P突堤2

「でにをは」別口入力・三属性の変換による日本語入力 - ペンタクラスタキーボードのコンセプト解説

メイドインアビスの言語センスが素敵すぎるので

2022-07-02 | Yahoo!リアルタイム検索アプリで調査

調べてみました。

スパラグモス:
ボンドルド卿のかっこいい技名その1なんですがこれも原典を探すとなかなか含蓄が深い絶妙のネーミング…作者のつくしあきひと氏は一体どこから紐解いたのか。
肘から発射される光の刀剣が鮮やかなこの名の由来は豊穣と酩酊の神デュオニュソスに生贄の牛や羊を八つ裂きにして捧げる儀式の事とのことなんですがここの語釈(ルビ)として振られる翻案フレーズが「枢機へ還す光」。
もうかっこいいですよね。常人には理解不能なボンドルド(or作者)の深層意識が現れているように思います。

ギャングウェイ:
これもボンドルド卿のかっこいい技名その2。ギャング(港湾労働者の一団)が陸から船へ渡るために用いる橋のことである。とのこと。これが転じて
「道をあけて」「どいたどいた」となるのが遺物命名のロマン。仮面から放たれる無数の屈折したレーザー光の語釈(ルビ)は「明星へ登る」。狙った対象に必ず当たる光線。なんと必中の属性をそなえているのです。

上昇負荷:
アビスの呪いの過酷なことの一つに上昇負荷があります。降りるにはいいけどいざ上がって戻ろうとすると体に不調・異変をもたらすアレであります。
この上昇負荷という言葉になぞらえて、twitterの闇や深層から戻るとき、あるいは投資や為替などの値動き、映画などを見終わって現実に帰るときなどに自嘲的に用いられる用法も一部でみられるのは興味深いところです。

成れ果て:
成れ果てというのは動詞の連用形が転じて転成名詞になったものと思われますがこれと同じように末尾タ行で転成名詞になれそうなものと言えば「2本立て」「さや当て」くらいのものでしょうかなかなか文法的にも面白い言葉だと思います。
しかし気になるのはアビス6層にある「イルぶる」、通称”成れ果て村”では村独自の言語・文字が使われており、表層の街・オースの言語とは大きく異なる文法が適用されている…このくだりを見つけたときには胸が躍りましたよ。
アニメ版・劇場版でしか見ていないので先の展開はわからないのですが言語スキーにとってもその詳細設定や語彙・語法の組み立てに刮目せずにはいられない要素でありそうです。展開が楽しみですね。

白笛:
〇〇の剣や△△の宝物みたいなものではなくてホイッスルは知覚用具でもあり警報・注意引きのツールでもあり、ハーメルンの笛吹き男みたいに扇動・教導のシンボルでも成り立つ、そしてさらには赤笛、蒼笛、月笛、黒笛、白笛のように探窟家の階級章としての呼称シンボルと同時に証としての物理的なレガリアとしての実体…
笛はこうしてみるといろいろ喚起イメージが広がっていてマルチなところがとてもいいですね。
物語としてもいろいろな色彩や魂の織り成すタペストリーとしてますますその意味合いが深化していくところが見どころでもあり、この作品の魅力でもあります。

地臥せり:
先ほどの動詞連用形からさらにひねりを加えて古典文法の「完了・存続」を意味する助動詞の味付けが名詞化された稀有な例だと思います。
「り」「たり」を使った文としては「幽霊の正体見たり枯れ尾花」とか「自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり」ぐらいのものしか挙げられませんがどれも用言止めなのに対し、
どんなメカニズムなのかはよくわかりませんがとにかくこれは体言・名詞使いされている「地臥せりによって発見された」などまぎれもなく名詞ということ。
一説には山野で落ち武者狩りなどを行う武装した民衆の呼び名、野武士/野臥または「野臥せり」と同じ類推によって生み出された造語だという説もありますが面白い言語現象であります。

度し難い:
形容詞で目新しい語彙というのはとても新鮮です。
「救いようがない」「どうしようもない」「道理を言い聞かせても分からせることができない」などの意味で使われている言葉なんですがよくこんなマイナーな語彙を一般化してしまいましたね。
優れた創作物っていうのは、このようなつい使いたくなるようなフックのある語彙を召喚する、あるいは再発見するスキルに長けているものだと思います。まったく度し難いアニメですね。

黎明:
この言葉はすっかり市民権を得ている言葉ですよね。最近じゃエンタメ作品に引っ張りだこな漢字であります。フェチ心をくすぐる漢字っていうのでしょうか。
火の鳥にはじまり、鬼滅の刃、薄桜鬼、アイドルマスター、サモンナイト、バトルスピリッツブレイヴ、アカシッククロニクル、Fate/Grand Order、十二国記、彩雲国物語、魔法使い黎明期、黎明のアルカナ、、少女病、陰陽座、SIX LOUNGE、ジャニーズWEST、そしてメイドインアビス 深き魂の黎明 と。
(個々の詳しい作品/章名/エピソード名、曲名、パッケージ名等の説明はここでは割愛)
うわっ、日本人、「黎明」っていう言葉が好きすぎる…。つぶやき数も609ポイントでもちろんトップでした。

パパ棒:
この言葉のくわしい意味についてはプルシュカちゃんに聞いてください。

そす:
通称「成れ果ての姫」という異名を持つ新キャラのファプタですが現時点で私はアニメ情報でしか情報を得ていないのでこのキャラクターの人となりがよくわかりません。
とにかく語尾に「…そす」というのをつけるのが特徴的なしゃべり方らしいのですがちょっと脱力感があってかわいいキャラ語尾ですね。
検索語としてはノイズも拾っちゃうのではないかと躊躇もありましたがそれほど気になるレベルというほどでもなかったので結果オーライですそす。
結果は堂々3位の413ポイントのつぶやき数でありました。
うーん、「メイドインアビス 烈日の黄金郷」ますます楽しみそす。

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…以上で長ーい解説は終わりなんですが今回は肝心のYahoo!リアルタイム検索アプリのスクショをどこにもってくるかあれこれ試行錯誤した結果、中盤と最後にどーんと置いておくほうがデータを見る余韻が読者さんに残ると思ったのでちょっと変則的な構成でお届けしたいと思います。どうぞご容赦ください。
…まあ肝心の調査項目を発表しないと始まらないんでまずはこちらからドーン↓


改めまして、今回の調査はYahoo!リアルタイム検索アプリを用いてメイドインアビス作品でちょっとフックのある言葉の端々を解説しつつ、
それぞれピックアップされたワードの一日でつぶやかれたツイート数の推移・結果を一覧してみようという好評のシリーズ企画であります。

まずこの調査データは2022年6月30日から2022年7月1日の24時間で計測したツイート数であります。
第2期の放送開始を7月6日に控え、twitter界も新作の話題でもちきりになるのは目に見えておりますので、公正なつぶやきボリュームをサンプリングするのにあえて"嵐の前の静けさ"である放送前の話題状況を調査することといたしました。
それに歩みを合わせるように、劇場版「メイドインアビス 深き魂の黎明」のオンエアも地上波とBSで直前に相次いで放送されるので影響は必至です。
読者の皆様も、放送前の話題性と放送後の話題性を合わせて比較出来たらより興味深いデータが得られるかと思いますのでまずはご注目ください。

さんざん煽っておいてナンですが、この作品をまだ見たことがないという方は心に準備というものが必要になりますがぜひ見ておかれることをお勧めします。
ネタばれなしで初見できたという方がいらっしゃればまさに幸せというよりほかありません。
昨今の情報化の弊害なのか、知りたくなくてもうっかりネタバレを食ってしまうことが往々にしてありますのでできればまだ情報があふれていない今のうちにお時間があればご検討をどうぞ。
作画もシナリオも音楽も声優陣もすべてがハイクオリティ、こんな良作に巡り合えることは10年スパンで考えてもそうそうない作品であります。
まあ、始まる前からあれこれ御託を並べるのも無粋というものですので今記事はそろそろ締めに入らさせていただきます。

それでは今回の調査結果です↓

調査期間:2022年6月30日-2022年7月1日

1.スパラグモス           6
2.ギャングウェイ          3
3.上昇負荷            64
4.成れ果て            95
5.白笛             539
6.地臥せり            3
7.度し難い           271
8.黎明             609
9.パパ棒             22
10.そす             413

調査は以上でした!

 

 


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