囲まれた入り江にあるが、実久はそれが他よりも徹底している。
隣接する集落としては薩川(さつかわ)と芝(しば)の二つの集落があるが、どちらに行くにしろ陸路では急峻な峠道を越えねばならない。
その峠は、原生林に抱かれ、たとえ何日も雨が降らない日が続いても、つねに圧倒されるほどの湿度を抱えている。
交通量が少ないせいもあって、路面の一部は苔に覆われ、真冬でもうっすらと緑の化粧を施している。
峠の頂上に、《林道薩川・実久線》の一方の起点がある。
もう長いこと、「工事中 通り抜けできません」の表示が出ている。
ときおりボチボチと工事をしているのは知っているので、どこまで進んだのか見に行くことにした。
もっとも高いところで標高は100m程度か。
海面近くから一気に登ってくるので、実際よりも高く感じられる。
生い茂った低木と丈高い雑草の隙間から、実久集落を見下ろす。
左奥に白く長い砂浜が見えるのは、江仁屋離れ(えにやばなれ)と呼ばれる無人島だ。
つづく