パエ-リャ

木製カトラリ-

ボホ-ル紀行 (29)

2016-07-04 06:10:52 | Weblog

唐突に終わってしまった「輝く道」の眼下に見える熱帯の川は、濃い緑色に輝いて私を誘っていた。

今話をしているのは以下の地図の場所だ。そして、ボホ-ル紀行の次は、更に南に下りて、ヘネラルサントスからジャバ海への航海日誌につながって行くだろう。

 

ペットボトルの水も持たずに体感温度は40度以上あったであろう灼熱の白い道を、コンポステ-ラに行く道も, そのようなものに違いないと信じて辿ってきた身には、西遊記で夏目雅子が出会った川も、このようなものであったろうと思わせる程、魅力的だった。

                                            

この地図が川を見た場所を示している。そして、見えていた川が次の画像になる。

           

川に向かわない選択肢は、矢張り、なかった。この画像の下にわずかに見える、危険な程の急傾斜の砂利道を降りきると、右側に穏やかに川が流れる

     土手沿いの白い砂利道に出て、鉄橋が先の方にわずかに見えているだけだった。

ほんの5分前までは途中で干物になっても不思議ではない程過酷な環境にいたのに、

          そこには大量の水があり、安らぎと安心感で満ち溢れていたので、とても不思議な気持ちでいた。その土手沿いの道は

 日本の田舎では普通に見られる光景とそっくりだったのだから。

でも、よく見ていると、小さな違いがあった。日本では当たり前にみられる生物を見かけなかった。

蛇も見かけなければ、トンボや蝶も見かけない。トカゲ位はいたのかも知れない。ボルネオ島では、コタキナバルからサンダカンに向かう道路沿いに蝶が乱舞していて、運転に危険な程だったので、フィリピンに蝶がいないとはとても思えなかった。でも、蝶やトンボも見えないしセミの鳴き

声すら聞こえなかった。

普通、日本の田舎だったら、昆虫がいるのは当たり前なのに、何もいない、虫の鳴き声も聞こえない。水が溢れ、緑が滴る典型的な田舎道に、昆虫がいないことがあるのだろうか?

然し、砂利道に沿って緩やかに流れる深緑の川は水量も豊富で、

              時折光る小さな魚の群れも、 川の監視用タワ-も

    子供たちが昇って川に飛び込むための木の足場も

              

その場にいるからこそフィリピンの田舎の光景を見ていられる幸せを素朴に感じさせてくれた。

川向こうの画像が以下になる。

  これも典型的な谷戸地形だ。

そして、何より、そこで川遊びをする子供たちと、彼らを見守る親に初めて出会い、少しずつ落ち

着きを取り戻し、前方に鉄橋が見えることで、ますますセビリヤ村の中心部が近いことを確信し始めていた。

               

コンポステ-ラは徐々に消え去り始めていた。