あれからもう10年が経ってしまいました。
Aさんの某掲示板覗いてみたら、そんなトピが立っていました。
懐かしくなって、あの当時発売された写真集を眺めていたのですが。
どうしても、あの日のあの時のことを書きたくなってきましたので、書いてしまいます。
かなりの長文ですので、興味の無い方は回れ右してくださっても構いませんよ。
BERLINのブランデンブルグ門の前でライブを行うと発表されたのは99年の春。
確か3月頃だったと思います。
前年にBERLINを訪れていた私でしたが、LIVEに行くことを即決。
同じく「行く!」と決めたU子さんと二人で行くことにしました。
メンバーとのパーティー付のオフィシャルツアーもあったのですが、金額がバカ高いことと、日数の関係もあって、個人旅行で行くことにしました。
パーティーにあまり興味が無かったというのもありましたけど。
4月の中旬にはエアラインとホテルの予約もしっかり済ませ、あとはライブの日が来るのを待つばかりとなりました。
え?肝心のチケットを忘れてないかって?
このライブ、ブランデンブルグ門の前で行われるFREEライブだったんです。
「ドイツにおける日本年」という、外務省絡みのイベントで。
なので、チケットの予約という手間は一切なくて、その分気楽でした。
そして、いよいよ出発の9/24。
この日は台風が近づいてきていて、台風が来るのと私達の乗る飛行機の離陸とどちらが早いのか…と、いう、非常に緊迫感溢れる状態になってきました。
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ここでフライトがキャンセルになってしまっては、全てがおじゃんになってしまうので、とにかく離陸してくれることを祈るばかりでした。
なんとか台風が来る前に無事に離陸。
台風の厚い雲を突き抜けてルフトハンザ機は一路フランクフルトに向けて飛んだのでした。
関西からの便は離陸と台風がぶつかってしまい、8時間遅れでのフライトとなったらしく、関西のオフィシャルツアーの人達は色々と大変だったそうです。
フランクフルトで乗り継いで、ようやくBERLINに到着。
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前に来た時は1月だったか2月だったかで、めっちゃくちゃ寒くて凍えそう(いや凍えてたw)だったことを覚えています。
到着翌日はひたすら観光。
BERLINの街はそれほど大きな建物もなく、建物も石造り、もしくはそれを模したものが多くて落ち着いた雰囲気で、どこを見ても絵になるような感じでした。
街の要所要所に石像が置かれていて、まるで街そのものが美術館のようにも思えます。
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LIVE前日の夕方、ブランデンブルグ門に行ってみると、リハーサルの真っ最中。
メンバーもステージに上がって、色々と調整していました。
リハーサルが見られて、かなりラッキー♪
ブランデンブルグ門の向こう側は、今まさに陽が沈もうとしていて「黄昏のBERLIN」の雰囲気たっぷりでした。
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翌LIVE当日、夕方(と言うか夜)まで時間があるので、前日に引き続き市内観光。
ベルリンの壁がそのまま残されているという、イーストサイドギャラリーに行きました。
下の写真は旧東側を撮ったものです。
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1km余りに渡って残された壁には、"壁"にまつわる絵がアーティストの絵によって描かれていました。
この壁の左側にはシュプレー川が流れ、その向こうは西ベルリン。
東の人達は分断されてしまった西に対して、どのような思いを抱いていたのでしょう。
量りきれない思いはあまりに重過ぎて、始めは無口に歩いていた私とU子さんでしたが、まあ、そのうちにいつものテンションに戻りました。
私達にはシリアスは似合わないしね。
そして夕方。いよいよLIVE会場に向かいます。
オフィシャルツアーの人達には専用のエリアが設けられているそうなのですが、個人参加の私達はその外から見ることになります。
現地の人とも入り混じり、混雑も予想されたので、貴重品やカメラ、バッグなどは一切持たず(貴重品はホテルのセーフティボックスに預けました)、少々の小銭だけを持って、身一つで会場へ。
昼間は暖かだったBERLINの街も、夜になるとぐっと冷え込むため、防寒着を着込んで行ったのですが、正解でした。
一般見学者のエリアへの入り口は封鎖されていて入れない為、入り口付近で待機。
どのぐらい待ったでしょうか、いきなり入り口が開いて私達のように個人でLIVEに来たファンが雪崩れるように駆け込んで入場しました。
U子さんとは混雑のあまり、少し離れた場所になってしまいましたけど、お互いに一般見学者エリアの最前列を確保。
そして、LIVEが始まりました!
ドイツ連邦共和国国家に続いて演奏された1曲目の「WILD BAHN!」で皆が一斉に頭上で手拍子を始めると、現地スタッフが周囲をキョロキョロと不思議そうに眺めていました。
そりゃそうでしょうねえ。
集まった観衆が、一斉に同じ行動を取るんですもん。
多分、あちらではあまり無いことなのでしょうね。
LIVEの詳細は割愛しますが、印象的だったことを少し。
・日本での発売前にこのLIVEで初披露された「AUBE-新しい夜明け」がキレイな曲で、聞き惚れた
・BERLINを舞台にした曲で、大好きな「哀愁は黄昏の果てに」を聴けた!
・ブランデンブルグ門の前で「壁の向こうのFreedom」を聴くことができた!!!
これは日本語ではなく英語バージョンでした。
恐らくは現地の人にも聞いて貰いたいとの思いがあったのでしょう。
(でもドイツ語にするのは難しすぎたのかな?)
89年に"ベルリンの壁"が崩れた時、まさにそれをテーマにLIVEツアーを行っていた彼らが、その10年後の99年にBERLINでその歌を唄うことになるなんて、誰が思ったでしょうか。
その巡り合わせの不思議さ、素晴らしさ。
彼らにはそういうものを引き寄せる、不思議なPOWERがあるとしか思えません。
そして、その場にいられたことを本当に嬉しく思いました。
LIVE翌日。もうHOTELを出て日本に帰る数時間前。
朝早くに前夜のLIVE会場に行ってみると、ステージはほぼ解体されていました。
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前夜のLIVEが夢だったかのようです。
ホテルで朝食をとりながら新聞(ドイツ語のです)を眺めていたのですが、LIVEのことが書かれていなくてちょっぴりがっかり。
あ、ドイツ語は読めませんよ。バンド名で記事を探していたのですけど、何処にも載ってなかったんです。
空港へ向かう道すがら、ふと目についたのは空港を示す小さな看板。
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これって、これって…
「哀愁は黄昏の果てに」の映像に映っていた、あの空港への看板じゃないの??
と、慌ててカメラのシャッターを切りました。
おかげで、小さくしか写せなかったのが残念でした。
いよいよBERLINともお別れ。
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2日半ほどの滞在でしたが、とても思い出深い滞在となりました。
このボーディングブリッジも「哀愁は黄昏の果てに」の映像に映っていましたね。
そうです。あの映像の空港はTEGEL空港だったんです。
そして、帰路の飛行機の中では爆睡しすぎて、日本の空港に着陸してやっと目が覚めた…と、いう…(苦笑)
おかげで時差ぼけもせず、翌日から普通に会社に出勤できました(笑)
仕事が忙しく、辛うじて捻り出した(と言うか、半年前から根回ししての)5日間のBERLIN行き。
本当に行っておいて良かったと思います。
私の彼等への情熱は、あのBERLINの時が最高潮だった。と、今、思います。
今は情熱はないのか?と、言うと、そうではなくて。
燃え上がるような思いと言うより、いつも傍にあって、意識しない存在。
空気のように見えないけど絶対に必要な存在。
そういう状態になっているようです。
だから、今は諸事情でライブには参加できませんが、それでも「彼等が居てくれる」それだけで充分に満足なんです。
そう思えるような彼等に出会い、そして共にあり続けることができて、本当に幸せでファン冥利に尽きると思います。
あれから10年。
自分は何ひとつ変わっていないかもしれない。
でも、それでもいいのじゃないかと思えるようになった私は、少しばかり歳を取ったのでしょうかね(苦笑)
おまけの写真。
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BERLINの街角のCDショップ。
自転車の左隣にある赤っぽいものが、実は、彼らのBERLIN-LIVEの告知ポスターだったんです。
さすがに恥ずかしくてポスターのアップを撮らなかったのですが、今思えば、撮っておけば良かったですね。
私はこのCDショップで日本では発売前のアルバム「orb」を購入しました。
それと。ええい。もう10年も経ったんだから言っちゃってもいいよね。
うん、言ってしまえ。
私達が泊まったホテル、実はメンバーと同じホテルだったんです(笑)
ホテルを予約する際、『彼等はきっとフォーシーズンズあたりに泊まるだろうから、私達はそれより1ランク下げて且つブランデンブルグ門に近いGRANDにしよう』ってホテルを決めたんです。
…まさか、同じホテルだったとは…(苦笑)
しかもね。T氏と同じフロアだったんですよ。それも2部屋隣。何故それが判ったかと言うと。
昼間、ホテルに買い物の荷物を置きに戻った際に廊下を歩いていたら、丁度部屋から出て歩いて来たT氏と出くわしちゃったんですよねー、これが。
心臓ばくばく状態でしたけど、そ知らぬ顔をしてすれ違って私達は自分の部屋へ戻りました。
だって、声をかける余裕なんて私達にはミジンコほどもありませんでしたもの。
本当にビックリして寿命が縮むとか思いましたよ(苦笑)
これもまた、良い思い出の一つです。