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「でにをは」別口入力・三属性の変換による日本語入力 - ペンタクラスタキーボードのコンセプト解説

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こちらのリンクからコンセプトをご覧ください。

さユりふぁんくラ部…変換泣かせのかなカナ混淆表記

2019-12-23 | 画面の流れとインターフェイス

ファンクションキーを利用した変換には
F6キーを連続して押すと(全かな)先頭からカタカナに(→セントうから)、
F7キーを連続して押すと(全カナ)末尾からひらがなに(マツびから←)
…できるようですが、素朴な疑問、「なるヘソ」とか「これゾン」「なぎスケ」とか末尾をカタカナにして締める単語はどうするのでしょうか。
もっといえば語の末端ではなく中途の位置のみ字種を違える厄介なパターンの固有名もいくらでも出てきます。
日本語入力は話す感覚で流れるように入力できることも大事ですがむしろリテラルな表記のこだわりが一番の勘所だと言えないでしょうか。
この記事ではこの辺にこだわってペンタクラスタキーボードのチャンク編集を掘り下げていきたいと思います。

まずこの記事の立ち位置はというと前回前々回の「キーを新設する」のくだりで触れた「際シフト(キワシフト)」「粒シフト(つぶシフト)」のうち
でにをはがらみのキワの編集操作は際シフトについて前回説明したので、今回は「粒度」というキーワードにもとづいて文字列編集の注目単位を可変させつつ粒シフトキーの組み合わせ動作として何ができるかについて考察を進めていきたいと思います。
注目編集単位は一文字単位の細かな編集スケールにはじまってでにをは以外の助詞、「より から ながら すら ながら たり つつ」などのでにをはキーでカバーできない機能語単位をうまくセパレートしてその前後の接続チャンクを編集しやすくなるようにするややスパンの広い注目スタイルまであり、
これを粒シフトを連続的に(段階的に)押すことで編集スケールを切り替えていく方式を検討しています。もしかしたらスケールの遷移も≪≫+[粒シフト]のような組み合わせ動作にした方が良いかもしれませんが未だに全体像がまだ見えてこないので操作のオペレーションについてはのちのち考えるとしてまずはこんな編集がしたいんだ、というニーズを先行して洗い出していきたいと思います。

粒シフトの操作体系すべてをここで論じるにはとてもスペースが足りなそうですので、今回の記事では数ある粒シフトの注目スケール形態のうち最初の一歩である最小単位の編集動作(一文字粒度)のスケールについて展開していこうかということでやっと本題に入ることといたします。

注目オブジェクトは「チャンク」で、これはでにをは別口要素を抜いただけにとどまらず、「より から ながら すら ながら たり つつ ばかり つまり」など複文字助詞やなにがしかの文法機能語も合わせて取り除いた下ごしらえをしたうえで、
未知語の可能性も引き受けつつ編集対象となるチャンクをフォーカスするところから始まります。
通常は変換前文字列を入力し終わって変換キーを押して、かな漢字変換が候補提示を首尾よくおこなえたフェイズに至ったところで粒シフトキーを押して該当チャンクの編集に移ります。
まあここのところの操作仕様はまだ固まっておらず暗中模索中でありますが、ひょっとしたら一文章丸々変換後ではなくあえて細切れ確定を積み上げたうえで逐次的にチャンクを出しながらで変換させたい文字列を編集させるスタイルの方が適している場合もありそうですが
細かい操作文脈の検証は今後に回していくとしまして要はタイトルや冒頭でもあらわれたある種のかな・カナ混淆表記の特異な単語の編集をするにはどうすればいいのかについて浅知恵ながら対策を考えてみましたのでまずはアウトプットしていきたいかと思います。
ここはとりあえず先にずらずらっと編集させたい語例を以下に並べるところから始めさせていただきます。

<編集したいワードの例 レベル1>
おっホイ
ちょコム
おシャレ
けもフレ
なるヘソ
しまホイ
オバしゃん
キュウべえ
バイきんぐ
ウェルかめ
マリみて
モヤさま

…このへんのワードはまだ粒シフトキーの出番はなく、キーボード盤面中央付近の[かな][カナ]キーの連続押下で語句の終端部からカナやかなに一文字ずつ混ぜ替える操作ができます。
従来のファンクションキーのF6やF7の機能では付属助詞対策のためか末尾かな保存に(先頭→/末尾←:両方のケースで)重きを置いていたような観を受けますがペンタクラスタキーボードの[かな][カナ]キーのオペレーションでは末尾かな/末尾カナに統一してかなでもカナでも語句固有のチャンクをシンプルに表記合わせしたい要請に沿った形のインターフェイスを体現しております。
なのでおっホイ・はてブ・このミスなどの末尾カタカナの語の編集に対応できていますし、バイきんぐ・コトしず・サーかばのような末尾ひらがなの語にもちろん末尾合わせでのかなカナ整えの操作が行き届いているかと思います。

<編集したいワードの例 レベル2>
あヴぁんだんど
さユり
ほしいンゴねぇ
わかったっスよ

…レベル2のこちらの例ではいよいよ粒シフトキーの出番となります。語句中途に異字種が埋め込まれているケースですね。
変換候補提示の段で粒シフトを一回押すと、まずは最小粒度のスケールでのフォーカスとなりその編集性質上の意図から文末部分の機能語・付属的チャンクの編集は避けられて当意即妙的に末尾から次に近そうな固有語あるいは叙述部分でない文構造の素材語となりそうな部分を自動的にフォーカスして編集受け付け状態に入ります。
ここでイメージしているのは、編集部分の│(キャレット)の縦棒が示されるようなカーソリングではなく、かといってドラッグしてレンジで選択されるような範囲選択でもないような第三のカーソリングスタイル…「アレンジ・リテラル・ハンド」とでもいうのでしょうか、とにかく特殊な編集状態に遷移することを強調しておきたいと思います。
ハンドhandというのはカード遊戯の手札をそろえるところからきたメタファーであり叙述・機能語ではない素材語として抜き出されたある一定の範囲(未知語含む)にフォーカスがまず移って、
例としてハンドのそれぞれの構成要素をカードと呼称することにして説明していきますと

ほしいんごねぇ に粒シフトを作用させるプロセスにおいて、まず模式的に各カードをあらわすと
▉▉▉▉▉▉ぇ のように末尾から反転選択されていき、粒シフトからの[←]キーを押すごとに
▉▉▉▉▉ね▉
▉▉▉▉ご▉▉
▉▉▉ん▉▉▉
のように各文字ごとに反転フォーカスがあたるので、ここでは「ほしい[ンゴ]ねぇ」の表記を実現するために
位置[ご]→[カナキー]→ゴ、位置[ん]→[カナキー]→ン
のように各フォーカス位置でカナキーを作用させてやることでワード中途のかな字種の張り替えを編集することができます。
デフォルトはチャンクの終端から左一文字ずつの選択ステップとなっておりますが初手で[→]を押すとそのチャンクの先頭に飛んで以下右方向への一文字ずつステップとさせ編集することも可能です。
先頭からも末尾からも容易に中途異字種編集ができるのでとりまわしは随分便利になるものだろうと踏んでいます。
これが「アレンジ・リテラル・ハンド」のチャンク編集スタイルであります。チャンクを前提にしつつも個別文字へのアクセスもトラフィックする面白いオペレーションだと思っております。

さて、ここまで導入が済んだ時点で更なるステップ、レベル3はこうです。

<編集したいワードの例 レベル3>
きみ声
水どう
ズッ友
手タレ
転売ヤー
冴えカノ

…ここからいよいよ漢字交じりのかなカナ表記のあるワードレベル3の編集にスポットを当てます。
ここまで来ておいてナンですが、ここで先程の最小粒度のスケールでの「アレンジ・リテラル・ハンド」のチャンク編集をいったん忘れてもらいまして、粒シフトキーを2回押したところのモードであります次の編集スケール、
「近視眼的食い気味粒度」--粒シフト第二段階
での編集スケールの挙動を説明したいと思います。
先程のハンド・カードの注目文字は一文字単位でしたがこちらは漢字が混ざるのでセパレーションの単位が二、三文字に広がっていきちょっと複雑になってしまうのが難点であります。
分け方はそれほど厳格ではなくむしろ前後の文脈は無視してあえて近視眼的に"ありふれ語"の語片を見たらとりあえず漢字変換するといったイージーな造りです。
文脈を見ないということはこれは通常変換の候補提示から離脱したモードとみなしておそらく文法要素のない合成・複合語だろうと決め撃ちしたバイアスでの変換に特化する味付けを意識しているからです。
もちろん通常変換でできる範囲の複合語解析を走らせたり三属性のハ万変換(接頭語・接尾語の変換)などでまっとうな複合語をひねり出す手立ては別にあるので、こちら粒シフト(2)ではそこからこぼれ落ちてしまうような、辞書ではどうにもならなそうな造語・略語の表記のフォローのためにしつらえた編集モードであります。
言葉で説明してもなかなかイメージがつかみにくいと思うのでこちらも模式的にカーソリングの挙動をテキストで表現してみますと、
例えば「水どう」に粒シフトを二段階あててみたときには(もちろん水道にはなりません)

・(すい)(どう)と漢音の特徴を鑑みて2パーツにセパレートされた注目チャンク
・(すい)【どう】:注目セパレーションはまず末端からおこなわれる([かな]キーで【どう】を変換するもよし)
・【すい】(どう):ここで←を押せば(どう)の部分はスルーして【すい】の部分を漢字にするか否かが問われる
・ここで「すい」の音には漢字候補をあれこれ選択するのではなくてあらかじめ決められた"ありふれ語"の辞書の中から「すい→水」と一意に変換しようとする
・【すい】を変換三属性の「変換ハ」(ハ万)キーを押して「水」に変換する:→Enterキーを押して決定
・変換後文字列:水どう

こんな感じになります。漢字変換が"ありふれ語"の中からしか選べないのか…と落胆させてしまったかもしれませんが、込み入った表記のものは[の][の]代表変換やトランス音訓変換、それに接頭語接尾語・ハ万での変換に任せるというのがメインですし、
これは「近視眼的食い気味粒度」のモード内のみでの変換辞書なのですから通常動作での挙動まで限定してしまうものではないのでこのへんが落としどころでしょう。

また単漢字のみだけでなく「(転売)ヤー」のような二文字ぐらいの語もひとかたまりとしてセパレートされていきますし、
動詞の連用形ほかその他活用形の「(冴え)カノ」のようなケースでも送りがな付きでひとかたまりと束ねられ出力されます。
あとは三属性変換の属性ハを押して変換していくのは、通常変換キーでのプロセスがリセットされないように継続の余地を残すためというのが1つと、
もともと接頭語接尾語だけでなく反対の意味の漢字が組み合わさった熟語(昇降とか)の変換といった機能を担っているだけでなく、対語に限らず熟語合成法則にもとづいた熟語(粘投とか寄稿とか)の変換もハ万変換の一翼を担うところまで適用範囲が広がっているのでここで念頭に置いている複合語の変換の本位はむしろ属性ハの領分にピッタリではないかとの認識があるからであります。

それではもうちょっとお付き合いください、次はレベル4です。「近視眼的食い気味粒度」はまだ続いております。

<編集したいワードの例 レベル4>
バド奥原
イタKiss熱
食べたいっスね
失敗なんてメじゃない
8時だョ!全員集合

…「ばどおくはら」このままだと「ばど億腹」みたいになってしまいかねません。なのでここでちょっとひと工夫。
まず粒シフト×2をした後に、→を押して注目カードを先頭にジャンプして「ば」→「バ」に変換、もいっちょ→を押して「ど」→「ド」に変換。ここまでOKです。
あとは残された「おくはら」に通常変換キーを作用させて「奥原」、これで無事変換できました。締めの属性ハのステップは省略されます。
次の「いたKissねつ」これはまたちょっとクセがあります。
まず粒シフト×2を押す前の変換候補提示を通常変換からではなくハ万の変換を前段にもってくるのです。
こうすれば最後の熱のところは生産力のある辞ですので接尾語と判定されて(たとえKissのようなアルファベットが挟んでいたとしても)、
とりあえす○○○熱というところまではFixできるのでここから改めて粒シフト×2に入ると実質編集文字レンジは「いたKiss」の部分になります。
ここで→を押して先頭にジャンプしてイ、タをそれぞれカナキーで変換してやる操作になります。最後はやはり属性ハのキーで締めます。
「たべたいっすね」は通常変換後(食べたい)│(っすね)のチャンクに分かれてこの場合終端が未知語ですから(っすね)にフォーカスがあたります。
そこでちょっと内容が戻りますがレベル2の「アレンジ・リテラル・ハンド」に立ち戻って「っす【ね】」のち←押し「っ【す】ね」までカードを持ってきて「す」を「ス」にカナ変換してやればよいだけです。
ここで少し欲張りを言うと未知語はデフォルトでカタカナ文字列になりますがこの場合のように一部分だけカナに直す操作が入るとユーザーの意図を賢く読み取って「それ以外はひらがななんだな」と解釈して確定後自動的に「っスね」の表記に寄せることができれば満点です。
ギミックとしては簡単なのでここまでのややこしいオペレーションが実現できるのならこの部分程度のちょっとした工夫はぜひとも実現してほしいところです。逆にカタカナ主体で一文字だけかなキーで指定してやるときには逆の挙動(つまりそれ以外はカタカナなんだなと受け取る)をしてもらえるとなおありがたいです。
「しっぱいなんてめじゃない」ここは判断の分かれるところですが「じゃない」は既知語に含めることとして都合が良いですがじゃない直前の語をまだ未確定な語と捉えることにして構える体制でいければあとは「め」の部分を「メ」に替えることで何とか乗り切れれば良いのですが…構文解析の考察も合わせてこれはのちのちの課題といたします。どうかご勘弁を。
最後の「8じだょ」については8時という数量計時接尾語というのでしょうか、まあでもハ万変換するまでもなく一般的ですから通常変換で「8時」のところまでは首尾よくいくとしまして
「(8時)【だょ】」の注目カードで「ょ」の部分を「ョ」に替えてやるだけで事足りると思います。一つ付け加えますと確定時にもちろんですが素材語/機能語/用言の判定はつかずともその都度ユーザーの手で単語登録・学習の手続きに煩わされずに適宜汲み取って逐次学習ができれば良いかなと思います。

長々と続いてしまいましたがここまで来たので最後のレベル5までやらさせていただきます。

<編集したいワードの例 レベル5>
円盤皇女ワるきゅーレ
ふぁんくラ部
皆総ダちで
かっこカワイさ
恋んトス
雨イジングスパイダーマン

このへんまで来るともう対応しきれないんじゃないかというほどのカオスな文字列ですが、
まずは「円盤皇女」ですがこれはユーフォ―プリンセスと読みます。まず変換は無理ですね。
なのでここは「えんばんこうじょ」と打ち込んでください。いくつか変換候補を拾ってとりあえず変換ができたこととします。
残りの「わるきゅーれ」部分に来たら粒シフト×2をしていよいよ料理に入ります。
今までの作法通りでいきますと最初は「わるきゅー(れ)」と「アレンジ・リテラル・ハンド」モードで末尾の「れ」に注目します。そこでカナキーを押して「れ」→「レ」です。これ自体には造作もありません。あとは→を押して単語頭にジャンプして同様に「わ」→「ワ」とすればできます。
しかし操作文脈が一度分断されておりますので残念ながら一語として単語が学習されません。なのでご面倒ではありますがサジェストから取り込めれば取り込んでそうでなければユーザー自らの手で単語登録をしなければなりません。
レアケースですが一時的ではなく頻繁にこの文字列をタイプする方は「円盤皇女ワるきゅーレ」として新規にご登録ください。あがいてみるとすればトランス音訓変換は読みが特殊すぎて使えないので[の][の]代表変換でチマチマ打ち込めばなんとかなるかも知れません。しかし操作文脈の継続性は保証できかねるやっかいな文字列であります。
続いて「ふぁんくラ部」ですがこれは「部」が接尾辞ととれるのでまず属性ハ(ハ万)で変換してそれから粒シフト×2をしてなんとか変換できないかひねり出してみます。
編集要素提示は「ふぁんくら(部)」となって部の部分はFixされています。
あとは最初に「ふぁんく【ら】」と末尾部分のカードに注目しますからそこでカナキーを押して先程の気を利かせたIMEの反転解釈もあいまってカナ以外ひらがな解釈でいくと「ふぁんくラ部」とめでたく変換されることになります。
「みなそうだちで」…これは「で」の方は別口入力でありますからそれはいいとして、みな=皆の部分は品詞は定かではありませんが確かに副詞的にはたらく機能を持っていますのでこれは通常変換でまず検知される成分です。
※関連 文末表現・付加表現の種々派生したものなどを通常変換に誘導する - P突堤2
↑の例では文末表現にとりわけスポットが当たっていましたが副詞も通常変換の誘導上重要な検知対象です。逆に言えば三属性変換では一番後回しに判断されるファクターですので「みなそうだち」このケースでは通常変換のみが正解ルートとなります。
よって「みな」は通常変換によって「皆」がFix部分と固定されるので後続に粒シフト×2をおこなってもこの不変部分は操作文脈上も保存されていきます。ここが副詞のクセのあるところです。
いろいろと前提事項がついてきましたが肝心の「そうだち」はおそらく通常変換の段で「総立ち」になっていると思われるので「立ち」の漢字部分のFixを再び解除する手続きが必要になります。
これは未知語ではないのでカタカナ提示がされないのが仇となって分解するのにひと思案必要になってきそうです。
結論から言うとここではウルトラCとして再変換を押してからの粒シフト×2はどうでしょうか?
再変換を押してからの粒シフト×2というのは「近視眼的食い気味粒度」にならず漢字確定部分も一文字ずつのカードにとらえなおした「アレンジ・リテラル・ハンド ver.2」になって「総立ち」の「立」の部分にカナキーを作用させていくとなんとこれが通ってしまって「ダ」に変換できるといく苦し紛れの思いつきです。
ただ「立」の部分がよみ:ダをあらわしているというタイプ情報が残っていればの話ですがちょっとここまでくると理論の筋立てに自信が持てないですね。自分で書いておいてスイマセン。
…さて気を取り直して「かっこカワイさ」についてですがもう忘れてしまった方もおられるかと思いますが基本別口入力から発展してさらに追加になった別口入力に「『さ・み・げ』のアソート」というのがありまして仕組みの詳説は 未定義③キーにあてる別口入力キー候補その5…[さ][み][げ] - P突堤2をお読みになっていただくとして、
接尾辞「さ」をFixさせる手立てがありますのでそこは別口入力で「かっこかわい[さ]」と打ち分けていただいたうえで通常変換→粒シフト×2に移行していってから3文字のカード(=かわい)を編集して「カワイ」にする操作を施して最終的に属性ハを押してやれば問題ないと思います。
今までやった技の延長上の組み合わせ動作です。
…あと残るは2つ、「こいんとす」これも既知語なので素直に漢字にならないかと思うのですが再変換からの粒シフト(1)そしてさらに通常変換という合わせ技で無理くり漢字に直すという芸当にチャレンジしたいと思います。
粒シフトには近視眼的な語片Fixという操作文脈が備わっているのでここであえて既知語でありながらもさらに分け入って確語片「恋」を無理くり見出して(文節伸縮←→をあえて使わないで)粒度のオペレーションで解決しようという暴挙に出てみます。
あとは「とす」の部分が「トス」なのでかな変換 そして 気の利いた反転変換(ん) さらに「恋」の漢字部分保存、と今までのエッセンスがすべて入りきったような至妙なワードあります。これでどうでしょうか。
…最後に駆け足で「あめいじんぐすぱいだーまん」について考察しますが、これも近視眼的語片Fixを駆使することによって解決を目指します。
まず既知語のチャンクとしては(あめいじんぐ)│(すぱいだーまん)の2チャンクにセパレートされます。「スパイダーマン」の方は特にいじらないので≪でスルーします。
そしてフォーカスされた「あめいじんぐ」、これに近視眼的語片Fixを施すことになります。
とにかく前のめりに語片をFixしていきますので「雨い人ぐ」とかになってしまうリスクもありますが漢字Fixされた「人」をカナキーで作用させて解除していけば何とかなりそうです。ただしここでは「気を利かせた反転変換」がはたらいて「雨いジンぐ」になってしまいかねないので「ぐ」部分も「い」部分も周到にカナに変換しておいて不具合を潰しておいてから最終的に属性ハ(ハ万)で決定するというまどろっこしい入力プロセスとなります。


…以上で数々の例にわたって長々と述べてきたのですが、正直理論的整合性だとかユーザーインターフェイスの配慮には完全に逆らってしまってとても人様にお見せできるような代物ではなかったのですが、
入力プロセス云々よりもまずは実際に数多に転がっている「問題の文字列」の存在を列挙して示せたのは火中の栗を拾うかの如く徒労に終わってしまうかもしれませんが自分の中ではやりとげた!という気分でありますし収穫だとも思っております。
まだ粒シフトの操作体系も見直さなくてはならなそうですし課題は依然として解決はしていないのですがこの記事をたたき台にして今後の考察に役立てていきたいと思っております。
かの小池一夫せンせいの著書に「年寄りは弱虫なンかがなれるもンじゃねぇ日記」というのがありますがこの面妖な文字列をシュッと変換できるようになる日はいつくるのでしょうか。奮闘は続きます。

 


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考えがまとまらないので補助線 キワ越え編集

2019-11-24 | 画面の流れとインターフェイス

ちょっと(大分?)間が空いてしまいました。
前回の記事で「[引きシフト][押しシフト]の2極性シフトキーを新設する」だとか「助詞部分のキワの処理をなんとかしたい」
みたいに息巻いて申しておりましたがこれがなかなか難題。ちょっとピントがあちこちに飛んでしまってなかなか考えがまとまりません。

まずチャンクフォーカスの問題。ペンタクラスタキーボードのカーソル移動には≪≫のチャンク単位で移動するものと、←→の一文字ずつ文節を伸ばす縮める移動のものとがあります。
従来のキーボードみたいに文節長操作:Shift+←→みたいに混同することがなくてわかりやすくさせるための措置です。
これを踏まえて長文一括変換-確定直前のチャンクフォーカスはデフォルトでどこを指し示すのかまだ考えが固まっていませんでした。
ここはシンプルに先頭文節の一フレーズ部分をまずはフォーカスして、≫を押すごとに右側へ隣接移動していき文末の向こうまで行くとループして先頭文節へとジャンプするというのを想定しています。
ただし、チャンク移動初手で≪を押した場合は一気に文末へと注目チャンクがループ・ジャンプしていきます。
(この辺のくだりは考え方をまとめる作業を兼ねて書きながら整理していっているところです)

編集操作の基本が見えぬうちに先走りして新キーの設置に駆り立てられていたのには理由があります。
これが前記事で述べていた「でにをはまわりのキワの表記の処理」であります。
ここが特殊なために引っかかりが残ったままだったので別キーを立てたい動機とつながるものでした。(おかげで回り道をしてしまいました)
なのでチャンク移動・文節長移動に続いてでにをはキワ処理用の機能キー[際シフト(キワシフト)]を立ててなんとかやっていきたいところです。
でにをは別口入力は助詞部分はマーカーとして文章に埋没して編集操作にはあてられないよう設計されており、もっぱら助詞と助詞との繋ぎとして屹立する<素材としての語片>だけに注目してみると
ときにデフォルトの入力状態から脱してでにをはそのものを削除する・編集するときには通常のオペレーションから一段違った状態を作り出す、これが[際シフト]とが必要になる導入理由であります。

まだ図を用意していないので状態遷移は一目瞭然とはいきませんが、とりあえず思いつくままに挙動のイメージをあげてみると、
変換確定直前のほぼ整った文章の状態で[際]+→を入力すると、初手では先頭チャンクに付随する助詞部分に注目して、これにカナキーで助詞をカタカナ表記にしたりやDeleteキーで当該助詞を削除する作用を及ぼしたりします。
助詞部分が複合動詞になっている場合は例えば

│おでん[で][も]│食べたい気分[だ]

みたいになっているとしたら、最初の[際]+→で[デモ]に変換するもよし(カナキー)、
[で]を削って[も]だけにするもよし(左デリート)、
逆に[も]を削って・おでん[で]食べたい気分だ にすることも(BSキー)できるようにするといった算段であります。
とりあえず[際]+→操作で編集対象になるのは[でも]の2文字ですから、これに対して字種変化やデリート・BS操作で局所的に操作していくことになります。
編集操作が終わったら、続けて[際]+→を押しますとフォーカスが右隣次の別口部分へ移動して・食べたい気分[だ] の[だ]部分の編集に移ります。
これだけだと別口部分カナ操作は、逐次→押しで一個ずつ飛び飛びに変換しなくてはならず面倒ですので
[際]+≫の操作で複数マーカーにわたってカナ表記操作をできるようにさせるようにすればまとめて1フレーズの別口部分をカナ表記にすることができます。

例えば
│走っ[て][も]│朝飯くらい[は]│とっておかない[と]│スタミナ[が]│続かない[でs]
これを[際]+≫≫≫≫のようにしてチャンク範囲を伸ばしてあげて一フレーズまるまる選択したところで[カナ]キーを押したら

走っテモ朝飯くらいハとっておかないトスタミナガ続かないデス

に変化させることができるということです。ここでの注意点は、[際]≫操作はそれまでの別口部分フォーカス以降(以右)からの範囲選択となるので
別口編集を中途半端に1,2個先頭から局所編集してから進めてしまうのよりかは最初から[際]≫≫で全体を選択して作用させるのが早い、ということです。
ただこのときには・おでん[で][も]の時のように複合助詞部分の編集操作はできない形となっており、[際]≫≫選択の時の作用受け付けオペレーションは別口部分だけの字種に対しての変換(カナに変換)となります。
削除・挿入のような個別局所編集はできず、言ってみれば[際]≫≫選択はグループ的・離散的な全体選択とみなす形になっているので作用範囲も当然全体作用のみに限られてくるということです。
ここのように≫のキワ操作についてやれることは限られてくるので注意が必要です。

もっとも、上記の例のように「走っテモ朝飯くらいハとっておかないトスタミナガ続かないデス」みたいな中途半端なカナ表記はあまり使う場面もなかなかないかとは思うのですが
[際]シフトは普段編集対象にならない別口パーツに対しての編集操作を活性化させる切り替えとしての特殊機能キー・[際]シフトですので持ち場はここまでで収めておく程度が適切ではないかと思います。

それならカナ表記のスタイルでもっと使われそうな本丸の「走ッテモ朝飯クライハトッテオカナイトスタミナガ続カナイデス」(漢字部分以外オールカタカナ)の表記に対応するにはどうすればいいのか?
…その解決策については[際]シフトと対をなす新キー、[粒]シフト キーの出番になってくるところであります。
想定としましては[際]+≫≫≫…で文章全体をキワ含み全体選択をした後、[粒]シフトを押して<漢字部分FIXのまま非漢字部分を編集>のニュアンスをつけてからカナキーを押して先程のような"漢字以外の部分をカタカナに"した表記の編集ができるというものです。
いわば組み合わせ動作ですね。ちょっとややこしそうですけれど、粒シフトはニュアンスをつけた全体選択の前段として活躍しそうなキーでありまして、目指している機能としては

1・漢字部分を不干渉しながらのカナ⇔かな字種操作(選択チャンク全体で)
2・「冴えカノ」みたいに漢字・ひらがな・カタカナ混成の語句の編集に対応するための一文字ずつフォーカスしながらの編集操作(F6,F7のように連続押しで端から異字種に振り替える動作はあるが漢字部分を保存したままの文字列操作はできていないので)
3・まだ未調練ではあるが従来の複合語変換スパンより少し短絡的な(近視眼的な)部分確定候補(わざと)の区切りを提示する1と2の中間みたいなスケールでの編集対象操作
4・でにをは別口パーツに加えて2文字以上の助詞や機能語をセパレートするような編集スケールでの操作(こちらも未調練)

などを提案したいと思っておりまして、ちょっとここでは詳細は書ききれないので次回以降に回したいと思いますが、ここで大きく強調したいのは
「編集のレンジ(範囲)を指定する動作」ではなく「編集の粒度(どの部分に着目するか)を指定する全体動作」とでも評したらいいのでしょうか少し込み入った編集の指定のための機能キーであります。
ニュアンスだとかスケールであるとかフォーカスであるとか色々表現に苦心しましたが抽象的にふわっとした言い回しで表現するために「粒度」という言葉を軸にして以降説明していきたいと思います。

現在進行形でアイデアを煮詰めているのでまだ整理が足りないところもありますが今後の記事で何とか方針を示していきたいです。
なお前回の記事では新キーの名称を「押しシフト」「引きシフト」などとしていましたがこれはキレイさっぱり忘れて今のところの用途に沿った名称、
[粒シフト](粒度のシフト)、[際シフト](別口入力パーツのキワの編集のためのシフト)
の2本立てで文字列編集の支援になるような操作体系を構築していきたいと考えておりますので注意深く編集場面をシミュレートして完成度を高めていきたい所存です。

あといろいろ調べておりましたら、Wordの機能では漢字以外の部分をカタカナにさせる機能があるらしいのですが詳しい内容は今回は割愛させていただきます。
こちらとしましてはメニューをたどったりして呼び出すのは面倒ですので最小限の操作でできそうな今回の方式を導入して頻出動作を効率化できればなと考えておるところです。

まず今回のところは別口入力のキワの部分の説明をメインにということでこれにて解説を終わりたいと思います。ありがとうございました。


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属性選択の遷移過程を反映した変換候補のリオーダリング

2017-06-03 | 画面の流れとインターフェイス
転成名詞などの例からもわかるように三属性の境界は時として曖昧であり、ひとつの語が複数の属性をかけ持ちするケースは十分考えられます。
例えば「戦死」のように用言全般のよろづロ万に属すると考えられている語句がありますが、一方で「-死」という接尾語を含む言葉なので第三のよろづハ万への帰属も兼ねています。
これは接辞の「し」が氏・誌・史・市・師・紙のように選択候補が多岐にわたるためこの例のサ変動詞などのように用言としてのよろづが検出される場合にはその特徴を活かしてよろづロ万を持たせることにより、他のよろづの、接尾語をもつ変換候補選択が煩雑になる場合と差別化できて便利だからです。

元々このような措置に至ったのは特にこれといった考えがあったわけではなく、気軽な気持ちで「大は小を兼ねる」の言葉通りとりあえず両方に変換候補を載せてしまえばいいんじゃないか…との判断によるものでした。
とはいったもののあれこれ思考実験を巡らせているうちに、この「属性かけ持ち」のインターフェイスとしての挙動は結構奥が深いのだということが推量できるとの認識に至りました。
ユーザーは変換候補の中から納得のいく候補が上位に無いと、変換キーが4つもあるせいか別の変換キーで選択したら期待する変換候補がすぐ見つかるのではないかと試行錯誤し、渡り鳥みたいになってしまう行動様式をもつに至るのではないかとの洞察が頭をよぎってきたのです。
これは意図する属性の変換候補リストの中に元々入っていなければお手上げなので無論セイフティー的に手広く帰属属性を兼任させればよいのですがこれだけではせっかちなユーザーから満足の得られるインターフェイスとしては手ぬるいものになってしまうだろうと言わざるを得ません。
三属性変換の候補リストの提示に、それまで試行錯誤した文脈が反映されていなければただその都度その都度刹那的に属性のリスト照会をしているだけで、ユーザーの意図をくみ取ろうという視点が全く欠けているのです。
ペンタクラスタキーボードの強く意識する、システムとしての「人間-機械系」というものをより高いレベルで体現するためにも想定されるユーザーのオペレーションミスからしっかり観察しそれを有効に生かしていかなければなりません。

まずは実例から入ってどのような改善策があるのか解説していきたいと思います。
「見得を切る」で使われる「見得」について順を追って考察していきたいと思います。この語は名詞としてピックアップしましたが「見得を切る」というイディオムで使われているというのもあって叙述用言の発端としてみる=叙述構造句として不可分…だとみなし用言属性のよろづロ万を兼任しています。(厳密には名詞なのですがよろづの用として様態叙述イメージに併呑されます)
例えば「出ました…この見得!」みたいに突発的に名詞使いされることもなくはないので名詞属性を持たせるということに特に問題はないと思われます。
ただ順当に考えれば名詞でみえといえばまず「三重」が挙がるので「見得」がトップに来るということはまずありません。そこでユーザーは「三重だと名詞名詞しすぎているから叙述要素のニュアンスで…」ということでロ万の変換キーを押して軌道修正しようと試みます。
このとき一度名詞のイ万を経由していることを鑑みて、二番手でよろづロ万に遷移したときのトップ候補が両方のニュアンスを満たす「見得」になるようにする工夫です。
普通なら単発的に見ると「みえ」のロ万での候補順位は「見え」「観え」「見栄」などが上位に来るはずなのですがこのようなときには普段あまり使われない「見得」がピンポイントでトップに来るという算段です。

さらにこの考えを進めていくと特に接頭辞・接尾辞を含んだ言葉=ハ万に対して興味深い強みを発揮するパターンがよくみられるので留意しておきたいところです。
例えば極端な話、ぷりしら嬢の・ぷりしら場の・ぷりしら城の・ぷりしら錠の・ぷりしら状の・ぷりしら上の・ぷりしら乗の・ぷりしら条のなどのような接尾語「じょう」のつく言葉を属性遷移のニュアンスづけを利用して効果的に変換候補を選択できるようにすることも理論上可能です。
経由する属性は、「嬢・場・城・錠」は名詞属性のイ万、「状・上」は叙述成分のロ万、「上・乗・条」は抽象概念的なハ万での変換に反映させれば適当かと思います。
ここで一部「上」がロ万とハ万で重複していましたが、ここが属性兼任のクセのあるところでかならずしも排他的に浮かび上がってくるだけとは限らないという事も考慮に入れなければなりません。
なにかよいデータ定義様式を検討しないと変換手続きが意図するふるまい通りに機能してくれないことが見込まれるのでいずれ対策が必要になってくるでしょう。
さらにはハ万の同属性遷移=かさね踏み(?)のときには本来のハ万で列挙したオーダーが切り替わってしまっては意味がないのではないかという疑問も湧いてきます。
あと細かい話ですが通常変換×3ののちハ万へ遷移した場合などは通常変換で通過した変換候補はハ万のテーブルでは省いて再オーダーされるなどといったようなチューニングも求められるかもしれません。
さらにさらにイ万→ハ万の遷移のときとハ万→イ万の遷移のときで差が出てきたりはするのか、またそういった定義はあるのか、検証事項は尽きることはありません。
ただあまりにも属性遷移反映が行き過ぎると求める変換候補を見失ったとき収拾がつかなくなってしまいますのでわかりやすさのために通常変換に再び戻したときには候補順位テーブルをリセットさせることが大前提になってくるかと思います。


いずれにしろこれから煮詰めなければならない話ですがひとつ重要なポイントとして、上記のようなぷりしらという言葉が事前にどんな素性・フレームをもつのかがわからないときでも造語・複合語の類いが手軽に表記できるという利点があるということに触れておきたいと思います。
もちろんぷりしらというワードが人名の属性であることがわかっていて適切にぷりしら嬢へと変換されるという流れであれば解析プロセスに任せる方が良いかもしれませんが遷移を利用してより重層的な、奥行きのある構えがとれるならそれに越したことはない…ということはハッキリ言えます。


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ペンタクラスタキーボードはもっぱら短い語句の変換向けに機能を掘り下げたものではない

2016-08-16 | 画面の流れとインターフェイス
意味属性という切り口から望んだ語句の変換に素早くアプローチする三属性変換の特質として、短い語句の変換に機動的に対応できるという利点がありますが、長文を含む複数文節の一括変換はとても重要だと認識しています。確かに検索ワードの入力やファイル名フォルダ名の入力に威力を発揮しますが、日本語入力と名のつくものには長文の精度の高い変換は必須のものであり、決して軽視してはおりません。
でにをは別口入力の良さを存分に出せるのはむしろ一括変換の変換過程において発揮できるものであるということを強調したいと思います。
ただアプローチ方法が違います。従来の長文変換の処理過程では、形態素解析で要素をひとつひとつ取り出して品詞間の接続や単語そのものの接続しやすさなどを計算したり、時には意味解析や文脈解析などの高いレイヤーの処理を伴ったりしながら順を追ってプロセスを積み上げていき、一気に変換キー一発で目的の変換文に落とし込むという、シンプルでわかりやすい方法が提示されていますが、
ペンタクラスタキーボードにおいては端的に長文入力後の変換キー操作の一点に収束させるのではなく、でにをは別口入力で形態素を成形し準備立てるプロセスがあったり、≪≫キーで語句のかたまり間を移動して三属性変換をほどこし後から訂正しやすくしたり、まず最初は通常変換で無難な(冒険的でない)変換を試みて第二段階でユニークな部分の変換に移行するという形をとっています。
これは変換確定前後にわたって諸所に用意された重層的なプロセスで変換操作の対話性を重視したインターフェイスであり、仮に正解の語句変換が成功しなかったとしても違和感なく修正過程に自然と移行させる構図ができあがっています。
常に途切れることなく変換フェイズに関与しているという心理的効果があるとともに、ヒントを随時問いかけて正解に近づけていく数当てゲームのようなやりとりに似ているスタイルであり、ユーザーは最初は戸惑うかもしれませんが、終始このスタイルが貫徹されていることに慣れていけば、これはこれで一つのスタイルだな…と飲み込んで消化できるものとなっていると思います。

正解を出すための作業も大事ですが、かな漢字変換に誤変換はつきものですので、失敗したときの挽回策を手厚く用意することもユーザーの利便性のために必要なことであると考えます。

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≪≫でワード間を移動して変換

2016-08-04 | 画面の流れとインターフェイス
この記事では変換インターフェイスの中でも頻繁に出てくる場面の多い、変換文節におけるカーソル移動操作についてと、[かな][カナ]キーでの変換について解説します。


キーボード下部の丸型四角形のキーの中でかな/カナ/≪≫と表示のあるえんじ色でひときわ目立つキーが左側にあります。
刻印されている≪≫(二重の不等号)キーのはたらきは、通常のIMEにおいて←→でおこなっている文節間の移動(下線部の区切りを移動)とほぼ同じ機能を持つキーでこれを左右に動かすことによって変換語句のかたまりを移動して指定します。
通常の←→での注目文節間の移動と少し違うのは、別口入力によって助詞の区切りがある程度断片化されているのでワードの指定範囲を移動するときに「でにをは」その他助詞を抜かした形で飛び石のように指定範囲が選択されるという点が特徴で、文節を伸ばしたり縮めたりする操作のときには普通の矢印キーを使って調整します。
≪≫の左右移動と←→の左右移動の二段構えでカーソル移動をするので、Shift+←のような同時押しの操作がない分カーソル・区切りの移動がすっきりと行えると思いますし、区切り位置をもし間違ってしまってもあとから仕切り直すのがスムーズに行えるのが利点です。


三属性変換との連携操作では、≪≫で「でにをは」等助詞を飛び越えつつワード間を移動して、それぞれの変換語句で三属性変換イ・ロ・ハのどれかを押せば指定した属性の語句へ(図の場合は属性ロ:用言・動詞など)変換されます。
これらは主に漢字の語句(送りがな付きを含む)あるいは漢字とひらがな・カタカナの混在した語句へ変換されます。さらに別口入力「な」(形容動詞の連体形)や「だ」(断定の助動詞・形容動詞の終止形)が挟む場合には「な」や「だ」はひらがなのままで、残りの字種はその語句の表記したい形(漢字・ひらがな・カタカナ)に適宜変換されます。
これは[かな][カナ]キーで変換するときも同様で各種助詞・助動詞・語尾部分はひらがなのままで、注目語句はカタカナなどに変換されます。
(例)シリアスな ファンキーだ
なお[カナ]キーで変換する際、1回押すと全角カナ、2回押すと半角カナへ変換されるようにすると順当でわかりやすいかと思います。

通常の環境であればF6・F7・F8を押して変換する(時にはFnキー同時押しの場合もある)ところをキーボード盤面中央付近の押しやすいところに配置しており、習慣的見地から見ても配慮の行き届いたものとなっています。
日常的動作なので押しやすい位置にキーが配置してあることは重要ですね。


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