「俺節」
大阪大千秋楽が終わりオリックス劇場から出ると、朝の雨は止んで晴れ間が見えていました。
劇場の硝子の壁面に映った空も綺麗でした。
空も舞台の成功をお祝いしているようで、また涙が流れました。
終わってしまうのは寂しいけれど、全身全霊でコージを演じる章大君を早く解放してあげたいような気もして複雑でした。
カーテンコールでのご挨拶。
体力が無くなったら気力、気力もなくなった時にはカンパニーのみんながいてくれました。
といった内容だったと思います。
体力が相当に大変だという事は見ていて分かりました。
だってね、日に日に痩せていくんですもの。
腕も細―くなって、お尻も小さくなって、頬もこけて、でもそんな身体のやせ細り具合とは反比例して舞台の熱量が増していく。気力も奪われて、最後に支えあったのはカンパニーのみんな。
カンパニーの皆さんのブログやツイッターからも、それは分かりました。
それが本当に分かる舞台でした。
カーテンコールの時に会場にキラキラテープが振りました。風に舞い上がり、落ちて来るテープは場内に響いて来た拍手、舞台上で流された汗、みんなの涙、胸の残る数々の台詞、それらを可視化したようでもありました。
舞台上のキャストに向けて放たれたテープは最大限の賛辞をまとめて捧げたようにも見えました。
公式のアカウントにその写真が掲載されたのも嬉しいです。
全てのテープが床に落ちた後にサプライズがありました。
テープは終わりの合図だと分かった場内ではみんな席を立っていました。
私も席を離れていました。
舞台の片付け作業も始まったのでしょう。緞帳がチラっと動きました。
その時に「きゃーーー」って声が上がって、場内は再び拍手が鳴り止まなくなりました。
え?どうなる?ん?なにかある?
と思いながら拍手を続けていると、お友達の隣に立っていた方が「これだけ拍手があったら出てこないとなぁ・・・」と呟いた瞬間に下手から降りた緞帳の前に座長・安田章大さんが再度登場。
ありがとうございました。
いいカンパニーでしょう?!
いいカンパニーでした。ではなくて、「でしょう!?」という言葉に含まれるカンパニーに対する座長の「愛と信頼」を感じ取れました。
終わったばかりだから過去形にならないのも当然かもしれませんけれど、これからもこのご縁が続いていくんだろうなと思わせる言葉です。
初日は見る事が出来なかったけれど、東京の序盤、中番と千秋楽、そして大阪の29日と大千秋楽。
これだけの回数を時間の流れと共に見ると、まるで自分までもがカンパニーの一員として一緒に駆け抜けたような感覚になるんですね。
初日と千秋楽にこだわる派のお気持ちも十分に理解出来ました。
これは、いいですね。得難い体験です。
楽しくて充実した日々でした。
舞台「俺節」のニュースが飛び込んで来たのは昨年末、実家の父の葬儀告別式が終わって間もなくの事でした。
どうしたらいいのか、何をしたらいいのか、動けないでいる私を立ち上がらせ背中を押して歩かせてくれたのです。
章大君主演の俺節を心の支えにして、日々の楽しみにして過ごした数ヵ月は私にとって忘れられない日々です。
東京でも大阪でも私をお誘い下さったお友達、一緒に見て涙と感動と章大君への愛を分かち合えた事が嬉しいです。
こんなにも沢山の幸せを届けてくれた章大君、本当にありがとう。
あなたの全てをこれからもずっと大好きでいます。